商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2010/09/10 |
JAN | 9784150704612 |
- 書籍
- 文庫
ロング・グッドバイ
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商品レビュー
4.1
164件のお客様レビュー
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準古典ミステリ文学の巨匠、レイモンドチャンドラーの最高傑作と言われている。 古い本なので、展開的にはそこまであっと驚かせるようなものはないが、古きアメリカの退廃した社会や、登場人物たちの清濁併せ持つありのままの姿を、主人公フィリップマーロウの視点から切り取る。 村上春樹のあとがきもすごい難しいこと言ってるけど、「自我というものを、 ブラックボックスとして、各人の行動に反映されたものとして捉えている」というコメントには同意できる。 村上春樹が似た作品として挙げている、フィッツジェラルドのグレートギャツビーも読みたくなる。 個人的にはマーロウやレノックス、その他の人々達も「どこかやりきれない」まま終わるのが味わい深くはあった。また、誰にでも言葉で噛み付くマーロウの知的さと獰猛さのバランスもハラハラさせてくれた。 狆、薹が立つ、アモンティラード、指物師など、難しい言葉も多数。小説からも学ぶことが多いなと思い、小説をさらに読むきっかけになりそう。
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美しい話だった。そして題名の意味が最後の最後にわかるそのまとめ上げ方が最高だった。話の途中に、男同士の友情として描かれる一節がまさにハードボイルドで…そしてその場面があるからこその最後の最後に題名が効いてくる…染み渡る話でした。
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探偵フィリップ・マーロウは、酔って駄目になっているテリー・レノックスに出会い、「なにか」に惹かれる。おそらくその「なにか」は彼にとって欠落というべきものだろうと思われる。その「なにか」がなんなのかについて彼自身がどのくらい理解しているのかは、小説を読む限りでは分からない。ただ、彼はその「なにか」のために、テリー・レノックスの死に執着する。その過程で、彼以外の、周囲の人の心にあるわだかまりは少し明らかになったりするし、事件の真相も明らかになる(予想以上にミステリ小説してたので驚いた)が、結局彼の欠落した「なにか」には1mmも近づかない。 最終的に、”ミステリ的な仕掛け”としてテリー・レノックスが生きていたことが明かされる。これで良かった、マーロウのレノックスに対する想いは報われるだろう、と感動する準備をしながら読んでいくとそうはならない。真相にかかった霧が晴れると同時にレノックスに付帯してマーロウとの繋がりを引き止めていた「なにか」も霧散してしまう(それはミステリ的な仕掛けのさらにその先に仕掛けられた非ミステリ的な真相だ)。そうして、真相が明らかになるのと逆行して、彼の欠落した「なにか」はより深くなっていく。 読み終わってもなお、フィリップ・マーロウが誰だったのか分からないままだった。
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