プログレ特集 UK5大バンド~ジャーマンなど、ヨーロッパ各国の必聴名盤を厳選!

詳しくなるほど味わい深いジャンル、『プログレッシブ・ロック』の主要アーティスト・名盤を厳選してみました。

INDEX
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プログレッシブ・ロックとは?

「プログレ」の略称で親しまれる、ロックのカテゴリーの一つ。

『プログレッシブ=進歩的』を意味する言葉を冠する通り、それまでのロックの範疇を超えた

  • アルバム全体を通した作品の芸術性が重視されている
  • クラシックジャズからの要素や変拍子・転調などを積極的に活用した壮大で複雑な楽曲構成
  • 他ジャンルのロックと比べて曲が長尺である事が多い
  • 演奏者に高度なテクニックが要求されることが多い
  • シンセサイザーなど常に最新のテクノロジーや機材を導入

といった特徴を持つアーティストを指す場合が多い。

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代表的バンドを聴く

プログレの代表的UK5大バンドをご紹介。

King Crimson キング・クリムゾン

緻密かつ狂暴、存在そのものがプログレッシブ

演奏中椅子に座ったまま表情一つ変えない鬼才ギタリスト、ロバート・フリップ率いるプログレッシブ・ロックの代表的存在。

比較的メンバーの入れ替えが激しいこのジャンルの中でも、フリップの持つヴィジョン(虫の居所?)次第で作品・時期ごとに編成が異なるという事が他のバンドよりも顕著(その際、一般に第○期という区別がされる)。

変拍子すら必然であるかのようにサラリと聴かせる緻密で正確無比な構成力、神懸かったインプロヴィゼーション(即興演奏)の素晴らしさは世代を超えて評価が高い。

クリムゾン・キングの宮殿

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クリムゾン・キングの宮殿

衝撃のデビュー盤

「ビートルズの『アビイ・ロード』をチャート1位から蹴落としたアルバム」として衝撃を持って現れたデビュー作。その話題性以上に、ジャズやクラシックの要素をロックというフォーマットに落とし込んだ、まったく新しい音楽性に『プログレの扉を開いた作品』として後世に語り継がれる歴史的名盤。


太陽と戦慄

戦慄のインプロ

ジョン・ウェットン、ビル・ブルーフォードら個性の強い凄腕達と共に再結成されたスタジオ盤第5作目。即興性をフィーチャーしたその音は、荒々しく凶暴。しかし、その中に見える知性と静寂との黄金律もまた彼らにしか辿り着けない奥深さを感じる超傑作。


Pink Floyd ピンク・フロイド

圧倒的に深いテーマが込められた作品群

デビュー当初はカリスマ、シド・バレッドを中心にサイケ・ロックの有望バンドとして人気を博す。

しかし、彼の当然の失踪~脱退がバンドの大きな転機となる。

その後は作品ごとに確かなコンセプトを持ち、現代社会が抱える疎外・政治問題・人間心理を、文学的・哲学的な表現で抉り出す歌詞と、1音1音を丁寧に研ぎ澄まし、『間』をも奏でるような音楽性で世界的な地位を確立。

キング・クリムゾンと双璧をなすプログレッシブ・ロックの代表的存在に。

狂気

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狂気

静と動の叙情的なコントラスト=狂気

とにかく音。そして詩。ロックが芸術になっていく過程を体現するような、単に演奏技術では語り切れない、音楽の『表現』という魔力の側面が如実に現れた名盤。原題「The Dark Side of the Moon」=「狂気」という邦題も凄い。

輸入盤もあります


炎~あなたがここにいてほしい~

「沁みる」という彼らの魅力が発揮された傑作

彼らの音楽は「沁みる」という表現がされることも多い。彼らが持つメロディの良さ、雰囲気の良さが最も色濃く出ているであろう代表作としてこちらをピックアップ。全英・全米第1位という大ヒットを記録しており、プログレが苦手な人でも、何か入り込んでくる普遍性があるはず。

輸入盤もあります


Yes イエス

ハイトーンヴォイスと変幻自在の天上音楽

「ロック+クラシック」という場所からスタートし、多彩な演奏を可能にするメンバーの確かな演奏とアイデア、ヴォーカル&中心人物であるジョン・アンダーソンの世界観とハイトーン・ヴォイスによるアンサンブルは、美しいコーラス・ワークも加わり、とても色彩豊かに響く。

