［　内容　］ 太陽も地球も、生命も、その起源をたどれば塵に行き着く。 いまも地球には宇宙からたえず塵が降り注ぎ、地表からは多種多様な塵が大量に立ちのぼっている。 目に見えない塵が飛びかい、息をするたびに口に入ってくる。 じつはこの塵が、私たちに、そして地球に、はかり知れないほど大きな影響を与えていた。 地球温暖化や人の健康とのかかわりは？ 善玉の塵はどれ？ 悪玉の塵は？ 驚きと不思議に満ちた塵の世界への道案内。 ［　目次　］ 第１章　一粒の塵に世界を観る 第２章　星々の生と死 第３章　静かに舞いおりる不思議な宇宙の塵 第４章　砂漠の大虐殺 第５章　空を目指す塵たち 第６章　塵は風に乗り国境を越えて 第７章　塵は氷河期に何をしていたのか 第８章　ひたひたと降る塵の雨 第９章　ご近所の厄介者 第１０章　家のなかにひそむミクロの悪魔たち 第１１章　塵は塵に ［　問題提起　］ ［　結論　］ ［　コメント　］ ［　読了した日　］

塵がなければ今の地球環境はないし、同時に塵がなければ現代の環境破壊もないし、アレルギーもない、という、様々な塵の行動とその結果について書かれた本である。 学者であればひとまとめには出来ない要素を著者は自分の見方でまとめていく。学者であると自認していたらとうてい出来ないまとめ方だ。 全体を通して何かを言いたい、というのではなく、トリビアの泉のような作り。そうなんだ、と思いながら読むしかない。読んでいる内に自分の普通に暮らしている風景が塵で覆われている実感に捕われて行く。私たちはとんでもない環境の中で生きているんだ、と納得する。何を得たか、と言われると困るのだが、けっこう面白く読んでしまう本だった。