書店で、表紙に目が釘付けになった。なんだ、この目の下のクマは。中身を開いて、さらに驚いた。重い。重すぎる。アコムCMで脚光を浴びた小野真弓は、ちょっと目を放した隙に、とんでもないことになっていた。８割以上の写真は笑顔であるが、そこから悲壮感しか感じることができない。あの頃の面影は残しているが、それすらも悲壮感に拍車をかける。どうしても、背後に漂う大きなモヤを感じ取らずにいられない。おそらく写真としての技術は低いのだろう。明らかに不自然なポーズも多い。普通はご法度であろうCG処理も行っている。だがしかし、この一見明るい写真から滲み出る彼女の半生は、のほほんとした人生を送ってきた者には、重くのしかかる。これからは、落ち込んだ時、この写真集を開こう。彼女の背負ってきたものに比べれば、自分の悩みなんて、あまりに小さいことに気づくはずだ。

Posted by ブクログ

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