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国家、人間あるいは狂気についてのノート(4) 辺見庸コレクション

辺見庸【著】

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¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日新聞社
発売年月日 2013/02/27
JAN 9784620321707

国家、人間あるいは狂気についてのノート(4)

¥1,980

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2013/03/09

辺見庸さんが各媒体に発表した随筆、詩、対談などを収めたコレクションの4巻目。 辺見さんの作品はほぼ収集済みなので、ほとんど再読ですが、何度読んでも考えさせられます。深い思考を促す言葉で溢れています。 たとえば―。 「資本とデジタル世界が、おびただしい記号と表象とコピーを無限に濫造...

辺見庸さんが各媒体に発表した随筆、詩、対談などを収めたコレクションの4巻目。 辺見さんの作品はほぼ収集済みなので、ほとんど再読ですが、何度読んでも考えさせられます。深い思考を促す言葉で溢れています。 たとえば―。 「資本とデジタル世界が、おびただしい記号と表象とコピーを無限に濫造しつづけることにより、ひととモノから意味と価値と本質を剥いでいき、剥がれた価値の空隙にまたべつの記号と表象とコピーを自動的にはめこんでいく、この反復と再生産のプロセスはもはや『悪無限』とでもよぶほかない、狂気のめぐりである」(P19~20) 「怒りたぎる魂や希望よりは殺意ないし絶望で冷えた魂のほうが眼前の景色をより正しくとらえるものだ」(P55) 辺見さんは筋金入りの死刑廃止論者(という言い方は辺見さんが最も忌み嫌うことかもしれませんが、敢えてそう言わせていただきます)ですが、かつて死刑に反対し、法相になるやいなや死刑執行命令書にサインした千葉景子さんを題材にした論考はアイロニーに満ちていて、もし千葉さんがこれを読んだら深く恥じ入るのではないかと思われる内容です。 「千葉さんはさんざ死刑廃止をいいながら翻然として執行命令書に署名し、おそらくなんにちも前から姿見と相談してその日のための服とアクセサリーをえらび、絞首刑に立ち会った。これは思想や転向といった上等な観念領域の問題だろうか。それとも政治家や権力者や政治運動家によくある『自己倒錯』という精神病理のひとつとしてかんがえるべきことがらなのか」(P68) 詩も素晴らしいです。

Posted by ブクログ

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