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「待つ」ということ
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「待つ」ということ
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商品レビュー
3.9
58件のお客様レビュー
待つということに関して様々な視点から鷲田清一の考えがまとめられている。 最初の導入から社会的な待つということに関することかと思ったが日常や私たちの生活、ケアに関する所まで述べられている。 私も仕事柄待つということが多くある。人が急に変わることはないし、変えることはできない。た...
待つということに関して様々な視点から鷲田清一の考えがまとめられている。 最初の導入から社会的な待つということに関することかと思ったが日常や私たちの生活、ケアに関する所まで述べられている。 私も仕事柄待つということが多くある。人が急に変わることはないし、変えることはできない。ただひたすらに自分ができることをして相手が変わるのを待つしかないのである。 これに対する自分の気持ちのあり方について考えることができた。
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「待つ」ことの失敗は、本当にたくさんある気がする。その人の中の何かを結局信頼できないし、待っているその時間が煩わしいと感じるからだろう。 閉じ続けないと不安だ。その場にも空間にも溶け込み、相互に流れるものを自由に享受できるようになるためには何が必要なのだろうか。 何かを「待つ」こ...
「待つ」ことの失敗は、本当にたくさんある気がする。その人の中の何かを結局信頼できないし、待っているその時間が煩わしいと感じるからだろう。 閉じ続けないと不安だ。その場にも空間にも溶け込み、相互に流れるものを自由に享受できるようになるためには何が必要なのだろうか。 何かを「待つ」ことの放棄が、真の「待つ」に繋がるとのことだった。期待と絶望の狭間で社交ダンスを躍り続けらるために必要なものとは何であろうか。 1つ大切なのは、「論じる」のではなく、「吟じる」ことだと思う。そのマインドセットが、ここへ繋がる道となるように思う。 「聴く」こと…の続編とのこと。読む順番逆だったな。まあいいや。
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自分はまさに「待つ」をしているな、という自覚をしているところだった。そんなとき、この本を読んだ。 この本は決して、"つまり「待つ」とはこれこれこういうことである"のような解説でも、"「待つ」ことがつらかったらこういうふうに考えよう"のような...
自分はまさに「待つ」をしているな、という自覚をしているところだった。そんなとき、この本を読んだ。 この本は決して、"つまり「待つ」とはこれこれこういうことである"のような解説でも、"「待つ」ことがつらかったらこういうふうに考えよう"のようなハウツーでもない。「待つ」という行為をしているときの心情、ジリジリした焦がれややるせなさのような、ひとつのことばではどうも表せない、得体の知れない気持ち。いま私が抱えてるこれって、つまりどういう状態なの?という分からなさ。「待つ」に関するエピソードや引用を各方面から連想のように書き連ねられている。同じようなことを繰り返している部分、難解すぎる部分(噛み砕けず吐き出してしまった)部分も多々ある。が、この気持ちはなんなのか、なぜこういう行動をとらざるを得ないのか、を、必ずしも理路整然としていない言葉で意味づけしようとする姿勢、ことばを尽くそうとする姿勢に触れたことで、私が「待っていた」ものは、ことは、ひとは、ずっとここにいたな、と気づくことができた。決定的な救いや解決策を求めて読むものではない。読み進め、自分と照らし合わせ、回り道をして、ああこういうことかもしれない、と巡り、泳ぐ過程を通して、頑なで敏感なそれは少しずつ融解していった。自分ではない誰かが定義した答えを無理くり当てはめるのではなく、あくまで頼りにしながら自力でたどり着いた景色は、ずっと見てみたかったものだった。少しだけ成長した私がいた。 読むという行為がこんなにも「癒し」だと思ったことはなかった。出会えてよかった本。
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