小松左京「写真の女」 海野十三「振動魔」 生島治郎「過去の女」 都筑道夫「凶行前六十年」 豊田有恒「殺人者」 川端康成「叙情歌」 半村良「夢の底から来た男」 江戸川乱歩「鏡地獄」 石川喬司「提灯」 筒井康隆「邪悪の視線」 星新一「門のある家」 阿部公房「R62号の冒険」 佐野洋「虫が好かない」 香山滋「オラン・ペンデクの復讐」 田中光二「標的都市」 副題は「SFミステリー傑作選」。 読み終わってどのあたりがミステリだったのかわからなかったり、誰にでもわかるような真相だったりと、ミステリとしての満足度は得られなかった。 収録作で一番ミステリ要素が濃いのが「殺人者」で、宇宙船内での連続殺人を描いていて、いったい誰が犯人なのかが問題となる。犯人の特定のさせ方は面白い。 もとのノベルス版は一九七七年刊行。 SFミステリの大家、西澤保彦が登場するのはまだまだ先のこと。 西澤さんがSＦミステリの形式を確立させ、そのまんまほとんど開拓しちゃったのかも知れない。 一九七七年以降～西澤保彦登場までで、すごいSFミステリがあるとしたら知りたいところ。

ＳＦでありミステリーである、そんな15作品を集めたアンソロジー本。 好きで読んでた作家さんが多数入っていたので、移動の時に読もうと思って買った本でもある。 ＳＦって言ったら、トリックとか何でもありになっちゃうじゃん！と思う方もいるかもしれないが、そこはそれ設定がしっかりしていればミステリーは成立するんですなー。 それに１冊で15人の作品が読めるわけだから、読書の新規開拓にはリーズナブルでいいと思う私はケチかしら（笑） 【掲載作品】 『写真の女』（小松左京） 『振動魔』（海野十三） 『過去の女』（生島治郎） 『凶行前六十年』（都筑道夫） 『殺人者』（豊田有恒） 『抒情歌』（川端康成） 『夢の底から来た男』（半村良） 『鏡地獄』（江戸川乱歩） 『提灯』（石川喬司） 『邪悪の視線』（筒井康隆） 『門のある家』（星新一） 『Ｒ６２号の発明』（安部公房） 『虫が好かない』（佐野洋） 『オラン・ペンデクの復讐』（香山滋） 『標的都市』（田中光二）