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ナラタージュ 角川文庫

島本理生【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 角川書店/角川グループパブリッシング
発売年月日 2008/02/22
JAN 9784043885015

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商品レビュー

3.7

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2024/02/26
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※このレビューにはネタバレを含みます

言いたい事が山ほどあります。 前半のうちは、女性作家らしい作品だなぁとか、一つ一つの表現が綺麗だなぁ、恋愛的な意味でドキっとするシーンが多いなぁと思う事が多く、恋愛小説は初めてで、男性である自分が状況を一つ一つ楽しめるかどうか少し不安でしたが、結論から言うと楽しめました。校則で毛染めOKなんてすごいと思ったり、劇の内容が面白かったり(それだけに劇の本番シーンがなかったのは少し残念でした)と、言いたい事はそこじゃないんだろうなと思う事によく目がいきました。 後半から心がザワザワする展開が多く、切ない気持ちがすごい押し寄せてきました。メタ読みというほどでもないですが、小野くんと付き合った地点で、「あ、これ一悶着ある、絶対小野くんが報われないやつだ」と内心思いながら読んでいました。 小野くんにとって、泉との時間はたった一時的なモノでしかないと思うと、いたたまれない感傷的な気持ちになります。 小野君を一概にクズとは呼べないです。もちろんゴムをつけないとか同意もなくセックスは擁護もできないですが、大人っぽい人でも学生は学生で、自分がもし同じ歳で同じ状況なら、今付き合ってる恋人の肌を求めてしまうかもしれません。それだけの不安が襲っていると思います。擁護している訳じゃない。ただ、事実として思いました。 そう考えると大学生の恋愛だなぁと思って、共感できるシーンもあり、物語に入り込む事ができました。 ただ、個人的にとても惜しかったのは、柚子ちゃんのシーンです。 柚子ちゃんのシーンは必要だったのか、あまりにショッキングすぎて、その後のシーンが負けてしまうような印象を持ってしまいました。 2人をもう一度くっつけるために柚子ちゃんを利用したという感じがどうしても拭えず、死なせる事はなかったんじゃないか?確かに、伏線は回収しました。しかし、物語に重みを持たせるための演出のように思ってしまいます。それまでがすごいリアリティのある感情だっただけにとても残念でした。個人的にはそこだけが納得できない。葬儀のシーンもです。あれこそ上手くカットしてもよかった、泉と葉山先生が主役なのはわかるけど…柚月ちゃんの死を引き合いに何か起こるのは、この作品に合わないように思います。柚子ちゃんの抱えた苦悩の方が、他の誰より重たくて辛い、他の恋愛感情がほぼぶっ飛んでしまうほどに柚子ちゃんの傷はとても深いと思います。何かあるにしても他の展開があっても良かったように思いました。 最後の腸炎もストレス以外あり得ないだろと思ってしまいます。そりゃあんな事があったからなぁとなってしまい、大事なシーンが全て柚子ちゃんの衝撃を引きずったままになってしまったのがとても残念です。 残念は部分はありましたが、全体的には面白く、ラストのシーンもとてもグッとくるモノがありました。読み手次第で、様々な解釈ができ、とても重く繊細な作品でした。

Posted by ブクログ

2024/02/24

 昔、映画を見た記憶と、心に残った恋愛小説としてコメントされていたのを見て、読んだ。  最後に心打たれ、涙を流しながら読んだ。ただ、最初の頃は葉山先生の踏ん切りのつかない態度や小野くんの突拍子のない行動にいらいらしたり、「やめときなあ、あんた幸せになれんよ」という気持ちになったり...

 昔、映画を見た記憶と、心に残った恋愛小説としてコメントされていたのを見て、読んだ。  最後に心打たれ、涙を流しながら読んだ。ただ、最初の頃は葉山先生の踏ん切りのつかない態度や小野くんの突拍子のない行動にいらいらしたり、「やめときなあ、あんた幸せになれんよ」という気持ちになったりと、途中まであまり共感はできなかった。  きっと、「だめだとわかっていても、愛してしまう」「心が求めてしまう」っていうのは、泉ちゃんの行動そのもので、それだけの大恋愛なのだな、と読んだあとは思った。惹かれてはいけないけど、求められる喜び、受け入れて、自分を理解してくれる安心感、そういったものが2人を繋いでいた。  とても切ない。人の弱さや不安定さが丁寧に描かれて、紡がれている物語だった。

Posted by ブクログ

2024/02/15

恋愛文学。 主人公の泉と、高校時代の教師である葉山先生との関係から、恋の美しさや背徳などが繊細に描写されていた。 複雑な恋愛感情や人間関係の渦中で揺れ動く姿に思いを馳せた。 果たしてどんな結末になるのかドキドキしながらストーリーを追いかけることができた。 日常に潜む愛の形や、人間...

恋愛文学。 主人公の泉と、高校時代の教師である葉山先生との関係から、恋の美しさや背徳などが繊細に描写されていた。 複雑な恋愛感情や人間関係の渦中で揺れ動く姿に思いを馳せた。 果たしてどんな結末になるのかドキドキしながらストーリーを追いかけることができた。 日常に潜む愛の形や、人間関係の複雑さを考えさせられ、読後は切なさや少しのモヤモヤ感が残った。 登場人物の深い思いに心を打たれた作品。

Posted by ブクログ

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