心の何かが浄化されるような、『陽』の印象を受ける奔放で繊細なサウンドのせいか、ネット上では「イエスのファンは善人が多い」という記述も。

ただ、このバンドもメンバーの入れ替わりが激しい。

危機(紙ジャケット仕様)

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危機

黄金期のメンバーによる美しいカタルシス

ジョン・アンダーソン、スティーブ・ハウ、クリス・スクワイア、リック・ウェイクマン、ビル・ブルーフォードという黄金期のメンバー5人のケミストリーがコンセプト・アルバムとして一つになった名盤。優美で多彩な彼らの魅力が長尺の楽曲中でこれでもかと奔放に展開する。

輸入盤もあります


こわれもの

黄金期の双璧

前述の『危機』と並び、黄金期の双璧として愛される傑作。この作品によって、彼らは世界にその存在を知らしめた。その他の「ロック+クラシック」といスタイルをとるバンドと比較しても、彼らはおもちゃ箱的な、陽が差し込む光景が似合う所が最大の魅力。

輸入盤もあります


Emerson, Lake & Palmer エマーソン、レイク&パーマー

屈指のスーパーグループ&キーボード・トリオ

通称ELPもしくはEL&P。

キース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマーという既に一定の知名度を得ていた3人が結成したスーパー・グループとして鮮烈にデビュー。

クラシック音楽への傾倒と探求、いち早くシンセサイザーを全面的に導入するなどのユニークな姿勢と、3人の技術とアイデアに裏付けられた派手な演奏はまさにスペクタクル。

その作品群は、とても3人組とは思えない程の異次元のクオリティを持ちつつ、どこか人間臭い部分も併せ持つのが魅力。

恐怖の頭脳改革+3(HQCD)

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恐怖の頭脳改革

もう「何無双」と言えば正しいのか分かりません。

バンドの最高傑作に推す声も多い傑作。とにかく3人の凄すぎる演奏の爆発に「鍵盤無双で、ベース無双で、ドラム無双なアルバムです」「聴けば分かる」としか言い様が無いかも。これだけ弾けたら、さぞかし楽しいでしょうよ。私の脳も改革されてれば幸いです。


タルカス

キーボード・トリオが示した可能性。

『恐怖の頭脳改革』『展覧会の絵』らと並ぶ代表作の一つ。シンセを駆使したエマーソンの多彩でテクニカルな鍵盤、レイクのメロディアスに唸るベースと美しい歌声、パーマーの手数の多いドラムと、3人の比類なき演奏が『たった3人のキーボード・トリオ』というロックでは弱点ともなりえる編成の可能性を大きく提示した。


Genesis ジェネシス

プログレッシブ~ポップへ。異なる音楽性で激動の時代を生き抜いた。

60年代末~80年代にかけて、長期間にわたって活躍したバンド。奇抜な衣装や演劇的なパフォーマンスの個性派ヴォーカリスト、ピーター・ゲイブリエルを擁した初期は独特な歌唱と複雑でシンフォニックなプログレ・スタイルで幾つかの傑作を生み出した。

70年代後半からのゲイブリエル脱退後はドラマーだったフィル・コリンズがヴォーカルへ転身し、徐々にポップでシンプルな方向へ音楽性をシフトし、大ヒットを飛ばすまでに変化。

そんなロックの激動の時代を生き抜いたバンドと同じ時代を生きた世代にとっては、非常に思い入れの深い存在でもある。

フォックストロット(SHM-CD)

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フォックストロット

黄金期の最高傑作

歴史が長い分、最高傑作を挙げるのが難しいバンドでもある彼ら。ゲイブリエルを擁した初期プログレ時代では『怪奇骨董音楽箱』『月影の騎士』『眩惑のブロードウェイ』と本作とで意見が分かれる。やや本作の支持が鼻差でリードしているかも。


インヴィジブル・タッチ

自身最大のヒット作

ソロでの活躍で「世界で一番忙しい男」と評されたフィル・コリンズが牽引したポップ路線の頂点を極めた作品。もはや同じバンドとは思えない程、プログレ時代の面影は薄くなっているが、純粋に80年代の空気感を切り取ったポップ・アルバムとしての『匠の妙』を存分に味わえる。


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プログレ名盤を聴く

一生に一度は聴いておくべき名盤を地域別にご紹介。

これプログレか微妙?なラインもプログレ好きならおすすめということで。

UK イギリス

原子心母

ピンク・フロイド

バンドの中心人物であったシド・バレットを失った後、そのカリスマの影を乗り越え、バンドが飛躍的に覚醒したプログレの定番的作品。

レッド

キング・クリムゾン

第3期クリムゾンのラスト作であり、これを最高傑作に推す声も少なくない。ヘヴィ・メタルの原型とも評される重い音像と、実験性、理論と感性、叙情性のバランスが最高レベルで調和する圧巻の一枚。

