「段取り力」という本で推薦されていた本。ホテルマンの段取り力、素晴らしいですね。 エレベーターの動線トラブルを生花を飾って回避したり、飲み物を持ち込ませないようにする雰囲気作りなど、なるほどなという感じ。 ウィンザーホテルといえば、サミットの会場になったところ。その時のエピソードが書いてあると思いきや、サミットよりもずいぶん前の話でした。 ホテル業界のことに関して全く知識がない自分にとっては、ホテル経営がどういうものであるかを知ることができた、非常に新鮮でした。 いいホテルがあると、その街のステイタスがあがる、私が考えている以上にホテルの役割は大きいのですね。 従業員のモチベーションを向上させる施策については、どの業界でも参考にできると思います。特に印象に残ったのが、社員の公私にわたり、困り事に対して会社が適切なアドバイスを行う部署があるということです。さらに家庭に関する手助けをするためにファミリーリレーションというセクションがあるとか。実際どういうように機能してるのかぜひ具体的な話を聞きたいものだと思いました。

ウィンザーホテル洞爺運営会社社長、窪山哲雄氏の自伝。 ウィンザーといえば2008年のサミットの会場になったホテル。その年に洞爺湖で開かれたエコツーリズムサミットにパネリストとして呼ばれて行ったが、山上に佇む威容に打たれた記憶がある。 窪山氏は海外ホテル留学、ニューオータニ、ハウステンボスを経て、ウィンザーへ。 ウィンザーは元エイペックスホテルで、９３年６月に６６５億円かけて建設されたバブルの象徴のホテル。 過剰投資で破綻していたエイペックスホテルをリスタートさせるため、著者が拓銀から招聘を受け北海道へ。そしてウィンザーとしてオープン準備中に北海道拓殖銀行の破綻で閉鎖という憂き目をみる。 その後４年余の必死のオーナー探しを経て2002年6月にオープンする経緯を追った内容である。 本の発行がオープンとほぼ同時であるため、たぶんに宣伝的な内容。悲劇の男が逆境にもまけず、情熱で困難なプロジェクトができたという自己陶酔ストーリーで、途中から食傷気味になってしまった。 美化しすぎでうんざりすることもままあるが、その向上心については感服せざるをえない。自宅にある本だけで７，０００冊であるとか、英語だけでなく仏語も仕事をしながら勉強したとか。 和魂洋才、ウィンザー式シーキューブアイ（コンフォート、コミュニティ、カルチャー、インテリジェンス）という経営理念もすばらしい。ペンタゴンのシーキューブアイ（コミュニケーションズ、コントロール、コマンド、インテリジェンス）から考え付いたそうだ。 北海道の洞爺湖という遠隔の地。そこで最上のラグジュアリーを掲げて３８６室という巨大ホテル動かし続けていくことは、傍目には一見困難に見える。 年６億円の賃貸料と２６億円の資産購入をした上で、窪山氏は確信を持ってウィンザーを運営している。 ウィンザーHPには「将来的には、世界的なホテルブランドであるリッツカールトンやフォーシーズンズに比肩する国際的な最高級ホテルチェーンを創出し、世界に通用するホテルマンを育成していくことを企業使命としています」とのこと。窪山氏の描く夢はとどまることを知らない。 ちなみに、読了時（2011．6.25）の顧客満足度は、以下のとおりであった。 じゃらんネット 総合4.0 クチコミ41件 部屋4.2 風呂3.8 料理（朝食）3.8 料理（夕食）3.9 接客・サービス4.0 清潔感4.6 楽天トラベル 総合評価3.73 アンケート件数：178件 サービス3.80 立地4.07 部屋4.27 設備・アメニティ4.40 風呂3.47 食事3.33 JTB 総合89点 アンケート件数：533件 サービス89点 部屋88点 夕食82点 朝食83点 大浴場80点