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ローマ人の物語(28) すべての道はローマに通ず 下 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2006/09/28 |
JAN | 9784101181783 |
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ローマ人の物語(28)
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商品レビュー
3.8
38件のお客様レビュー
「インフラとは、需要があるからやることではなく、需要を喚起するためにやることである」 前章までのアッピア街道などローマ街道建設に続いてこの章ではアッピア水道をはじめとする11本に及ぶローマ水道や下水などインフラ構築について展開。 清潔な水の安定供給を人間らしく生きるための必須の大...
「インフラとは、需要があるからやることではなく、需要を喚起するためにやることである」 前章までのアッピア街道などローマ街道建設に続いてこの章ではアッピア水道をはじめとする11本に及ぶローマ水道や下水などインフラ構築について展開。 清潔な水の安定供給を人間らしく生きるための必須の大事業として、6割を公共と皇帝用に供し4割を私用、私用を4割に抑えるために許認可手続きの煩雑化、世襲も相続・贈与も認めないという工夫。円周の異なる10種の3メートル導管による料金計算、流しっ放し方式で健康や清潔を保つシステム。これを属州を含め全ローマで展開。 このような道路・上下水道のハードインフラについで教育や医療のソフトインフラ整備についても最後に描写。2000年前の話とは思えない、今の日本のほうがこれより遅れている気がする。ローマ帝国の肝がここにある。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ローマのインフラについて書かれたこの『全ての道はローマに通ず』。 上巻では道と橋を、そしてこの巻では水道と、ソフトなインフラとして医療と教育についてが書かれている。 現実主義者であるローマ人は、とにかくインフラ整備には力を入れていたことがわかる。 ハードなインフラ→街道。橋。港湾。神殿。広場。公会堂。楕円形競技場。半円形劇場。円形闘技場。上水道と下水道。公衆浴場。 ソフトなインフラ→安全保障。治安。税制。通貨制度。郵便制度。貧者救済のシステム。育英資金制度。医療。教育。 医療と教育は、ローマではついに公のものにはならなかった。 例えば整備された道路は無料でどこまでも利用できたし、水道も個人用に引くのではない限り無料だった。 けれど、公的な病院と効率の学校は出来なかった。 何故かというと、医者と教師は税金などを優遇されることによって良い人材がローマに集まり、その結果、それほど高い料金を払わなくても一般庶民でも医者や私塾に通うことは可能だったのだ。 逆に言うと、公的資金を投入することなく、医療と教育がある程度一般化していたということ。 先進国に住んでいれば、インフラの重要さに気づかないまま暮らしていける。 けれど、世界を見渡せば、水すら充分ではないところはたくさんある。 ”経済的に余裕がないからか。 インフラ整備を不可欠と思う、考え方が欠けているからだろうか。 それとも、それを実行するための、強い政治意思が欠けているからか。 それともそれとも、「平和」の存続が保証されないからであろうか。” 今の日本は、徐々にこのインフラ整備がおざなり…から、なおざりになりつつあるような気がする。 医療費の負担が重くて通院を我慢する老人世帯。 高騰する教育費。 作りっぱなしでメンテナンスをしない箱もの行政のつけ。 ローマのインフラ整備が滞ったのと、医療と教育が国家の事業になったのは同じ頃。 キリスト教以外を邪教とされてからのことである。 現世を重視するローマ人と違って、キリスト教徒は死後に天国に行くことが大事なので、道やら橋やらの整備には興味がなかったのだろう。 そして、実際の能力ではなく、信仰の篤さ重視で免許を与えられた医師と教師の下で、医療と教育も骨抜きになった。 公衆浴場で汗を流して清潔を保つローマ人たちは、裸を悪とするキリスト教の下で、入浴の習慣すら手放した。 暗黒の中世というのは、そういう時代だったのだ。
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あえて★一つといたしたく。 折角、時系列のある意味紋切り話から逸脱し、かつ、面白い内容かと思ったのに、結局カエサル礼賛の前振りかい、というお話でちょっとどうなのよ?という感じ。 当方、この作家のファンでも無いし、ローマ史に詳しくも無いので何ですか、結局カエサル至上主義とキリスト教...
あえて★一つといたしたく。 折角、時系列のある意味紋切り話から逸脱し、かつ、面白い内容かと思ったのに、結局カエサル礼賛の前振りかい、というお話でちょっとどうなのよ?という感じ。 当方、この作家のファンでも無いし、ローマ史に詳しくも無いので何ですか、結局カエサル至上主義とキリスト教への批判という観点の押しだけでは辛い、読み手としては。
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