サード

ソフト・マシーン

カンタベリー・ミュージックを代表するバンドの初期の代表作。ロックとジャズが融合した20分を超える名曲「9フィート~」をはじめ、絶対的な美しさにあふれた一枚。

グレイとピンクの地

キャラヴァン

カンタベリー・ミュージックの重要バンドの中期の名作。ホーンとオルガンとヴァイオリンが見事に調和した、最高峰のジャズ・ロックを堪能できる。

ミラージュ

キャメル

屈指の名曲「レディ・ファンタジー」を含む彼らのひとつの到達点。アルバム名の如く、何処か熱く滲む様なハードさと叙情性を内包しており、『感傷派』と呼ばれるのも納得。

オクトパス

ジェントル・ジャイアント

根強い人気を持つ英国技巧派。複雑に絡み合うリズムと完成されたコーラス・ワークが魅力。

デイズ・オブ・フューチャー・パスト

ムーディ ブルース

60年代からプログレの草分け的アプローチを魅せたバンドの、交響楽団との共演による壮大な一大コンセプト・アルバム。ロックとクラシックの融合という点でも歴史的意義の高い作品。

オマドーン

マイク・オールドフィールド

独自の世界観を持つ鬼才。アイリッシュ・トラッドやアフリカン・パーカッションを鮮やかに取り入れ、繊細で感動的なシンフォニーを紡ぎだす傑作。アンビエント好きにもおすすめ。

エアリー・フェアリー・ナンセンス

エニド

プログレ好きに厚く支持されるシンフォニック・ロックバンドの初期の傑作。オーケストレイションによるクラシカルで優雅な幻想美が堪らない。

青い影

プロコル・ハルム

R&Bとクラシックの要素を含む音楽性がプログレの先駆としても語られる。名曲「青い影」はあのジョン・レノンをして「今の音楽業界で、この曲以外は聴く価値がない」とまで言わしめた。

燃ゆる灰

ルネッサンス

クラシックとフォークロックが融合したプログレサウンドに女性Vo.のクリスタルヴォイスが泣ける一枚。

U.K.

U.K.

ジョン・ウェットン、ビル・ブルーフォード、エディ・ジョブソン、アラン・ホールズワース、テリー・ボジオら凄腕達が参加したことで知られるスーパーグループの1st。2ndと共に傑作として語り継がれる。

ポーン・ハーツ

ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター

狂気・高揚・難解などの言葉がピッタリの圧倒的な熱量を帯びた演奏が終始迫る怪作。聴き返すごとに現れる的確かつインテリジェンスに満ちた構築美にさらに圧倒される。

ジェラルドの汚れなき世界

ジェスロ・タル

8歳の天才少年が書いた詩を元にして作られたという設定、1曲収録、新聞仕立てのジャケットという徹底したプログレらしい物語性をもったトータル・アルバム。

ハットフィールド・アンド・ザ・ノース

ハットフィールド・アンド・ザ・ノース

キャラヴァンやマッチング・モールなど、カンタベリー系のメンバーが結成したバンドの1st。けして激しくはないが、ジャズや変拍子の複雑さとウィットに富んだポップさが飽きさせない大人の一枚。

ヘンリー八世の六人の妻

リック・ウェイクマン

イエスの活動でよく知られる当時の鍵盤奏者のカリスマによるソロ名義作。彼のクラシックの素養とまるで要塞の様な電子鍵盤楽器群を駆使した流麗な演奏は一聴の価値有り。

太陽の王子

フループ

アイルランドのバンドによる、オリジナル童話を軸としたコンセプト・アルバム。メロトロンを含むシンフォニックなアンサンブルが牧歌的で、ほのぼのとしたファンタジー世界に心が弾む。

レッド・クィーン・トゥ・グリフォン・スリー

グリフォン

リコーダー、バスーンなど、古楽器とエレキ楽器を巧みに操り、中世音楽とロックが見事に融合した傑作。さらにアイリッシュ・トラッドの牧歌的なフォーキーさも併せ持つ所は彼らの唯一無二の魅力。

Germany ドイツ

フューチャー・デイズ

CAN

クラウト・ロックの最重要バンドの一つである彼らの最高傑作に挙げられる。現代においてもまったく古さを感じないエッセンスの数々は彼らが真にプログレッシブであった事を物語る。

地獄!

