【みきまるさん株式投資本オールタイムベスト2017年版第55位】 天才、ジョエル・グリーンブラットの薄い本。 なかなか定価の2,800円以下では市場に出回っていないから困ったものだ。 しかし今気づいたが、本が緑色なのは「グリーン」ブラットだからなのか…！ そういえば「株デビューする前に〜」も緑ベースだし。 これだからパンローリング本は…。 とにかく、第1章のタイトルからして何かやってやろう感があるんだよなぁ。 第1章　成功への道をまっすぐ進め一運転手さん、それからちょっと右へ入ってくれ ・蓄財の秘訣 「ほかの情報通の投資家が一心に追いかけているものとは違う状況の探求と分析にエネルギーを使えば、割安な投資対象を見つけ出すチャンスはきわめて大きくなる。問題はその状況が何かということだ」 それはある配管工の昔話のようである。配管工が家にやってきてパイプを一回だけガツンと叩いてから言った。 「100ドル頂きます」 「100ドルだと！あんたはパイプを一回ガツンとやっただけじゃないか！」 と主人は言った。 「とんでもない、パイプのガツンはたった5ドルだよ。 どこをガツンとやればいいかを知っていること、これが95ドルになるんだ」 と配管工は言った。 株式市場では、どこをガツンとやればいいかを知ってることが蓄財の秘訣だ。 →実にうまい例え話だなぁ。これは本当にある昔話なのか、 いや、おそらくグリーンブラットの創作だろう。 第3章　この親にしてこの子あり 企業分割（要約） 1.一般に分割企業の株式は市場平均より好成績だ。 2.分割企業に投資するにしても、自分の得意分野を選べば、普通の分割企業への 投資よりも結果は良い。 3.ある分割企業が良い投資チャンスであることを示す幾つかの特徴。 a.機関投資家が買いたがらない b.インサイダーが欲しがっている c.いままで見えなかった投資チャンスが企業分割の結果見えてくる （実質的に安い株価、事業の素晴らしさ、レバレッジ効果など） 4.経済関係の出版物から分割企業への投資機会を探し出し、SECへの届出書でさらに調査を行う 5.「親」へ注目することは十分に引き合う→アメリカン・エクスプレス 6.部分分割や引受権売り出しにも独特の投資機会がある 7.インサイダーからも目を離してはいけない 第5章　街に流される血 （簡単な要約） 1.倒産　記憶すべきポイント a.倒産は独特の投資機会をもたらす　しかし十分な選択眼が必要。 b.一般論として、倒産会社の普通株式は買ってはならない。 c.倒産会社の社債、銀行借り入れ、営業上の請求権は、良い投資物件だ d.倒産から復活した会社の新株は一見の価値あり 2.売りのコツ a.悪いものは売り、良いものを買え。 b. 3.リストラ a.企業のリストラから大きな価値が明るみに出ることがある。 b.下値のリスクが少なく、リストラがらみの良い事業で、経営者にインセンティブが与えられている会社を探せ c.潜在的にリストラのあり得る環境で、事態を動かす触媒になるものを探す d.会社全体との比較で、リストラの規模が十分に大きいことを確認する