商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2011/10/15 |
JAN | 9784309020693 |
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王国
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王国
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商品レビュー
3.2
85件のお客様レビュー
無駄が無く美しい語り口で物語に入っていけた。 哲学的に内省的な所が良かった。圧倒的な不条理たる木崎とどのように対峙するのか。クライム映画のような裏世界な世界観。 矢田が属していたものは、この社会のなにか概念的なものの比喩で、木崎はその反対にある混沌。だとすると、どちらに属するで...
無駄が無く美しい語り口で物語に入っていけた。 哲学的に内省的な所が良かった。圧倒的な不条理たる木崎とどのように対峙するのか。クライム映画のような裏世界な世界観。 矢田が属していたものは、この社会のなにか概念的なものの比喩で、木崎はその反対にある混沌。だとすると、どちらに属するでもなく、その中で必死に道を探す主人公は、社会に迎合することもできず、ふりきれてそれ自体を楽しむ木崎のようにもなれない人達を表してるのかな。月は木崎が言っていた宗教の神で、足掻く私達を俯瞰して楽しむ性格の悪い存在だと思う。 「長短ではない。肝心なのは、この世界の様々な要素をどう味わうかだ」最悪すら味わえというメッセージは好き。 掏摸も読んでみたいと思う。
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この頃の著者の筆の乗り具合は凄い。 物語自体はあってないようなものだけれど、神的な位置である木崎の台詞や月の表現など読んでいて吸い込まれていくようだ。 何一つ救いの無い内容だが、読んで救われる人は多いのではないか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
中村先生の仄暗い人物描写の空気感は好み。漠然と感じていたものが上手く言語化されている感じ。 理不尽に虐げられていく立場の弱い者、みたいのが多い気がする。 主人公が自分を捨てられ、死というものを経験し、もう確固たる自分だけでいいという感じで強く生きていく部分は感情移入できたし、エリや翔太が誰でどうなったのか徐々に明かされて行くから、スラスラ読めた。 ただ後半に向かって性描写もキツくて、しんどくもなったし、圧倒的に理不尽な神が残酷で上手く入り込めない感じもした。 純粋な善意ではなく、この残酷な世界を裏切ってやるって感情で動く主人公の黒くて硬く強い意志はかっこよかった。頭の回る女の人っていいなって思った。
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