アモン・デュールII

夢の世界を現実に模写したような深いサウンドは独特で重く中毒的なサイケ感がある。後半のインプロヴィゼーションは今の時代だからこそ必聴すべき。

ホシアンナ・マントラ

ポポル・ヴー

ロックを大きく離れ、神秘的な女性ヴォーカル、クラシックの楽器、ミサ形式の宗教的な楽曲、垣間見られる牧歌的要素など、それらの調和は只々美しいの一言。

フェードラ

タンジェリン・ドリーム

電子音楽において避けては通れないグループの最高傑作と呼ばれる本作は、後に続くあらゆるテクノ・ミュージックの礎になったといっても過言ではないほどの衝撃。

輸入盤もあります

イルリヒト

クラウス・シュルツ

重く、暗く、危険な香りが漂う電子音楽なら彼。内面へ向かうのか、外へと向かうのか、どちらにしても辿り着くのは宇宙なのかもと考えさせられる。

アドニス

エニワンズ・ドーター

ドイツが誇るシンフォニック・ロックの傑作の一つ。ハードで泣きのメロディの躍動・タイトなリズムなど、幅広い層に受け入れられる要素が多分にある。

E2-E4

マニュエル・ゲッチング

電子音楽が好きな人、苦手という人、この時代を通過していない世代が聴いても、ミニマル・ミュージックに通じる反復の恍惚感が今尚まったく古くなっていない事に衝撃が走る。

インヴェンションズ・フォー・エレクトリック・ギター

アシュ・ラ・テンペル

ディレイ等エフェクト効果を駆使したギター&シンセが縦横無尽に駆け巡るアンビエント/トランス感は、後のシーンへの多大な影響を感じさせる。

銀河飛行

ノヴァリス

ドイツでは数少ないシンフォニック・ロックのバンドで日本でも人気が高い。メロディの良さと哀愁に加え、ドイツらしいスペーシーなシンセなど独自の魅力も内包する。

冥府宮からの脱出

グローブシュニット

ドラマーが中心人物のバンドであることも影響してか、非常に緩急と躍動感のある変幻自在のリズム・ダイナミクスが魅力の一枚。

スパルタカス

トリアンヴィラート

『ドイツのELP』と呼ばれるキーボード・トリオ。聴きやすさでは彼らの方が上かも。静と動・メロディアス・多彩とキーボードのおいしい部分が満載。

リサイクルド

ネクター

イギリス出身~ドイツで活動~アメリカへという異色の経歴を歩んだバンドらしい憂いと豪快さを併せ持つ、ハード・ロックでシンフォニックな傑作。

アウトバーン

クラフトワーク

ドイツを代表するグループの歴史に残るテクノ名盤。その姿勢・音楽性含め、彼らもまた真にプログレッシブな存在であり、前衛且つ大衆性があるという凄さに敬服する。

輸入盤もあります

ノイ!

ノイ!

クラウト・ロックの入り口として幅広く聴き継がれている名盤。反復の高揚感・エフェクト処理など、音楽好きなら避けて通れない様々なジャンルに通ずる要素を含む。

ファースト・アルバム

ファウスト

カットアップ、コラージュなどを駆使した真にプログレッシブな傑作。『アヴァンギャルド』と形容される音楽性は、現代のポストロックにも通じるものがあり、そちらの方も必聴。

France フランス

サード

アトール

フレンチ・プログレの代表格の代表作。ギター、キーボード、コーラスの各メロディが美しく交差するダイナミック且つバランスよく躍動するバンド・アレンジが絶妙。

ウィンドウズ

タイ・フォン

歌心溢れる美しい泣きのメロディ・ラインと勢いのあるプログレ・ハード的構成で、幅広いファン層にアピールするポテンシャルがある傑作。ハイトーンなボーカルも印象的。

コーンタルコスツ

マグマ

フランスの鬼才テクニカル変態バンドといえば彼ら。架空の言語の使用や独特のコーラス、重い音像・圧倒的なスケールと緊張感を持った「暴力的」な演奏に信者多数。

ユー

ゴング

英語圏では「スペース・ロック」と形容されることも多いバンド。美しさ+楽しさ+混沌=宇宙と形容したくなる、サイケ、ジャズ、プログレなど、様々な音楽要素を昇華された音の洪水が魅力的な傑作。

