肘を壊し、テニスから遠ざかった主人公が、お嬢さまの執事とコーチを引き受ける。ボールを追いかけ走る姿、スカートをひるがえし汗を流す女の子の姿が目に浮かぶ快作。

テニスには真剣に取り組む、でもちょっと下ネタ好きでナンパな主人公を中心に、軽快に進む物語が魅力です。幕間の、初心者に向けたテニス講座も笑って読めます。テニスの持つ胸が熱くなる展開があなたの心を打ちます。

女子小学生バスケ部のコーチを引き受けた男子高校生の奮闘を描く。スポーツを通した仲間たちとの絆、苦手なものを克服して成長していく、近年スポーツラノベの最高傑作。

「讃岐、富士吉田、秋田は稲庭。どれも好物だが、俺はあえて断言したい。うどんは、小学生に限ると。「ありがてえ、ありがてえ」」(第11巻)。あなたに極上の衝撃を与えてくれるラノベです。智花といっしょに夜空を見上げる第5巻と、昴自身の挫折と成長を描いた第7巻がとくにおすすめです。

進学校の弱小野球部を勝利へとみちびく。幼なじみの綾音との約束を胸に、中学野球の有名選手として成長した巧也。留学から帰り高校に入学した綾音は巧也との再会を心待ちにするが、巧也は野球をやめ医大入学を目指していた――。

試合中の心理描写が秀逸な野球ラノベです。女子の甲子園出場が認められている設定がスパイスになり、どのように女子選手を活躍させるかが鍵になっています。スポーツものらしい爽快な1冊！

皇帝を謀殺するため、女装して後宮に入り込んだ主人公が、皇帝の寵愛を受けるため(暗殺の機会を得るため)に野球リーグの頂点を目指す。

「帝国の祖業は野球である」。野球の巡業で成った国家という設定がおもしろく、風呂に入り肌を磨き美を競う女性だらけの園に、野球の試合が見事にいり混じっているのが特徴です。ボールをかっ飛ばす清々しさと、後宮のどろどろした人間関係が、あなたの脳に刺激を与えます。

嵐のような少女に引っ張られ、ラクロスをはじめることになった女子高生たちのかしましい青春を描いた意欲作。

誰もが知っているスポーツなのに、ルールなどがあまり良く知られていないマイナースポーツに数えられるラクロスを、小説として描きあげた名作です。このラノベはファンが多いことでも知られています。騒がしさのなかに繊細さを持った少女たちに触れてください。

地獄野球リーグでプレイする幼なじみの里夏を手助けするため、将貴はチーム入りを果たすが、チームメイトは落ちこぼればかり。逆境に負けず、渾身の一球をはなて！

蜥蜴人(リザードマン)チームとかなんだよ、まったく勝てそうにないんだけど……と初っ端から度肝を抜かれる展開が目を引きます。登場するのは女性ばかり。点数をひっくり返す熱いシナリオなど、スポ根の魅力を存分に味わえる本になっています。

舞い踊り雲を呼び、雨を降らせる「雨乞い」は神聖なスポーツとして認められていた。雨、濡れる肌、張り付くTシャツ、透ける下着……。青春を雨乞いにささげた高校生たちの、ちょっと変わった、いやかなり変なスポ根ラブコメ。

『浜村渚の計算ノート』や『ヘンたて』の著者がおくる、特徴的な文体のライトノベル。スポーツ「雨乞い」の独自設定とノリは一見の価値ありです。

廃部寸前のフェンシング部の顧問、蜂谷巴は、才能をみいだした有星結恵を部に勧誘する。過去のトラウマを克服するため、弱虫な自分を変えるため、一歩踏み出した少女の物語。

フェンシング経験者の作家さんがその知識を書きだしたラノベです。青春とスポーツが調和した快作。先端恐怖症ゆえの強さを見せるヒロインがユーモラスで、着眼点にすぐれているのが特徴になっています。

大きな球体のなかで相手のゴールめがけて小さなボールを打ち合うバーチャルスポーツ、スフィアボール。大好きな黒崎先輩に、この気持ち、想いをぶつけるために、犬塚星子は強くなる。

弱虫で、ときにネガティブになっちゃう少女が、スポーツを通して、諦めずあこがれへと近づいていきます。ストレートな物語がスポ根の魅力を引き出します。隠れた名作として推したいです。

逸材捕手、西宮光児が名門高校をやめて転入したのは、野球部員9人中4人が女子の弱小高校だった。サブマリン投法の文月真由美の才能に心惹かれた光児は、廃部をかけて練習試合に挑む。

読者を引き込む野球ネタでファンの心をつかんだ快作です。野球について細かく描写しながら、登場人物の各人の個性にも目を向け、チームプレイを達成していく筆力に心奪われます。ドラマチックな1冊。

時は50世紀。スポーツの英才教育を受け、たった一つの勝利をつかむため、すべてを犠牲にして散っていった少女たちの物語。

いまだファンが多い1997年放送のアニメの小説版。たんなるノベライズではなく、OVA、テレビ、小説がそれぞれ独自の設定・物語になっています。努力をテーマに、天才へ立ち向かう小説版はアニメ以上の熱さで支持されています。スポ根といえば絶対にはずせない1冊です。