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同窓会の社会学
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同窓会の社会学
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
福岡の修ゆう館高校の同窓会を分析したものである。分析だけでなく理論的背景がわかりやすく書いているのでそれだけでも価値がある。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「特にその地域で名門とされている学校ほど自分の学校を誇りに思い、よく群れる。これはなぜか?」 その理由を福岡の名門高校へのフィールドワークと社会学的観点から分析する。 同窓会の特徴としては「社会資本の蓄積に容易にアクセスできる点」が一番大きい。 同窓生はそのネットワークを通して、例えば医師の同窓生であれば病気や介護の時に助けられたり、事業の失敗や相続であれば弁護士に助けられたり、日常生活のさまざまな問題に対処する。そして、そういったネットワークを利用することで個人は上質で贅沢な生活世界を実現できる。 さらにはハビトゥス(もろもろの性向の体系として、ある階級・集団に特有の行動・知覚様式を生産する規範システム)の機能により学年、世代の境界を超えて、同窓生連帯意識を生成する。同じ学校の卒業生であってもさまざまな人がいる。学校生活でも適応の仕方は異なる。しかし、同窓会の活動を通し、自らの学校的過去の集合的・個人的記憶を喚起し、また、自らの身体に刻み込まれ共有している学校文化を省察する。結果、同窓生なら誰もが共有するであろうとみなすハビトゥスのあり方を想像するのである。故に、「親しくない人でもその学校で育った人間だったら安心感がある。」というような一見、理不尽かつ非論理的な行動が成り立つ。 そういった現象を通し、その社会資本はますます蓄積される形となり、同窓会の存在をより大きなものとする。 実際に、同窓会の存在は、特に就職活動において効果を発揮している点もあり、この不況下のご時世においては非常にありがたい存在である。さらに他の学校ではそういった就職ルート(ex.工業or商業高校→地元企業への就職)が崩壊している点をふまえると相対的にその価値は上昇している。 今後同窓会はどのような形になっていくのか?
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