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商品レビュー
4.6
11件のお客様レビュー
「変身」と同じく、何…
「変身」と同じく、何の身の覚えも無い銀行員Kが逮捕されてしまうといった作品です。逮捕されるといっても何も拘束されるわけでもなく、裁判所にもたどり着けず、最後に執行人に殺されてしまうという、いかにもカフカ的な不条理な作品です。
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カフカの代表作にして…
カフカの代表作にして、20世紀文学の出発点。必読でしょう。
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何も悪いことをしたと身に覚えはないのに、ある朝突然逮捕をされる。逮捕と言っても拘束されるわけではなく自由に行動できる。ふつうに会社にも行き、ふつうの生活ができる。しかし、裁判所には呼び出されて話を聞かれる。何が原因で捕まるのかもわからず、何を話すというのか。ところでこの裁判所だが...
何も悪いことをしたと身に覚えはないのに、ある朝突然逮捕をされる。逮捕と言っても拘束されるわけではなく自由に行動できる。ふつうに会社にも行き、ふつうの生活ができる。しかし、裁判所には呼び出されて話を聞かれる。何が原因で捕まるのかもわからず、何を話すというのか。ところでこの裁判所だが、裁判所らしくない。どこかのアパートの最上階を使っているのか。何ともイメージしづらい。そしてそこに女性が現れる。主人公のヨーゼフ・K、一体このKにはどんな魅力がるというのか。自分の中では「城」からつながっている。30歳、未婚、仕事はよくできるというイメージがある。しかし、ここでは女性側にも問題があるのかもしれない。さて、逮捕されたということは次第にうわさになってしまう。心配しておじさんが訪ねてくることにもなる。頼んだわけでもないのに、友人の老弁護士を紹介される。その弁護士の家で、また女性が現れる。そして、すぐにその女性ともこそこそと何らかの関係をもつことになる。ただし、この女性は弁護士に相談に来る男性とは誰とでもすぐに絡んでいる様子が後に分かる。Kは同じ下宿に住む女性にも恋心を寄せているが、そちらはどうやらうまくいかない。アプローチの仕方も良くない。どうも僕は、登場する女性の方にばかり目が行ってしまう。カフカ自身が、何らか女性との間に問題を抱えていたのだろうか。さて、カフカを読み直しているが、どうもリアルな空間を思い描きにくい。それがかえって普遍的な印象を持たせているのかもしれない。時代とか空間とかを飛び越えて何か突き刺さってくるものがある。ストーリーとしては、なんら伏線が回収されるわけでもなく、どう考えても未完成なわけだけれど、それでも場面・場面に重量感がある。不可思議な夢の寄せ集めのようだ。
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