アメリカの現在、という副題が付いていたと思う。毎週視聴者からの投稿短編を朗読するラジオ番組の１コーナーが元。ラジオのパーソナリティーを勤めた小説家Paul Austerの朗読したCD付きなので、私はiPODに入れてよく聞いていました。たった数行しかない"CHICKEN"という短編などはとても印象的です。

アメリカの人気作家ポール・オースターがホストを務めたラジオ番組、「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」に投稿された物語をまとめた原書から、柴田元幸氏が１８篇をセレクト、英文と英語の朗読を収録する。◎事実は小説よりも奇なり　を証明する投稿の数々。 無味乾燥なリスニング教材に飽き飽きしている向きには格好の教材。訳者による単語註もついていて英語学習者にはうれしい。

Austerの小説には思わせぶりな偶然(coinsidence)が随所に出てきます． 「この偶然の裏には何かあるのかも知れない」と勘ぐってみたりしてみても 結局はそれはただの「万が一」の偶然にしか過ぎなかったり． でも，そういう偶然が現実に少なからずあるわけで・・． NPR(アメリカ国営ラジオ放送）で始まった番組で，Austerはリスナーから 本当にあった偶然の話を集めます．そして，それを番組内で朗読しました． リスナーから集まった「本当の偶然の話」はAusterの小説のように いずれも不思議な感覚を与えてくれます． この本は，番組の中からAusterの朗読によるいくつかのお話をピックアップ し，日英対訳をつけたものです．CDから聞こえてくるAusterの朗読は，それ ほど上手な感じはしないのだけれど，妙にリアリティがあります！