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千年の祈り

イーユンリー【著】, 篠森ゆりこ【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2007/07/30
JAN 9784105900601

千年の祈り

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商品レビュー

4.1

69件のお客様レビュー

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2023/01/28

「さびしさ(lonely/loneliness)と孤独(solitary/solitude)は違う。さびしさはただの感情だけど、孤独は自分で選んだ状況だ。中国では地域の監視の目があってプライバシーがないような時代があったから、私はアメリカに来てから自分の孤独を楽しんだ。でも、さび...

「さびしさ(lonely/loneliness)と孤独(solitary/solitude)は違う。さびしさはただの感情だけど、孤独は自分で選んだ状況だ。中国では地域の監視の目があってプライバシーがないような時代があったから、私はアメリカに来てから自分の孤独を楽しんだ。でも、さびしさは楽しめない。私の小説の登場人物たちは、孤独をプロテストとして使っている(They use solitude as their protest.)」  作者が日本に招かれた際の対談会で語った言葉だそうだ。出席された方のブログから引用させてもらった。 イーユン•リーの描き出す人々の多くは孤独を身に纏って生きている。だがそれは自ら選んだ生き方ではない。叶えられなかった約束に、残酷な時代に、すれ違った愛に孤独を強いられたからだ。哀しいくらいに滑稽で、例え奇異の目で見られても他に生きる術を持たないからだ。 黄昏 after a life 人目を避けてひっそりと暮らす蘇夫婦は誰にも打ち明けられない秘密を抱えている。そして互いへの想いは掛け違い、壊れた愛と分かち合えない苦しみに取り残されている。 朝に始まり夕べに終わるたった一日の物語の中で、夫婦の葛藤や過ぎ去った時への回想が丁寧に描かれる。そしてラストの悲劇に対して夫婦は泣くことも言葉を発することもなく、ただ夫は妻の髪を撫でる。 この後に二人は愛を取り戻せるのか、致命的に失われてしまうのかは、分からない。ただ幸せだったあの日が描写されるだけである。 千年の祈り a Thousand Years of Good Prayers 離婚した娘を心配して、父は中国からアメリカを初めて訪れる。二人の言葉はもちろん中国語である。しかし娘は中国語では思いを吐き出せず、英語という新しく身につけた言語で初めて自分を表現することができる。 父は言葉が伝わらない国で、英語も中国語も解さないイラン人のマダムと心を通わせ、母国では家族にも話せなかった秘密を打ち明ける。 父娘は和解できた訳ではなく、父は古い国へ帰って行く。しかし中国の抑圧的な政治や哀しい時代背景が家族に沈黙を強いてきた過去を超えて、父娘はきっと新しい関係を築けると信じたい。 冒頭の対談(「孤独でしか描けないこと」 イーユン・リー×川上未映子」『文藝』第55巻秋季号)を読みたいが、その前に彼女の本を全て読まなければ。 素晴らしい宿題だ。

Posted by ブクログ

2022/06/23

“中国”という地域の素材には、どこかに悠久たる「河」「江」の香りがする。 短編集『千年の祈り』は2005年刊行、2007年には新潮クレストブックスより日本語訳で発刊。 作者は中国北京生まれ、現在はアメリカ国籍でオークランド在住、これまでいくつもの短編や長編が刊行されているが、す...

“中国”という地域の素材には、どこかに悠久たる「河」「江」の香りがする。 短編集『千年の祈り』は2005年刊行、2007年には新潮クレストブックスより日本語訳で発刊。 作者は中国北京生まれ、現在はアメリカ国籍でオークランド在住、これまでいくつもの短編や長編が刊行されているが、すべて英語で創作されている。 親と子、男と女、自分と周りの人など、狭い範囲での人間関係に基づく感情の揺れ動きを、突き放しているようでいて、淡々と見守るような文章で描いている。 ジェンダーやマイノリティなどはどこにでもありそうかもしれないが、底辺にあるものは「文化大革命」「天安門事件」など現代中国の社会的矛盾、それを覆い被さるようにしてしたたかに生きる人たちであり、そのため随分と「匂い」が違う。 お気に入りは「死を正しく語るには」。 “胡同”という狭い世界の中、登場人物ひとりひとりに物語があり、短編でありながらスケールの大きさを感じる。 また、「市場の約束」は、ほとんど「母」と「娘」の二人劇で、お互い譲らない頑固さが市場の情景と合わせて映像化される。 良い意味で、期待通りの短篇集。

Posted by ブクログ

2022/06/09

共産党を皮肉った小説を中国の女性小説家が書いているというのがとても面白かった。 縛られた自由や風習の中で生きる人々の暮らしには、希望と脅迫と寂しさと哀しさが漂っていた。

Posted by ブクログ

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