ギリシャのイメージはエーゲ海に浮かぶ白い建物が並ぶのどかな丘であり、紅の豚の海岸であり、マンマ・ミーアの世界だけしか知らなかった。 あ、あと神の国。 映画化されて当時観に行きたかったけど機会がなくそのままだったが、ふと最近海外書棚で見つけた原作本。分厚いし嫌いな二段組みだしかなり躊躇したけど挑戦してみた。 結果、序盤があまりに海外小説にありがちなスローペースでコレリ大尉が出るまでで2週間の貸出期間の迫り延長申請を出した。 コレリ大尉が出てきてから一転、ようやく、ああ映画化した空なるのが分かるわって興味が出始め読む速度が加速する。ナチス・ドイツが現れると決まってホロコーストごとくの無差別大量殺人のシーンが出てくる。ギリシャは神々の国でありながら歴史上常に戦火に巻き込まれ、また国内情勢もひどく、冒頭で書いたギリシャの美しいイメージは霧散した。ギリシャ・イタリアの歴史を知る上でいい本に巡り合えたなぁと思った。 そして後半はハッピーエンドになるのかと思ったらまたこれからが長い。おいおい、二人はどうなるんだよ！とやきもきさせながらどんどん月日が流れるから読んでいて焦る。そしてマンドリンが発掘されると話はまた一転する。最後の締めくくりはどうよ！？って気もするが最後まで読めてよかった。ちょっと映画も観てみたくなった。

ゆっくり時間をかけて読む本という感じがしました。 コレリ大尉、なかなか登場しません。 ２００ページ目を過ぎた辺りでようやく登場。 戦争の細かい描写や、登場人物一人一人が丁寧に描かれているためボリュームがかなりあり、読み進めるのに多少の忍耐が必要です。 ただのラブストーリーではなくて、戦争に翻弄された人々の深い人生の物語。心に深く残る作品でした。 タイム誌が選ぶ「２０世紀の１００冊」に選ばれただけあって、良書です。一読の価値あり。