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粋な旋盤工
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粋な旋盤工
¥330
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
この本を知ってから20年以上になると思うけど、ようやく読めた。何も知らずに小説かと思いきや、大半が1970年代前半に書かれた随筆で、小説はそれ以前に同人誌に掲載された数編だった。 随筆と小説で書かれた年代に差があり、それはそのまま小関さんの旋盤工、町工場労働者としての経験の有無に...
この本を知ってから20年以上になると思うけど、ようやく読めた。何も知らずに小説かと思いきや、大半が1970年代前半に書かれた随筆で、小説はそれ以前に同人誌に掲載された数編だった。 随筆と小説で書かれた年代に差があり、それはそのまま小関さんの旋盤工、町工場労働者としての経験の有無にもつながると思うけれど、随筆のほうが圧倒的に迫力がある、というか悲哀がある。私は小関さんって、どこか酔狂で旋盤工をやりながら小説を書いているんだと思っていたんだけど、そうではなくて旋盤工としての人生がかなり濃かった。例えば、生活が立ちゆかなくなり生活保護の申請にいくようなことまで随筆になっており、そういうギリギリの生活のなかで時折筆を振るっていたんだなあ……。「二十数年の労働生活から得たものといえば大げさだが、求められて原稿用紙にむかう時には、私はいつも、借りものでない思いを、借りものでない表現で書き綴りたいと、自分に言いきかせていた。」(p.224)、「いまでは、書くことは、生きて働いていることのあかしのようなものかもしれない。借りものでないと保証できるのは、自分の体しかないと自覚するほどに、自分の才能はとぼしい。だから体で書いた。」(p.225)というあとがきなどがそのことを示していると思う。
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「粋」という言葉がふさわしい. 鉄を削る旋盤工の一昔前の仕事・時代を伝える書籍であるが,著者の視点や文章から伝わる情緒や感性があふれている. また,半世紀以上前の工場の「やり方」は興味深い,加工プロセスの時代の流れを知ることができるという点においても貴重な情報である.
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