近年話題のミステリ作家&玄人向けのベテラン作家をクローズアップ!
実力者揃いのこのラインナップからきっとあなただけの「今年の一番」が見つかる!

遅咲きながら処女作から大注目の女流作家

沼田
まほかる

【PROFILE】
50代での遅咲きデビューながら、著者初の小説「九月が永遠に続けば」で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞し、いきなり注目作家となる。
ホラーテイストのあるサスペンス・ミステリーを得意としているが、「猫鳴り」のように人生という深いテーマ性を持つ文学的作品もある。まだ作品数は少ないが、今後、得意のサスペンス作品とともに新境地にも注目の作家。

イチオシ!

作者得意のホラーサスペンスの傑作

アミダサマ

新潮文庫

廃車置場にあった冷蔵庫に入っていたのは謎の幼女ミハル。この少女が寺にきてから集落に起こる奇妙な出来事―。いったいこの連鎖は何なのか?著者ならではの文章の巧みさで読みやすい物語になっているホラー・サスペンス作品。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
2005年九月が永遠に続けば新潮文庫
2006年彼女がその名を知らない鳥たち幻冬舎文庫
2007年猫鳴り双葉文庫
2010年痺れる光文社文庫
2011年ユリゴコロ双葉社

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人間の内面をえぐるような描写に定評あり

真梨
幸子

【PROFILE】
デビュー作となる「孤虫症」で第32回メフィスト賞を受賞した期待の作家。2011年には「殺人鬼フジコの衝動」で一躍注目を浴びる。女性を中心に「人間の狂気」など内面を描くようなミステリー作品が多いため、物語全体が重いと感じる人も多いかもしれない。じっくりと物語の世界にハマりたい人におすすめの作家だ。

イチオシ!

「あとがきまでが物語」の帯も話題に。

殺人鬼フジコの衝動

徳間文庫

一家惨殺事件でたった一人生き残ったフジコ。当時10歳。彼女は欲望のままにその後も十数人の人を殺し、「伝説の殺人鬼」となった。果たしてフジコを殺人衝動に駆り立てるものは何なのか?「あとがきまでが物語」ということで話題になった作品。最後の一文まで目が離せない。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
2005年孤虫症講談社文庫
2006年女ともだち講談社文庫
2007年深く深く、砂に埋めて講談社文庫
2008年クロク、ヌレ!講談社文庫
2009年ふたり狂いハヤカワ文庫JA

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重厚なテーマ性を持つミステリーが魅力

薬丸

【PROFILE】
劇団俳優、脚本家などの経歴を持つ作家。高野和明氏の「13階段」に衝撃を受けて執筆した「天使のナイフ」は少年法をテーマにした作品で、第51回江戸川乱歩賞を受賞。注目の作家デビューとなった。以降、性犯罪や心神喪失者の犯罪、死刑などテーマ性のある作品を執筆し続けている。ミステリーとしての読み応えもあるので、未読の方はぜひ読んでみていただきたい。

イチオシ!

少年たちを殺人に追い込んだものとは?

天使のナイフ

講談社文庫

3人の少年に妻を殺され苦悩する主人公。そして、後に加害少年の一人が何者かに殺された。主人公は疑惑の人となり、少年たちを犯罪に追い込んだ因を探る。そこで知ることになる真実とは。
「少年法」というテーマを下地に、ミステリー性を盛り込んだ傑作。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
2006年闇の底講談社文庫
2008年虚夢講談社文庫
2011年刑事のまなざし講談社文庫
2011年ハードラック徳間書店
2012年死命文藝春秋

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音楽好きな方は必ずチェックしておきたい「音楽ミステリー」で知られる

中山
七里

【PROFILE】
2009年『さよならドビュッシー』で第8回このミステリーがすごい!大賞を受賞し、注目のデビューを飾る。作風は『さよならドビュッシー』に代表される明るい音楽ミステリーのほか、シリアスな作風の作品もあるなど幅広い。ちなみに「連続殺人鬼カエル男」は、「さよならドビュッシー」とともにこのミス大賞にダブルノミネートしたことでも知られている。

イチオシ!

ピアニスト「岬洋介」が探偵役!

さよならドビュッシー

宝島社文庫

火事で大火傷を負いながらもピアニストの夢に向かって励む主人公・遥。しかし、周辺では祖父の遺産を巡って不可解な事件が発生する…。ピアニストの岬洋介を探偵役とする、大注目の「このミス大賞」受賞作!