クリアライト・シンフォニー

クリアライト

フレンチ・シンフォニック・サイケデリアの名盤。ドラムレスでミニマル色が香るサウンドが独特の浮遊感を生む1曲目と、リズム重視のサイケなジャズ・ロックを展開する20分の組曲が2曲という大作。

新ノア記

アンジュ

農夫ゴドヴァンの時空を超えた旅の物語を、シンフォニックでミステリアスなサウンドと演劇的なヴォーカルがメランコリックに描くコンセプト・アルバム。『シアトリカル』という言葉がぴたりとはまる。

ビトウィーン・フレッシュ・アン

アジア・ミノール

キャメルとも比較される叙情派フレンチ・シンフォニックの名盤。メンバーはトルコ出身とあって、フランス的流麗さに、メロディなど中東的エッセンスがほのかに香る甘美な一枚。

ハロウィーン

ピュルサー

少女の無垢で悲しげな歌から幕を開け、ダイナミズムを活かした構成で幻想的な世界に誘われるフレンチ・プログレの傑作。エモーショナルとは異次元のどこか内省的な浮遊感が独特の深みを放つ。

ルートヴィヒⅡ世

ワパスー

「狂王」の異名で知られ、芸術や美のみを追求し破滅した人物をテーマにしたコンセプト・アルバム。テーマにふさわしくチェンバロなどクラシカルで優雅な響きが、幻想的なロマンを演出する。

サンドローズ

サンドローズ

ダークでソウルフルな女性ヴォーカルとギター、メロトロンが絶妙に絡み合い、陶酔させてくれる一枚。枯れているが憂いのある雰囲気がバンド名とピタリとはまる。

ファズ・カトル(第四局面)

アール・ゾイ(アートゾイド)

アヴァンギャルド/チェンバー・ロックの代表的バンドである彼ら。偶発性を織り交ぜたダークで迷宮的な音世界は聴くものを選ぶが、はまれば中毒性が高い。

一般機械学概論

ZNR

カルト的人気を誇るチェンバー・ロックの名グループの、フランスらしいエレガントなアヴァンギャルドさに溢れた傑作。人によっては思わず手に取ってしまうような、反則的な謎の邦題も魅力的。

Italy イタリア

ダーウィン

バンコ

イタリアを代表するプログレバンドの最高傑作に数えられる一枚。スリリング且つ華麗で粋な演奏に、哀愁を帯びた歌唱と、イタリア及び彼らの魅力が凝縮された傑作。

幻の映像

PFM

実験性・アンサンブル・メロディが同居した屈指のバンドの傑作。極上の叙情性とジャジィなミュージシャンシップを、ラテンのおおらかさでミックスしたサウンドが魅力。

ローラー

ゴブリン

スタジオ・ミュージシャンの集合体が魅せる、完璧なテクニックの『イタリアン・レア・グルーヴ』。

自由への叫び

アレア

即興演奏のような先の読めない曲構成、確かな演奏能力に裏打ちされた遊び心が魅力的なイタリアン・フリー・ジャズ・ロックの傑作。

地中海への道程

ファブリツィオ・デ・アンドレ

元PFMのマウロ・パガーニとのコラボレート作。プログレの枠にとどまらない、トラッドやフォークすら飲み込む懐の深い一枚。

UT

ニュートロルス

シンフォニック+ハードロックが絶妙な均衡で鳴らされる、バンドの史上最高傑作とも称される作品。

パレポリ

オザンナ

ユーロ・プログレの最高傑作の1枚にも数えられる名盤。軋み荒れるギター、サックス、フルート、ドラムと甘美なメロトロンの対比で退廃と激昂を描く。

ティルト

アルティ・エ・メスティエリ

構築美と演奏能力が高密度に結集した中にも、時折見せる大らかさに心惹かれる、ジャズ・ロック名盤。

イントロスペツィオーネ(内省)

オパス・アヴァントラ

邦題から感じ取るイメージの如く、ソプラノ歌手・ピアニスト・哲学者を要するバンドが放つ耽美と狂気が交錯する、繊細かつどこか高貴な音世界。

ミラノの映像

イ・プー

イタリアの国民的人気グループ。大編成のオーケストラをバックに、彼らの持つポップなサウンドがより強調された甘くドリーミィで美しい大作。

Other EU・アメリカ・日本

ムーヴィング・ウェイヴス

フォーカス

リュートやオルガン、更にヨーデルを駆使した歌唱や、アヴァンギャルドなギターが絶妙に交差した音楽性に、ヨーロッパのバンドの実力を見せつけられる。オランダ出身。

666

アフロディーテズ・チャイルド

ヨハネの黙示録をテーマにしたバンドの代表作として挙げられる2枚組大作コンセプトアルバム。映画『ブレードランナー』の音楽などで知られるヴァンゲリスが率いたことで有名。ギリシャ出身。

