読んでいる途中ですが、「サトラコヲモンサマ」の正体を知って笑いが止まらなくなった。まったくこの著者のユーモアせんすは、ははは。「自分で自分の信じるものを見つけなあかん」…続き読みます。 　読み終えました。上下合わせて圧巻の733ページ。これだけのボリュームながら信号のない一般道路をすいすいと走り続けるようなストレスのない読書でした。　 　何かに遠慮しながら生きてきた歩が最後に覚醒するのは「自分を信じること」。そこに至るための733ページ。8文字をつかむために733ページの紆余曲折の物語が必要だったということか。恥ずかしながら人生をそこまで深く考えて生きてないので、感想は“ほぉーっ” 　信仰って宗教って仏様だったり、神様だったり、仁王様、如来様、菩薩様とかにおすがりするけれど、結局は自分を見つめて自己を発見、再確認することではないかと思いけり。 　女性作家なのに、思春期の男どもが体験する性なるものの体験。ひとりでしてナンパしてやりまくって…なんか気恥ずかしくもうまく描けているな。と。 　「自分がどうあるかは、自分が決める」というテーマをもって書き続ける西加奈子さん、ますます好きになりました。どんどん次を読みます。 　

歩くんの波乱万丈な人生を一緒に生きたような気持ちになりました。歩くんの捻くれたというか、少し周りを下に見ている考え方や、徹底的に受け身で何もしない性格に途中かなりイライラしましたが、最後には信じるものを見つけられてよかったです。 お姉さんの「あなたが信じるものを人に決めさせてはいけない」が印象的でした。お姉さんも見つけられてよかったです。 髪の毛が抜け始めたのがなんだかリアルにつらくてつらかった。どんどん自信を失っていって負の連鎖に陥っていて読んでいてつらくなった。 私も自分が信じられるものを見つけないと。とても考えさせられる一冊になりました。

冒頭から、過去の回想の物語なんだと気付くが、 その圧倒的スケールの大きさに一気に魅了され、 特に上巻は、不穏さや不可解さを感じながらも、 家族や周囲のパワフルでアグレッシブな様子と、 子供時代の純粋なエネルギッシュさに興奮した。 マイノリティでありたいが故に奇行を繰り返す姉、 斬新過ぎる方法で自らをアピールするその意欲は 理解不能で「いい子」の歩でなくとも唖然とする。 また限りなく信仰に近い、何かを求め信じる様は、 自己確立が出来ていないが故の葛藤の表れなのか。 過激な姉というのは『さくら』でも描かれていて その際の姉は容姿端麗で美しく人を惹きつけたが、 この貴子は不器量な上、また自らを醜くしていく。 (宗教騒ぎの時は部屋に引き篭り続け異臭もした) 貴子の不安定さは何故なのか、仄暗さの原因は何。 そしてそんな姉を嫌悪しつつも恐れ怯え続ける歩。 エジプトでの精神的支柱だった友人ヤコブとの絆、 高校時代の尊敬すべき友人の須玖、冴えない彼女、 そのすべてを失い、加齢による容姿の変化も伴い、 自信喪失し失望と絶望でがんじがらめになる歩は、 忌むべき姉に助言されたことで、移ろいでゆくー。 「信じるものを誰かに決めさせてはいけない」 幹を、芯を持つこと、信じるものを見つけること。 最終的に歩が辿り着いた答えに私は心を打たれた。 その解釈は読者に委ねられるような形でもあるが、 歩と同じくずっと揺れ続けていたように思う私は、 そのとても大きくて純粋な気付きに感銘を受けた。 あまりにも長くを見守り続ける物語ではあるが、 すべてのエピソードが不可欠だったように思う。 ずっと大切にしたい作品、魔法の言葉、サラバ！ -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎-------- 両親の秘密、ピラミッドのデカさ、ゲイ雑誌、 謎の手紙、サトラコヲモンサマ、すくいぬし、 やりまくり大学生、闇堕ち友人、ビッチの友人、 巻貝アーティスト、芸人てぃらみす、などなど… 気になるワードわんさか！読む手が止まらない！ -----------✂︎-----------✂︎-----------✂︎--------