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甦れ、ブッポウソウ ネイチャー・ストーリーズ

中村浩志(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 山と溪谷社/
発売年月日 2004/06/01
JAN 9784635230001

甦れ、ブッポウソウ

¥220

商品レビュー

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2023/06/04

もうこの本は、野鳥をテーマにした本のなかでも古典中の古典と呼んでもいいだろう。 それくらい、野鳥を観察することの楽しさと難しさ、新たな発見への新鮮な驚き、そして野鳥の秘めた生態を一つ一つ解き明かしていく謎解きの要素などがたくさん盛り込まれている。そして研究論文ではなくて柔らかい文...

もうこの本は、野鳥をテーマにした本のなかでも古典中の古典と呼んでもいいだろう。 それくらい、野鳥を観察することの楽しさと難しさ、新たな発見への新鮮な驚き、そして野鳥の秘めた生態を一つ一つ解き明かしていく謎解きの要素などがたくさん盛り込まれている。そして研究論文ではなくて柔らかい文章なので、まるで小説や随筆を読むようにワクワクして読み進められる。 それにしても、野鳥を観察するということが、かくも大変なものとは… 私が印象に残った箇所をいくつかあげたい。 1 ブッポウソウはブナの木の地上から4メートル以上の高所の巣穴を使う。当然、人間が手を伸ばしたくらいでは届かないし、梯子を持って林の奥深くに入るのも実際には難しい。さらにブナの木肌は平滑で指を引っ掛けるところがなく道具無しでは登れない。そこで著者がブナの巣穴の高さまで幹を登っていく方法として身に付けたのが「ブイ縄」という。 ブイ縄とは、ロープと太さ4センチ程度の木の棒2本とを組み合わせ、ロープを幹に巻き付けて木の棒を足場のようにして幹を登る方法。関西で北山スギの枝打ちの際に使われてきたが、今では廃れているという。ブナを傷つけずにブッポウソウの巣穴の高さまで何とか登りたいという著者の執念(?)がこの技法の習得に至ったのだが、いやはや、本格的な自然観察には、知識や経験もさることながら、根気と忍耐と、そして体力が重要だと気付かせるエピソードだ。 2 あるブッポウソウの巣の下で「奇妙な物」が見つかった。それは偶然ではなく、他の巣でも見つかったので、著者は3年かけて、奇妙な物が何かと、営巣のどの時期に多く見られるのかを調査した。 すると最も多かったのは貝殻。次に多い順で書くと、アルミの金属片、瀬戸物のかけら、プラスチック片と続く。ちなみにアルミ片の多くは、当時ジュースなどの飲料缶を開けるときに缶から分離したプルリングと言われるもの。 著者たちが次に考えたのは、なぜブッポウソウが奇妙な物を運んでくるのかということ。そこでいつの時期に多く運ばれてくるのかを細かく見ると、産卵前の時期と、一番多かったのが育雛期の後半だった。だがあまりにも謎が深く、はじめは「ブッポウソウが餌とまちがえて巣へ運んできた」という仮説が立てられた。だが著者は疑問をもった。野鳥は何回も餌と奇妙な物とを間違えるほど本能が未発達とは言えないのでは、と。 思い直した著者はまったく一から検証し直すのだが、ここからの一連の記述は読みごたえがある。つまり自然観察(や研究全般にまで広げてもいい)において、いかに思い切って先入観を捨てるか、そして断片的な物証を辛抱強く寄せ集めているうちに新たな仮説を見い出して「これだ」という確信に至るという過程が詳細に示されているからだ。 著者がこの行動特性をどう結論づけたのかは本書を読んでもらうとして、この章は特に自然科学分野の研究者にとって必読とも言えるだろう。 3 著者はこの本の締めとして、なぜブッポウソウを保護すべきなのかを、数章にわたり書く。やはりと言うか、普段から私が思っていることと一致するのだが、ブッポウソウを保護するということは、野鳥の一種のみを保護するのみならず、環境全体を保護することである。そしてそれを怠って人間の便利さだけで環境を激変させていくと、複雑な自然環境の構成がしまいに音を上げ、ブッポウソウがもし日本から消えるとすれば、将来は日本に住む私たち人間にも同様な壊滅的な何かがもたらされるという警告になりうるのだ。 以上のように、この本を古典と呼ぶにふさわしいのは、現代のことだけでなく未来のことにも十分に目配りされていて、発刊から何年たっても、いつの時代に読んでも、読者に多くのことを伝えてくれるからだ。

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2021/06/19

15年ぶりに読みました。 ブッポウソウ、たばたくん、栄村の自然、、、懐かしかったです。 興味は持ちながらも、忙しかった15年前の生活を思い起こしながら、これからのブッポウソウとの付き合いを思い描いていました。 中村先生から、研究というものの、地道さを教えていただきました。ありがと...

15年ぶりに読みました。 ブッポウソウ、たばたくん、栄村の自然、、、懐かしかったです。 興味は持ちながらも、忙しかった15年前の生活を思い起こしながら、これからのブッポウソウとの付き合いを思い描いていました。 中村先生から、研究というものの、地道さを教えていただきました。ありがとうございました!

Posted by ブクログ

2019/01/12

2019/1/6 詳細は、こちらをご覧ください。 『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1260.html   ブッポウソウの名前は、皆さんご存じでしょう! でも、どんな鳥なのかはあまり知...

2019/1/6 詳細は、こちらをご覧ください。 『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1260.html   ブッポウソウの名前は、皆さんご存じでしょう! でも、どんな鳥なのかはあまり知られていないし、その姿を見ることは・・・。 また、ブッポウソウ(仏法僧)と鳴く声の持ち主はコノハズクで、 ほんもののブッポウソウは「ゲッゲッゲッ」と濁った声で鳴きます。 ブッポウソウは、夏に日本に渡ってきて繁殖し、秋に南方に帰っていく渡り鳥です。 カワセミと同じ仲間の美しい野鳥! 「森の宝石」 一度は、見てみたいものです! ところが、はるばる日本に渡ってきても、巣作りをする場所が ない! のが、現状のようで、 絶滅のおそれのある野生動植物のひとつとして、 環境省の指定するレッドリストで、絶滅危惧?B類(EN)に指定されている貴重な鳥です。 ここで紹介した本のように、保護活動も行われています。 成果の出ているところもあるようですが、全国的にみればまだまだ・・・絶滅の恐れがあります。

Posted by ブクログ

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