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身近な舞台をストレートに描く作家歴の長いベテラン作家

矢口
敦子

【PROFILE】
2008年、「償い」が大ヒットしたことで知られる矢口氏は、ミステリーではない作品もある作家で、デビューは1991年と作家歴は長いベテラン作家だ。ミステリー作品も含め、作風としては家族や身内、友人など身近な部分が舞台になることが多く、人間関係がキーになっている。ミステリー以外の作品にも注目作があるので、ストーリー運びが好みであればぜひ他の作品も読んでみてほしい。

イチオシ!

心を揺さぶる感動の結末が待つ傑作!

償い

幻冬舎文庫

医師であった日高は妻子の相次ぐ死に絶望し、ホームレスに。彷徨っていた街で、社会的弱者を狙った連続殺人事件が起こり、彼はかつて命を救った少年が犯人ではないかと疑いを持ち、真相を探り始める…魂に救いはあるのか?

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
1994年家族の行方創元推理文庫
1998年人形になる徳間文庫
1999年そこにいる人幻冬舎文庫
2005年愛が理由幻冬舎文庫
2009年傷痕講談社文庫

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重いストーリーの作品も多いが、物語に浸りたい読書家にオススメ。

深町
秋生

【PROFILE】
2004年に「果てしなき渇き」で「このミステリーがすごい!大賞」を受賞した期待の若手作家。「果てしなき渇き」にも代表されるような重めのストーリーや、過激でグロテスクささえある暴力描写などが作品に現れている。読後感も重い印象の作品が多いため、深く作品世界にのめり込んで小説を読む、というタイプの人にオススメの作家だ。

イチオシ!

スラム化した仮想日本での事件を描く

デッドクルージング

宝島社文庫

時は2015年、脱北者受け入れを開始した日本はスラム化。企業は民兵集団を雇う状態になっていた。民兵・晃のクラブ襲撃事件で命を落とした売春婦のヒギョン。ヒギョンの姉・ファランはある決意をするが…。

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ライトノベルレーベルの新人賞出身。警察ものミステリー作者

結城
充考

【PROFILE】
ライトノベルレーベル主催の「電撃小説大賞」を受賞し、デビュー作の「奇蹟の表現」は電撃文庫での刊行となった。この「奇蹟の表現」はSF趣向による作品であったが、「プラ・バロック」以降は、現代を舞台とする警察ものなどを上梓している。なお、「ブラバロック」では第12回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞している。

イチオシ!

14体の凍死体の発見から始まる事件の謎を追え

プラ・バロック

光文社文庫

埋め立て地に置かれた冷凍庫から14体の凍死体が見つかった。集団自殺と思われた事件だったが、これは「始まり」に過ぎなかった…。女刑事クロハが事件の謎を追う!第12回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
2005年奇蹟の表現 1~3巻電撃文庫
2010年エコイック・メモリ光文社文庫
2011年衛星を使い、私に光文社

「絶対見破れないトリック」が話題になった「プリズン・トリック」がオススメ

遠藤
武文

【PROFILE】
学生時代から様々な推理小説を読み漁り、自身も作家を志してきたという作家で、「三十九条の過失」で江戸川乱歩賞を受賞。本作を改題したものが「あなたには絶対見破れないトリック」として話題となった「プリズン・トリック」である。トリックやストーリーに「意外性」や「想定外」を描く作風を主としているので、ややミステリーを読み慣れている人にオススメの作家だ。

イチオシ!

このトリックを見破れるか!?

プリズン・トリック

講談社文庫

交通刑務所内の密室で「前へ倣え」の姿勢で発見された奇妙な遺体。遺体は受刑者のもので、同所内に逃走者が発生。捜査を進める県警がたどりつく意外な事実とは。「あなたはトリックを見破れない」として話題になった傑作。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!

若者向けの作風にファンも多いオススメ「エンタテインメント」ミステリー。

加藤
実秋

【PROFILE】
デビュー作の「インディゴの夜」は第10回創元推理短編賞を受賞しており、その後もシリーズとして続編が出ている、作者の代表作だ。本シリーズに代表されるように、笑い要素も含むテンションの高いミステリーを得意とする。作品数が多いわけではないが、映像化されている作品もあり、エンタテインメント作として楽しみたい方にオススメしたい。

イチオシ!

ホストクラブが舞台の若者にオススメミステリー

インディゴの夜

創元推理文庫

渋谷のホストクラブを舞台に巻き起こる事件の数々を、ホストクラブの面々が追うストーリーを4編収録した連作短編集。「池袋ウエストゲートパーク」が好きな方におすすめな人物設定、軽快なストーリーが魅力の作品だ。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!

