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「対話」のない社会
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「対話」のない社会
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商品レビュー
4.1
56件のお客様レビュー
「言葉を尊重する」と…
「言葉を尊重する」とはどういうことか、長年にわたって実践している著者の姿勢には学ぶべきものが多い。
文庫OFF
考えさせられる一冊
「戦う哲学者」の主張は容赦ない。日本的美学とされる、思いやりや優しさ。それゆえに殺されてしまう言葉、避けられてしまう「対話」について鋭く迫る。他者の思考や言葉を奪うことのない社会とは?考えさせられる。
きよちゃん
社会的弱者は言葉を否定され続け、言葉を語ることを諦めてしまう。日本の和の精神が言葉の足かせになっている。日本はルール違反に対しても寛大だが、他人の苦境も見て見ぬふりをする。要するに個人と個人のコミュニケーションをほぼゼロに留めておく国だ。日本人は客観的な立場から論理を使って語るの...
社会的弱者は言葉を否定され続け、言葉を語ることを諦めてしまう。日本の和の精神が言葉の足かせになっている。日本はルール違反に対しても寛大だが、他人の苦境も見て見ぬふりをする。要するに個人と個人のコミュニケーションをほぼゼロに留めておく国だ。日本人は客観的な立場から論理を使って語るのはそれほど苦手ではない、しかし、主観的に語る対話、(ここで言う「対話」とは各個人が自分固有の実感・体験・信条・価値観に基づいて何事かを語ること)はにがてである。日本人は(一般的に)言葉を額面通りに受け取る関係よりも、発話者の意図と言葉の字面が微妙にずれることを了承するのに独特の美学をもっている。しかし、その美学にかまけて言葉や態度を軽視してはならない。対話を遂行するものは、「客観的態度」「主観的態度」の間を行く。自分の固有の状況・体験・感受性をまるごと引きずりながら、しかも客観的心理を求めて語りだすのだ。限りないわからないわかったりの揺れがあり、果てしない「ここまではわかった、だが、ここからはわからない」という限定が続く。この営みこそ対話である。生み出された対立をどう統合するのかというヨーロッパ的思考に対して、そもそも対立を避けようという日本的考え。それを認知しない考え。それを殺す考え。
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