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数学幻視行
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数学幻視行
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商品レビュー
3.5
2件のお客様レビュー
数学エッセイストという奇妙な肩書きの人が書いた、数学、物理、経済、哲学にわたる考察を通した科学哲学的エッセイ。学問の意義を問い、大ざっぱではあるがある程度まとまりのある答えを与えている力作。
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高度に発達した数学は哲学と見分けがつかない。そんなエッセイである。 数学というのは無機質な学問のように見えて、その歴史は非常に人間くさい。著者の言葉で言えば「霊域」の世界であり、「曖昧性」を抱え込んでいる。 優れた棋士が理屈でなく「直観」で手を思いつくように、優れた数学者...
高度に発達した数学は哲学と見分けがつかない。そんなエッセイである。 数学というのは無機質な学問のように見えて、その歴史は非常に人間くさい。著者の言葉で言えば「霊域」の世界であり、「曖昧性」を抱え込んでいる。 優れた棋士が理屈でなく「直観」で手を思いつくように、優れた数学者もそうした天啓のようなものを感じ取ったりする。 きちんと理解できているか自信があまりないが、ずっと先のほうに目指す答えのようなものがあって(あると信じていて)、その方向に進むために様々なツール(公式や理論など)を作り上げて組み上げていく、数学とはそういう営みというべきか。 時折「習っていない解法を使ったら×にされた/叱られた」などという体験談がネットを騒がせているが、数学の考え方からすれば、そうした先にある姿というものを見せた上で、じゃあなぜその解法が正しいのか考えていきましょう、となるべきであろうが、教条主義とでも言うのか、ただ数学教師の権威を守りたいがための教育になっていないかという感もある。 根源的な疑問として、「数とは何か」「言語とは何か」「貨幣とは何か」「時間とは何か」という問いかけもなされている。 あまりに当たり前すぎて、今更省みられることも少ない本質に焦点を当てているのはなかなか興味深い。私の数学的素養が不足しているために理解が追いつかないが、そういう当たり前がなぜ当たり前であるかを考えるのも、たまにはいいかもしれない。
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