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スティル・ライフ
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スティル・ライフ
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商品レビュー
4.2
20件のお客様レビュー
数年ブランク後の1冊(なにしろ、記事アップの方法さえなかなか思い出せなかった)は、最初に読書ページを作ったとき、第1稿はこれと決めていたのに上手く書けなくて棚上げになってたこの本のことを。 30年ほども前、書店の平積み台にこの本を見つけ、その端正な気配に突然古い知人を思い...
数年ブランク後の1冊(なにしろ、記事アップの方法さえなかなか思い出せなかった)は、最初に読書ページを作ったとき、第1稿はこれと決めていたのに上手く書けなくて棚上げになってたこの本のことを。 30年ほども前、書店の平積み台にこの本を見つけ、その端正な気配に突然古い知人を思いだしました。手に取って見たら装幀者のとして、その方とは1文字違いの名前。とはいえ雰囲気に強く通じるものがあり、気になって購入。 装幀がらみで購入したせいか、活字の大きさ、レイアウトなど、気持ちのどこかでその盛りつけを楽しみ、いつもの読書以上に深く行間に入っていく気がしました。 静かな物語でした。 静かな物語、静かな文体。波のない湖水に石を投げ入れる。石は沈み波紋が広がり、再び静かな水面を取り戻す。 読んでいると気持ちがとても落ち着いて、重い着物を1枚ずつ脱いでいってる感じがしました。後にも先にも、ちょっと記憶にない感覚で。 「遠いところへ 遠いところへ心を澄まして 耳を澄まして」という帯の言葉がとてもよく雰囲気を表しています。 その後、何度も読むことになりました。 旧知が装丁者であったことは後日確認できましたが、大事なのはそういうことよりこの本に出会ったことですね。 何と言えばいいんでしょう、池澤さんの著書全てに共通するのですが、気持ちがニュートラルになるって言うか。ハイになってるときは落ち着くし、落ち込んでるときはそれが大したことじゃないんだと思えてくる。 平易な言葉さえとてもきれいです。 読む度に、「文章の力」というものが本当にあるのだと、繰り返し教えられます。 引用は部分を選ぶのが難しかったので、冒頭の一文です。 ━ 引用 ━ 大事なのは、山脈や、人や、染色工場や、セミ時雨などからなる外の世界と、きみの中にある広い世界との間に連絡をつけること、一歩の距離をおいて並び立つ二つの世界の呼応と調和をはかることだ。 たとえば、星を見るとかして。 ★ 装幀家 戸田ツトム氏は2020年に亡くなられました。追悼の気持ちで「kinobori report」に一文を上げさせていただきました。http://jb.air-nifty.com/repo/2020/07/post-c1d9ba.html
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あまりこの年代の本を読むことがなかったので、映写機?を長時間使っているとスクリーンにしてたシーツがちょっと焼けるっていうのが新鮮だった。
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表題作を含め中編2本が収録されています。どちらのお話もとても好きな雰囲気。ストーリーはあるような無いような。自分とは何か、この世界はどういうところか、この世界に時を同じくして生きている人たちと自分との関係、分かっているつもりのこと、分からないこと、想像すること、意識のこと、色々考...
表題作を含め中編2本が収録されています。どちらのお話もとても好きな雰囲気。ストーリーはあるような無いような。自分とは何か、この世界はどういうところか、この世界に時を同じくして生きている人たちと自分との関係、分かっているつもりのこと、分からないこと、想像すること、意識のこと、色々考えながら満足して読了しました。
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