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愛しあう
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/ |
発売年月日 | 2003/11/10 |
JAN | 9784087733907 |
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愛しあう
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商品レビュー
3.7
10件のお客様レビュー
外国語が原典の小説、翻訳小説は読みにくいのが常だけど、この小説は特に。ジメジメ、ウジウジした私小説は日本ならではのものという認識でいたけれど、この小説もそんな感じ。読み手にとっては過剰ないちいちの描写もまたストーリーのなかに入っていくのを妨げる。 訳者あとがきによると、この著者は...
外国語が原典の小説、翻訳小説は読みにくいのが常だけど、この小説は特に。ジメジメ、ウジウジした私小説は日本ならではのものという認識でいたけれど、この小説もそんな感じ。読み手にとっては過剰ないちいちの描写もまたストーリーのなかに入っていくのを妨げる。 訳者あとがきによると、この著者はこういう風変わりなのがもちあじでもあるらしい。「世の中にはこんな小説もあるんだと驚き呆れていただきたい。」(p.177)なんて書いてあるし。 訳もちょっと面白く「靴下はだし」なんてことばがあったよ。靴を脱いで靴下でいることらしい。確かにずっと靴を履いて過ごすのが常の西洋の人からすればあり得る表現かも。
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東京で,別れゆくフランス人カップル。外国人だから感じられる東京はなんだか膜一枚向こう側にあるようでなんだか新鮮。彼女側の感性はやはりフランス的で,実際にはいろいろとめんどうなものだが,小説としては納得できることが多かった。
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ジャン・フィリップ・トゥーサン『愛しあう』。翻訳は、月曜会で素晴らしい講演を聞かせてくださり、訳文から受ける印象を裏切らない、穏やかで優しいお人柄で参加者の心をわしづかみしてしまわれた、あの野崎歓氏です。 私がこの本に興味を持ったのは、野崎氏の著書『翻訳教室』(こちらも名著な...
ジャン・フィリップ・トゥーサン『愛しあう』。翻訳は、月曜会で素晴らしい講演を聞かせてくださり、訳文から受ける印象を裏切らない、穏やかで優しいお人柄で参加者の心をわしづかみしてしまわれた、あの野崎歓氏です。 私がこの本に興味を持ったのは、野崎氏の著書『翻訳教室』(こちらも名著なので、ご興味のある方はぜひ手に取ってみてください)にて、氏の翻訳家デビューがトゥーサンのデビュー作『浴室』であり、以後、ずっとトゥーサンの小説も翻訳していると知ったからでした。せっかく野崎氏の講演を聞けるのに、ご本人やその作品について何も知らないのが申し訳ないような気がして、出版当初に読んだきりの『浴室』を再読し、その勢いでトゥーサン最新4部作(日本での既刊は3作品ですが、そろそろ4冊目が出版されるようです)の1冊目、この本を手に取りました。そして冒頭の1行から引きこまれ、のめりこみ、続けざまに既刊3冊を読むことになるわけです。 塩酸を詰めた小瓶を肌身離さず持ち運ぶ「ぼく」の口から語られる、「ぼく」とその恋人マリーの物語。付き合いはじめてから七年が経とうとしている二人には、この関係が終わる日がそう遠くないことがわかっていて、それでも離れられずにいます。ファッションデザイナーのマリーが東京で展示会を行うことになり、「ぼく」も同行して、二人は一緒に日本へやってくるのですが、ストーリーらしきストーリーはなく、「ぼく」の心象風景と、「ぼく」の目に映るマリーの描写がひたすら淡々と描かれている小説です。社会的地位のある女性でありながら、「ぼく」の前ではただの泣き虫な女になってしまうマリーの言動と、「ぼく」が語る地の文章から、一度は手にしていた恋が終わってしまったことのある者なら誰にでも覚えのある「終わりの予感」がひたひたと押し寄せてきて、胸がどうにも締めつけられます。 野崎氏の解説にもありますが、登場人物の感情がいっさいといっていいほど描かれていない初期のトゥーサン作品とは、まったく趣の違う作品です。感情表現と文体が本国フランスで絶賛されたようですが、野崎氏の素晴らしい訳文からもそれはうかがえます。あまりにも心に響いてしまい、読んだそばからつい2回、3回と読み返してしまったお気に入りの箇所があるので、ここに引用して、この本の紹介を終わりたいと思います。 「だが、最初のキスに先立つ甘美なひとときを引き延ばしたいと思わない人間がいったいいるだろうか――お互いに好意を感じている二人は、心の中ではキスをしようともう決めていて、意味深長なまなざしを交わし、微笑みを浮かべ、唇と手は予感に満ちているのだけれども、しかしお互いの口が初めて優しく触れあうその瞬間を、なおも先延ばしにしようとするのだ。」
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