無頼の掟(ならず者のように)

アクサク・マブール

世界中の民族音楽を我流に解釈し、屈折したリズムと予測不可能な展開で圧倒する、マルク・ホランダー率いるベルギーの最重要バンドの傑作。

祝祭の時

ユニヴェル・ゼロ

ベルギーが誇るチェンバー・ロックの重要バンド。不気味な変拍子・木管楽器が荘厳に響く、ドラマティックで神秘的な心象風景をえぐり出す暗黒の音楽。

初老の新来者の為に

ツァムラ・マンマス・マンナ

スウェーデンのアヴァンギャルド・ミュージックの重鎮。テンションの高く振り切れた部分と、どことなくユーモアを感じさせる音楽性が中毒性高し。

パーマネント・ウェイヴス

ラッシュ

『プログレ・ハード』と呼ばれるジャンルを確立した、カナダが誇る名バンド。「ザ・スピリット・オブ・レイディオ」などシングル・ヒットも収録したプログレの大作主義にとらわれない作品。

禁じられた掟

パブロフス・ドッグ

独特の唱法とドラマティックな曲構成、かげりのあるイメージの叙情的なナンバーで多くのファンの心を掴んだ。アメリカ出身。

永遠の序曲

カンサス

アメリカン・プログレッシブ・ハードの代表格の出世作であり、ヒット曲も絡めた絶妙なバランス感覚と、イギリス系とは違うドラマティックさで一つの頂点を迎えた傑作。

キャプテン・ビヨンド

キャプテン・ビヨンド

元ディープ・パープルのロッド・エヴァンス、凄腕ドラマーのボビー・コールドウェルらを擁する米国L.A.結成のスーパー・グループ。70年代初頭のハード・ロックやファンクを内包する豪快なサウンド。

内に秘めた炎

マハヴィシュヌ・オーケストラ

ジョン・マクラフリンを筆頭に、ジャズ/フュージョン畑の凄腕達による、「恐怖」すら感じさせる超絶的技巧・即興的な緊張感と巧みなアンサンブルの応酬で、プログレファンからも熱い支持を得る一枚。

イメージズ・アンド・ワーズ

ドリーム・シアター

世界最高峰のプログレッシブ・メタル・バンドの2nd。プログレッシブ・ロックが持つ壮大さ・複雑さと、へヴィ・メタルが持つ重さ・激しさを、曲芸的演奏で見事に融合させた傑作。

ディラウズド・イン・ザ・コーマトリアム

ザ・マーズ・ヴォルタ

21世紀屈指のプログレッシブ・ロック・バンドの1st。オルタナやパンクを飲み込んだ、狂気を感じさせる演奏とクレバーなアイデアの応酬は『危険』な魅力を放つ。

一触即発

四人囃子

一部の間では、日本ロック史上最強とも言われる伝説のバンドの1st。日本人なら聴かずして死んではいけません。

パララックス

美狂乱

「和製キング・クリムゾン」と評された日本のプログレッシブ・ロック・バンドの2nd。クリムゾンらしさはもちろん、散りばめられた和音階の旋律など独自の日本的な陰鬱さは高い評価を得ている。

夢の丘

KENSO

日本屈指のプログレッシブ・バンドにして現役歯科医がリーダーを務める異色のバンド。本作の国産ならではのオリエンタルな叙情性と軽快さは、ファンからも最高傑作との呼び声が高い。

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これもいかが?

プログレ好きならピンとくる作曲家をピックアップ


アーティストアーティスト紹介
バルトークロバート・フリップらプログレ系アーティスト達に影響を与えたとされる作曲家。
ストラヴィンスキー『春の祭典』『火の鳥』など、20世紀屈指の作曲家と知られる。
シェーンベルク調の束縛を離れようとする「十二音技法」の創始者として知られる。
マーラー20世紀後半に一大ブームとなった交響曲の大家。陰鬱さなど好みが分かれる。
リゲティ映画『2001年宇宙の旅』や『シャイニング』などに音楽が使用された。
植松伸夫『FFシリーズ』で知られるゲーム作曲家。「プログレ博士」と自称する。
平沢進古くは「日本のプログレの秘宝」と呼ばれたマンドレイクというバンドを率いていた。その後の彼の音楽性は、ジャーマンプログレからの影響も強く感じさせる。