以前からタイトルで気になっていた一冊。 日本オリジナル短篇集だそうですが、タイトルは短篇の１つ"Bang-bang You're Dead”から採られているのだと思います。原題には「！」マークがないので歌詞のようと思ったら著者さんは詩人、作家。文体も独特でした。 「イギリスのブラックユーモアの女王、秘蔵の傑作群。」というだけあってかなりブラックが効いていました。少し不思議で不気味で多彩な作品たち、面白かったです。 遺言執行者 死んだ人に見られている、かも。そわそわしながら読みました。 警察なんか嫌い ５頁で軽やかに恐怖に包まれました。 双子 この夫婦、一生、気を遣って生きていかなければならない？ バン、バン！はい死んだ 想像していたものとはまったく違いましたが面白かったです。 占い師 占い師による占い合戦！どっちが当たる？ 上がったり、下がったり 個人的にオー・ヘンリーっぽいと感じました。

帯には「イギリスのブラックユーモアの女王，秘蔵の傑作群」とあるが，ブラックというよりは「シニカル」の方がふさわしい．この奇妙さを上手く説明できないのがもどかしいが，なんだかズレてて困った人，たちを描いた短編集．

長編→短編の流れで読むと、主人公のどこかぶっ飛んだ思考を味わいきれないまま終わるので正直物足りなかった。とはいえ、構成力が確かなのに見せ方がおかしい持ち味は十分堪能。 回想ミステリの調理方法は「ポートベロー・ロード」、「鐘の音」、表題作、「黒い眼鏡」となるものの皮肉屋でお茶目なスパークの顔が見え隠れしてくすりと笑える。 他では亡くなった親族の原稿を自作として発表しようとする女性にメッセージが…「遺言執行者」、したくない仕事を無理矢理させられている女性の描写が冴えている「捨ててきた娘」、登場人物が現実に登場し話をほったらかしにしないでと詰め寄る「ハーパーとウィルトン」、ひょっとしたらあり得そうなエレベーターで乗り合う相手に妄想する人生ミニドラマ「上がったり、下がったり」（スパークにしては普通で意外！）が気に入っている。