商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2018/04/21 |
JAN | 9784041067925 |
- 書籍
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あやかし草紙
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あやかし草紙
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商品レビュー
4.3
131件のお客様レビュー
「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」(宮部 みゆき)を読んだ。 泣いた。 「三鬼 三島屋変調百物語四之続」の感想で、 『わたし的には《そろそろおちかさんを放免してあげてもいいのでは?》なんて思うんだけど、まぁそれは出来ない相談だわな。』 と書いたけど、こう来たか。 今回...
「あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続」(宮部 みゆき)を読んだ。 泣いた。 「三鬼 三島屋変調百物語四之続」の感想で、 『わたし的には《そろそろおちかさんを放免してあげてもいいのでは?》なんて思うんだけど、まぁそれは出来ない相談だわな。』 と書いたけど、こう来たか。 今回はどの話も良かったけれど、特に「だんまり姫」は良いね。 お勝さん、最強。
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2024.1.18 読了 「開けずの間」塩断ちで引込んでしまったあやかしにまつわる話。最後にお勝さんが守ってくれていたところで、ゾワっとした〜! 「だんまり姫」もんも声のおせいさんと一国様の霊との交流(?)が心温まる話。 「面の家」世の中の厄禍が面の形になって封じられている家で、その声を聞くためには、脛に傷持つ人間でないといけないというところはナルホドと思った。そして、その面が外に逃げ出したときには、声が聞こえる人がそこここにいて、、、ホントの善人は少ないんだな。 「あやかし草紙」三島屋の次男坊の富次郎が、おちかと一緒に百物語の聞き手となり、最後に絵を描くようになった。その絵を入れる桐箱をあやかし草紙と名付けた。出入りの古本屋、瓢箪古堂の若旦那の勘一が今回の語り手。未来が書いてある瓦版を写本するが、そこに自分の寿命が書いてあるようだ。おちかは、勘一の語りが尻切れトンボに感じる、もしや勘一も写本したのでは?自分の寿命を知っているからこそ、死ぬことを怖がっていないからこそ、あのように飄々としていられるのでは?と。おちかは自分の気持に気づき、、、 「金目の猫」三島屋の長男、伊一郎と富次郎の話。けうけげんというあやかしが、なんだかケセランパサランみたいなほわほわで、そのうち形を成して金目の猫になって三島屋を見守っていた話。じつは、昔三島屋で働いていた女中が生霊となって乗り移っていた。けうけげんって、今日化現、いま化身したみたいなこと? これで、おちかの聞き手としての変り百物語は終わり。胸につかえたわだかまりや、思い出すだにつらい経験を聞きながらも、おちかを取り巻く人たちが、本当に裏表なく温かい人たちであることが、このシリーズ通しての救いであることを感じる。も一回「おそろし」「あんじゅう」「泣き童子」「三鬼」「あやかし草紙」と読み直してみるかな。
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宮部みゆきのファンタジー時代小説、三島屋変調百物語の5冊目。「伍之続」という書き方が粋ですね。 第一期完結篇。 三島屋は、江戸は神田にある袋物屋。 姪のおちかは辛い事件の起きた故郷を離れて、こちらで働き、叔父の発案で風変わりな百物語を続けていました。 百物語は人々が集まって、怖...
宮部みゆきのファンタジー時代小説、三島屋変調百物語の5冊目。「伍之続」という書き方が粋ですね。 第一期完結篇。 三島屋は、江戸は神田にある袋物屋。 姪のおちかは辛い事件の起きた故郷を離れて、こちらで働き、叔父の発案で風変わりな百物語を続けていました。 百物語は人々が集まって、怖い話不思議な話を一つずつ話すものですが。 三島屋の百物語は「黒白の間」で、何か話したいことがある人を招き、おちか一人が話を聞き、それを叔父にひと通り話した後は、「聞いて聞き捨て、話して話し捨て」が決まり。 ここからは、三島屋の次男・冨次郎が奉公先で怪我をして実家で療養中、隣で話を聞くことになります。 「開けずの間」 9人家族に訪れた思わぬ不幸。 家に戻された長姉は生き別れの我が子を思うあまり、恐ろしいものを家の一間に引き入れてしまう。 何かと引き換えに願いをかなえるという、引き換えとは。 「だんまり姫」 亡者を起こしてしまう「もんも声」を持つ、おせい。 出来るだけ口をきかず、耳の聞こえない夫婦に仕え、身振り手振りで意志を伝えることを覚えたら、お城からお呼びがかかった。 口をきかないお姫様の世話をすることになったおせい。やがて、お城で起きた悲劇を知ることに。 罪のないおせいや可愛らしい姿の面影がずっと消えません。 「面の家」 痩せて行儀の悪い娘・お種が突然、三島屋にやってきた。 なぜか性格の悪い方がいいと監視役に見込まれて、異様な面のある家に住み込んでいたという。 その面とは。 「あやかし草紙」 瓢箪古堂の若旦那・勘一が語る。 父が懇意にしていた浪人が破格の謝礼で請け負った写本。 そこには大きな秘密があった。 「金目の猫」 三島屋でふらふらしている次男・冨次郎は、一時奉公先から戻った長男・伊一郎と、幼い頃に経験した話をする。 冨次郎は近所にいる猫に情けをかけ、可愛がっていた。 伊一郎が見るところ、その猫の不思議な行動のわけは。 おちかが一歩を踏み出し、新たな門出へ。 若い娘がいつまでも立ち直れないのは悲し過ぎるが、えっ、百物語卒業? つまんな~い(笑) 冨次郎のお手並み拝見。 おちかの旦那さんもしっかりしてよっ(笑) 欲や情や行きがかりから、思わぬことに巻き込まれ翻弄される人の弱さ愚かさ必死さ。 辛い気持ちに寄り添い、心通ったひとときを思い、亡き人をしのび、妖しい出来事にも縁を感じる。 切なさと面白みとあたたかさ。 得難いシリーズです。
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