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ヘンリ・ライクロフトの私記
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ヘンリ・ライクロフトの私記
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商品レビュー
3.8
13件のお客様レビュー
ギッシングの主作です…
ギッシングの主作です。繊美この上ない自然描写は英国人ならざる我々をも魅してやみませんが、何よりも我々の心をうつのはこの作のすみずみにまで行きわたる、自分というものに対する強靭な誠実さであると思います。
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これはギッシング作の架空である人物、ヘンリ・ライクロフト私記である。ライクロフトの私記では、春、夏、秋、冬、と季節毎の情景やライクロフトの郷愁の念が文章の中で躍動している。花のひとつひとつの名前を書き、自然や景色、そうしてイギリスの文化について叙情的に四季とともに語られている。ギ...
これはギッシング作の架空である人物、ヘンリ・ライクロフト私記である。ライクロフトの私記では、春、夏、秋、冬、と季節毎の情景やライクロフトの郷愁の念が文章の中で躍動している。花のひとつひとつの名前を書き、自然や景色、そうしてイギリスの文化について叙情的に四季とともに語られている。ギッシングはきっと架空のライクロフトという人物を投影することによって自身の葛藤や、貧乏であったこと、それらに付属する感傷を昇華する事が出来たのだと思う。 ライクロフトはこのような事を語っている。老年になり歴史について史書を読む必要はない。私は「ドンキホーテ」を読みたい、と。楽しむ為に、と。ギッシングに於けるライクロフトという架空の人物が作り出され、それが本になり彼は成功を遂げた。イギリス中で愛読された。しかしその数ヶ月後にギッシングは死んだのだ。友は悲惨な死であったと言った。ライクロフトの言う望んだ死は遂げられなかったのだ。 私はこれを読み、自然というものを、四季というものを大事にしたいと思った。ひとつひとつの変化を毎日捉えられるように、ライクロフトのようにはいかなくとも、微量の僅かばかりの活力を生を、大地の匂いを楽しみたい。そう思った。
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ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』岩波文庫 読了。移りゆく四季の中で、読書を愛する主人公が人生を回顧し思索にふけりながら、片田舎で穏やかな余生を送る。読書人の境地ともいえる。読中たまに飽るが、散見する彼の思想には共感する部分が多い。再読を重ねるほどに妙味を堪能できるだろう。...
ギッシング『ヘンリ・ライクロフトの私記』岩波文庫 読了。移りゆく四季の中で、読書を愛する主人公が人生を回顧し思索にふけりながら、片田舎で穏やかな余生を送る。読書人の境地ともいえる。読中たまに飽るが、散見する彼の思想には共感する部分が多い。再読を重ねるほどに妙味を堪能できるだろう。 2010/04/14
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