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グスコーブドリの伝記

宮沢賢治【作】, 清川あさみ【絵】

¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 リトルモア
発売年月日 2012/06/27
JAN 9784898153413

グスコーブドリの伝記

¥1,980

商品レビュー

4

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2024/02/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

読みたいと思っていたものの、なかなか手に取れずにいたところ、かなさんより清川あさみさんのこちらの本をお薦めされていたのですが、やっとお取り寄せできました。 やっぱり、素敵な刺繍アート作品!! 人物が影絵のように配され、ビーズやスパンコールなど様々な素材を使って表現された表紙や挿絵。 自然は美しくも厳しくて、そんな情景と共に懸命に生き抜いたブドリの、この作品に見事に融合されているように感じました! この物語はイーハトーヴの森に住む少年ブトリが主人公。 両親と、妹のネリと共に仲良く暮らしていたのですが ブドリが10歳の頃、冷害で飢饉に見舞われ、食べ物も残りわずかとなった頃両親は出かけたまま行方不明に。 妹のネリは人さらいに連れ去られ一人ぼっちになるブドリ。  家は「てぐす屋」に乗っ取られ、そのてぐす工場で 養蚕業のような労働をさせられるも、火山の噴火で工場は閉鎖して一人放り出されてしまう。 次に赤髭という山師に出会い、沼ばたけでオリザの苗を育てる作業をさせられるも、干ばつで立ちいかなくなり、やはり放り出されるという不幸な事ばかり。 でも賢治の童話なので、それほど悲劇的な表現でなく描かれていて読めてしまうのが不思議なところ……。 そしてそんな悲しく悲惨な境遇の中でも、仕事の傍ら本を読んだり勉学を続けながら過ごしていくブドリ。 物語の終わり頃に、ブドリは火山局の技師を勤めていた27歳になった年に、あの恐ろしい冷害の再来の危機がやってきます。 自分が10歳の頃の冷害の飢饉の辛さを思い出して 考えに考えて 人工的に火山を爆発させて 炭酸瓦斯、を噴かせたら 気候が暖かくなるのではないか……と、 クーボー大博士や火山局のペンネン老技師に相談をし共に結論を出します。 そしてそれは危険な仕事であってみんなに止められたとしても、誰かがやらねばならないと考え、ブドリがやりたいと志願するのです…。 それから3日の後 火山局の船が火山島へ行き、すっかりその支度ができると火山局のみんなを船で返してしまい、 ブドリが一人島に残ったということ…。 次の日青空が緑色に濁り、日や月が銅色になったのをイーハトーヴの人たちが見たということ…。 それから3、4日して、気候がぐんぐん暖かくなってその秋は、ほぼ普通の作柄になったこと…。 そんな描写が淡々と描かれます。 でもそこでは主人公が死んでしまう場面なのに! 「自分は一人島に残りました」だけの表現だけしかないのです…。 読んでいて心がズキンと、痛みました… ブドリは冷害に苦しんだかつての自分たち家族のような悲惨な目に遭う人々がこの先続いてほしくない!! そんな強い願いと、技術者としての自分の使命のような想いで自分の命をかけたのですね…。 私としては自己犠牲なんてやっぱり哀しい…と、 割り切れなさも感じたのです…。 でも、ブドリが仕事と共にいろいろ厳しい自然に立ち向かうために勉強や研究をして、また自分の身の上の不幸や不満などの感情表現の言葉も一切なく精一杯生きて… 後の世の人々の幸せをただ願って、自分の意思で選び取った最後の決断はきっと、自分で満足したに違いないな…とも思えました。 それは、明るい希望を感じられる文章が続いて終わりになっていた事からもそう、感じられましたから…。 ブドリの生き抜いた姿に「雨ニモマケズ」が 重なってみえました… 昔に、こんな風に環境問題についても考えていた… 宮沢賢治らしい壮大な世界観の童話だとも 感じました。

Posted by ブクログ

2023/10/19

 清川あさみさんの刺繍アートとともに読む、宮沢賢治さんの物語「グスコーブドリの伝記」…。自然の美しさとともに厳しさをも表現されていて、素敵な作品になっています。  主人公はグスコーブドリという、イーハトーブの森に木こりの両親の元に生を受けた男の子…。ブトリは成長し、イーハトーブ...

 清川あさみさんの刺繍アートとともに読む、宮沢賢治さんの物語「グスコーブドリの伝記」…。自然の美しさとともに厳しさをも表現されていて、素敵な作品になっています。  主人公はグスコーブドリという、イーハトーブの森に木こりの両親の元に生を受けた男の子…。ブトリは成長し、イーハトーブの火山局で働くことになった…。そして、イーハトーブが冷害に見舞われたとき、ブドリがとった行動とは…。  何とも切ないラストでしたが、しんみりと染み入る読後を得られたのは、清川あさみさんの刺繍アートを目にしながらだったからかもしれません。色々と考えさせられました。

Posted by ブクログ

2023/07/17

「賢治がイーハトーブと名づけた故郷・岩手。 そのイーハトーブの地をおそう、飢饉や火山噴火などの自然の猛威に、 知と覚悟をもって立ち向かうグスコー・ブドリの一生涯が描かれます。 たくさんの家族が楽しく暮らせるように。 ―― そう願ったブドリの想い、東北の美しさと厳しさ。 賢治の作...

「賢治がイーハトーブと名づけた故郷・岩手。 そのイーハトーブの地をおそう、飢饉や火山噴火などの自然の猛威に、 知と覚悟をもって立ち向かうグスコー・ブドリの一生涯が描かれます。 たくさんの家族が楽しく暮らせるように。 ―― そう願ったブドリの想い、東北の美しさと厳しさ。 賢治の作品発表から80年の時を経て、いま、清川あさみが鮮やかに甦らせます。 「この物語はひとりの小さな勇気あるブドリという男の子が立派に成長していくお話。 自然というものは最も美しく、最も厳しいという事をこの物語に教えられました。 このようなタイミングで日本の美学を表現出来た事を嬉しく思います。 イーハトーブの森と幻想的な美しい日本の風景を、 愛に溢れるブドリと一緒に体感して下さい。」 清川あさみ」

Posted by ブクログ

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