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スキャンダル
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スキャンダル
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商品レビュー
3.8
18件のお客様レビュー
得意の絶頂であるべ…
得意の絶頂であるべき瞬間に現れた自分とソックリな、しかし醜怪な顔の男…主人公の人徳者としての評判を嘲笑うかのごとく彼の名を騙り淫蕩な生活をする男の正体は?スキャンダル狙いのジャーナリストの影におびえつつ探索を開始するが? どうです、読みたくなりません?? こう書くと推理小説のよ...
得意の絶頂であるべき瞬間に現れた自分とソックリな、しかし醜怪な顔の男…主人公の人徳者としての評判を嘲笑うかのごとく彼の名を騙り淫蕩な生活をする男の正体は?スキャンダル狙いのジャーナリストの影におびえつつ探索を開始するが? どうです、読みたくなりません?? こう書くと推理小説のようですが、そうでもあるような違うような…まぁジャンル分けなんてどうでも良いんですけどね。 同じキリスト教徒の作家だから、というだけでなくもっと深いところで主人公は作者の分身に思えます。これ以上アレコレ書くと
文庫OFF
勝呂は、そのまま作者…
勝呂は、そのまま作者の遠藤周作さんの分身のように思われた。登場人物もうまく使っていて、難しいテーマだがわかりやすかった。
文庫OFF
65歳を越えて、クリスチャンの小説家としてたしかな地位を確立した勝呂の奇妙な体験をえがいた作品です。 ある文学賞の授賞式で、勝呂は石黒比奈という画家の女から、彼が歌舞伎町で遊んでいたと言われます。身におぼえのない勝呂は彼女のことばを否定しますが、ルポ・ライターの小針は彼女から話...
65歳を越えて、クリスチャンの小説家としてたしかな地位を確立した勝呂の奇妙な体験をえがいた作品です。 ある文学賞の授賞式で、勝呂は石黒比奈という画家の女から、彼が歌舞伎町で遊んでいたと言われます。身におぼえのない勝呂は彼女のことばを否定しますが、ルポ・ライターの小針は彼女から話を聞き出し、世間に向けてとりつくろった勝呂の本性をあばこうとします。 その後も勝呂は、歌舞伎町のいかがわしい店に彼が出入りしていたという話を耳にすることになり、自分の偽物が存在していると考えるようになります。彼は、編集者の栗本とともにそうしたうわさが根拠のないものであることを明らかにしようとしますが、そんななか彼は成瀬という未亡人と出会い、彼女との会話のなかで、自分がこれまで抑圧してきた心の深層に、クリスチャン作家としての彼とはまったくべつの情念が存在しているのではないかという思いにとらわれるようになります。 合理的な結末が用意されているミステリではなく、どちらかといえば怪奇小説といった内容の作品です。フロイト派の心理学者である東野という登場人物を通して、精神分析的な観点から本作のストーリーを解釈するための見取り図が語られているところがありますが、現代の読者にはあまりにも図式的な構成だと感じられるかもしれません。
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