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池田屋乱刃
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池田屋乱刃
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商品レビュー
3.6
19件のお客様レビュー
幕末の池田屋事件を題材とした連作短編集。 若い有能な幕末の志士の多くが命を落とす事になるが、それぞれの思惑が同じくしていた訳でもなく、特に運よくその場にいなかったとされ、池田屋事件には、重く口を閉ざしていた桂小五郎など、本当はどうなのか、筆者は問いかける。
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池田屋事件を関係者其々の目線で物語が進み、最後の桂小五郎と乃美織江の人間臭さに読み応える。 伊藤潤の小説は時代背景に詳しくなくても楽しめるし、登場人物がみんな濃い。
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福岡裕次郎、北添佶摩、宮部鼎蔵、吉田稔麿、乃美織江。彼ら五人が辿った人生を、池田屋事件を中心として描く「池田屋乱刃」。 幕末を生き残ったものが勝者であり、明治の日本に貢献した人が褒め称えられるのが歴史の判断というものかもしれませんが、志半ばで倒れた人も、敗者として歴史に貢献した...
福岡裕次郎、北添佶摩、宮部鼎蔵、吉田稔麿、乃美織江。彼ら五人が辿った人生を、池田屋事件を中心として描く「池田屋乱刃」。 幕末を生き残ったものが勝者であり、明治の日本に貢献した人が褒め称えられるのが歴史の判断というものかもしれませんが、志半ばで倒れた人も、敗者として歴史に貢献したのだ、という感傷を強く思わせます。 感傷と思ってしまうのは、乃美織江の第五章が、伝えられた歴史とは違う事実を抱えて生き残った人間を描いているものだから。 どれだけ強い意志を持ち、どれだけ崇高な理想を掲げていても、それを成し遂げる前に倒れてしまっては意味がないのではないか、と思ってしまう。 生き残ったものは、途中で倒れたものの意思を引き継ぎ、完遂へと繋げてゆく。その中で背負ってしまったものが、仮初の栄誉で重荷になったとしても、死ぬまで背負うしないのかな、と感じました。 死してもなお志を残し生き残ったものが引き継いでゆく、ということから感じる美学。それよりも、生き残ってしまったから、引き継がざるを得なかったという重圧、後悔のような後味の悪さが少しあるか。 その感情に潰されず、最後まで事実を守り抜いた精神性を賞賛すべきなのだろうな。これも道半ばで死んだ者の志を引き継ぎ生きてゆく、ということなのかもしれない。
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