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こどもはおもしろい
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こどもはおもしろい
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商品レビュー
3.4
7件のお客様レビュー
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児童文学の総合季刊誌「飛ぶ教室」の1991秋40号から1994冬49号まのでの「わたしの子どもたち」という題名の対談集。現役の学校の先生と河合さんとの対談10話と、画家の安野光雅さんとの対談を加えた本。 河合さんが各先生のスーパーバイザーとしてアドバイスする感じの対談、なので日本の教育論が頻発する。なので、サラリーマンが読んでもあまり参考にならないと思う。 内容は以下の通り 1 ゆれる「思春期」:谷口研二さんとの対談 (当時:北九州市立中央中学校教諭) ★「無駄」はけっして無駄ではない 谷口先生は「漂白」という言葉を使って、うまく表現しているが、学校がどの子もこの子も「漂白」してしまうのなら、それは個性の芽をつむことになっていないだろうか。 2 先生の通信簿:岸本晃さんとの対談(当時:京都市立吉祥院小学校教諭) ★楽しくなる教育がある 「先生の通信簿」として、形式を生徒の場合とまったく同形式にしたところに、ユーモアが感じられていい。 3 たんけん、はっけん、ほっとけん:井阪尚司さんとの対談(当時:滋賀県蒲生町立蒲生東小学校教諭) ★驚きの中に人は楽しさを見出す 教育というときに、「教える」ことに強調点が置かれ、できるだけ早く、できるだけ多く「正しい」知識を供給するということに、教師が熱心になりすぎるので、どうしても、子どもを受け身の立場に追いこんでしまう。これを何とかするためには、子どもたちが「体験」を通じて自ら学ぶことが大切となってくる。 4 子どものアイデアを生かす:池田光子さんとの対談 (当時:東京都板橋区立北前野小学校教諭) ★「教えたがる」のをやめると・・・ 退行というのは、人間が幼児的な考えや行動に身をまかせたり、非現実的な空想に入りこんでみたり、現実の型を少しはずすことで、病的な方向に行く可能性もあるが、実は創造的なものが生まれるにはこのような退行の状態が必要であることがわかってきたのである。 5 どうすれば「個性」が育つか:吉泉和憲さんとの対談(当時:神戸市立明親小学校教諭) ★個性ある先生が子どもの個性を育てる 学校というものが設立されたのは、そもそも成長の途上にある子どもたちを、社会から守り、その中でできる限り自由に活動させてゆくというアイデアがあったのだが、最近では、変な逆転現象がおこって、学校のほうがガンジガラメの規則で縛られるような状態になってきている。 6 生の声が聞こえる授業:片桐啓恵さんとの対談(当時:長崎市立長崎高校教諭) ★教師のマンネリズムが恐ろしい 厳しい対決の姿勢とそれを行うエネルギーを持たず、生徒の「自由」や「自主性」を尊重しようとするのはナンセンスである。 7 マン・ツー・マンで向き合う:壬生博幸さんとの対談(当時:私立平安女学院中学高等学校教諭) ★教師と生徒の人間関係を強める工夫 「あのころはフリードリヒがいた』は大変な名作だが、中学生としては読みづらいだろうと思っていたのに、アンケートに一番としてあげられているのには、本当に感心させられた。 8 保健室からのメッセージ:岡野恵実子・川上照代・中川八重・さんとの対談(当時:大阪市立>天満中学校教諭・北粉浜小学校教諭・阿倍野中学校教) ★子どもの心を癒すもの 最近では感情体験を家庭内でできない子どもが増えていると思われる。そんなときに、養護の先生の何気ない身体接触がどれほど子どもたちの心を癒しているか測り知れないものがある、と言っていいだろう。 9 子どもは魂で応える:高梨珪子さんとの対談(当時:群馬大学教育学部附属幼稚園教諭) ★人間を「全体として」見るということ 一人の生きた子どもを全体としてとらえる。それを自分の心に響いたものとしていきいきと表現してこそ、本当の意味の「研究」になるのではなかろうか。高梨先生も言われるように「何か科学的なデータだけで子どもが処理されるようになってしまうのは怖い」ことではなかろうか。 10 「自由」が生きている:村山実さんとの対談(当時:生野学園高等学校校長) ★「手づくり」の大切さ 卒業のときに、普通の卒業証書だけではなく、学園長の証書が渡される。 11 教師からはじまった人生:安野光雅さんとの対談 (画家 東京近郊の小学校で十年ほど美術教諭を勤めた経験あり) ★教科書的なものを排すことから 安野さんの教育に対する姿勢の中で大切なことの一つは、「教科書的なものを排す」ということだろう。何でも「的」とっくものは怪しいのが多い。
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二人の子供の親ですが、子供の成長をどのように見てきたのだろうか。親の思う通りにならず声を荒げたこともありました。訳も分からず泣き続けるのにオロオロしたこともありました。それでもそれぞれの個性を出しながら育っています。河合隼雄と教育現場の先生方との対談を読むと、子供自身の力で、自由...
二人の子供の親ですが、子供の成長をどのように見てきたのだろうか。親の思う通りにならず声を荒げたこともありました。訳も分からず泣き続けるのにオロオロしたこともありました。それでもそれぞれの個性を出しながら育っています。河合隼雄と教育現場の先生方との対談を読むと、子供自身の力で、自由に生きていく逞しさを改めて感じます。大人の理由で教える、かたをつけてしまうことの問題を改めて実感。
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結構昔の対談だと思われるが、古さを全く感じさせない。それはいつの時代も子どもも学校も教員も本質的にはかわってない変わらないからか。色んな校種教員の努力や魂の塊が詰まった本。購入する価値あり。
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