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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2007/05/24 |
JAN | 9784043853014 |
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村田エフェンディ滞土録
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村田エフェンディ滞土録
¥330
在庫あり
商品レビュー
4.3
261件のお客様レビュー
梨木香歩さんは、「西の魔女が死んだ」を初めて読み、本作が二作目。 冒頭の「ムハンマドが通りで鸚鵡を拾った。」との一文から、一気に独特な世界に誘われた。明治初期、トルコ、遺跡、そして様々な国からやってきた人々。その混沌はまさに、「独特な世界」だったのかもしれない。
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明治時代にトルコへ留学に行った村田青年。人々との交流、現地での生活の様子、不思議な体験。梨木さんの他の作品に出てきた馴染みの人物や生き物も出てきて胸がいっぱいに。
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本書の不思議な表題は、くだけた表現だと『村田君のトルコ滞在記』となるでしょうか。エフェンディは現地語で学者等の尊称とか。滞土録の「土」は土耳古(トルコ)の「土」です。 時は1899年、洋の東西を結び異文化が融合するイスタンブールに留学した村田君の見聞録です。 下宿先の女主...
本書の不思議な表題は、くだけた表現だと『村田君のトルコ滞在記』となるでしょうか。エフェンディは現地語で学者等の尊称とか。滞土録の「土」は土耳古(トルコ)の「土」です。 時は1899年、洋の東西を結び異文化が融合するイスタンブールに留学した村田君の見聞録です。 下宿先の女主人、使用人、同居する友人たちとの交流が、生き生きと描かれています。異文化、多宗教が混在する複雑さや歴史も感じますが、不思議と懐かしさが漂う独特な印象をもちました。第一次世界大戦前の青春小説もなかなかないですね。 大学の要請を受け、村田君は帰国しますが、懐かしくも哀しい知らせが届きます。時代・歴史は、育んだ友情や輝かしい日々を引き裂いてしまうのでした。言いようのない気持ちにさせられます。 村田君や友人たちは「風の人」で、外目線で「土の人」が気付かない良さを見出しながら、互いに認め尊重し合っていたはずなのに、それを簡単に切り裂いていく「国」とは何なのでしょうか? 著者の問いが、未だに戦争・紛争が絶えない世の中、読み手に突き刺さります。 鸚鵡(おうむ)の悟ったような言動が、時代と歴史の証言者でもあり、癒しの存在でもある気がしました。
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