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伝奇ミステリーに定評あり。民俗学や超能力などに興味がある方へ。

化野

【PROFILE】
妖怪研究家でもある化野氏の作風は、自身の職を活かした「伝奇ミステリー」である。「蠱猫」に始まる「人工憑霊蠱猫シリーズ」は、「鬼神」が数多く登場する本格的な伝奇ミステリーで、民俗学などに興味のある人にオススメのシリーズ。超能力など超常現象的な要素がふんだんに登場する作家で、読みやすさも特徴の一つ。アクション系コミックの好きな方にもオススメしたい。

イチオシ!

妖怪、特殊能力を扱う伝奇ミステリーシリーズ第1作

蠱猫 人工憑霊蠱猫(1)

講談社文庫

妖怪を具現化する力を持つ『本草霊恠図譜』が発見されたことにより、学園都市に化け物がはびこる!謎を秘めたまま大きく展開していく物語にハマっていくはず。端的で読みやすい文章構成も魅力的な作品。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!

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ライトミステリーから王道ミステリーまで、気軽に楽しめる作品が魅力

倉知

【PROFILE】
デビューは作者の代表的シリーズとなる「猫丸先輩シリーズ」の1作目にあたる「日曜の夜は出たくない」。同シリーズは、日常的な舞台で起こる事件を扱うライトミステリーだが、様々なシチュエーションが楽しめる人気シリーズだ。この他、「星降り山荘の殺人」のように、本格的に犯人当てを楽しめる王道ミステリー作品もある。

イチオシ!

王道設定ながら、犯人当てが楽しい作品

星降り山荘の殺人

講談社文庫

雪に閉ざされた山荘、そこで一人が死亡、残りの中の誰かが犯人…という王道作品。しかし、読者に犯人当てを純粋に楽しめるようにと配慮された展開がいい。文中に隠されたヒントを手がかりに犯人を探しだせ!

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
1994年日曜の夜は出たくない 猫丸先輩シリーズ創元推理文庫
2001年壺中の天国角川文庫
1999年幻獣遁走曲
猫丸先輩のアルバイト探偵ノート
創元推理文庫
1996年占い師はお昼寝中創元推理文庫
1995年過ぎ行く風はみどり色創元推理文庫

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「脳男」で話題に。斬新なストーリー運びで読者を惹きつける異色ミステリー作家

首藤
瓜於

【PROFILE】
代表作であり、デビュー作の「脳男」は第46回江戸川乱歩賞受賞作で、2013年に映画化されている。警察ものが多いが、その設定は「脳男」にみられるように独特で、推理小説としてシリアスな作風である。設定やストーリー運びの斬新さが読者の賛否を呼んでおり、王道ミステリーに飽きてきた時に首藤氏の作品を手にとってみるといいかもしれない。

イチオシ!

2013年映画公開。「感情のない男」を主人公とする物語

脳男

講談社文庫

連続爆弾犯のアジトで見つかったのは一人の男―。天才的な頭脳を持つが、感情がいっさいない彼は、逮捕後爆弾の所在を警察官に告げる。果たして彼は何者なのか?第46回江戸川乱歩賞を選考委員絶賛のうちに受賞した傑作。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
2002年事故係 生稲昇太の多感講談社文庫
2006年刑事の墓場講談社文庫
2007年指し手の顔 脳男2講談社文庫
2010年刑事のはらわた講談社文庫
2012年大幽霊烏賊 名探偵面鏡真澄講談社

ミステリー初心者にもオススメできる作風が魅力

日明

【PROFILE】
第25回メフィスト賞受賞作の「それでも、警官は微笑う」に始まる「武本・潮崎シリーズ」と消防士を主人公とした異色小説「Fire's Outシリーズ」などで知られる日明氏は、シリアスな設定のストーリーの中で、コミカルな人物たちが躍動する作風でファンを集めている。読みやすいので、ミステリーにはじめて触れる人にもオススメしたい作家だ。

イチオシ!

強烈な個性の登場人物が魅力の異色警察小説

それでも、警官は微笑う

双葉文庫

登場人物の個性の立ちっぷりが高い人気を誇る「新しい警察小説」。警察と麻薬取締官の官僚的なつながりも描かれつつも、軽快で読みやすい文章が魅力。ミステリー初心者という方にもぜひ読んでみてほしい作品である。第25回メフィスト賞受賞作。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
2003年鎮火報 Fire's Out双葉文庫
2004年そして、警官は奔る双葉文庫
2005年埋み火 Fire's Out双葉文庫
2008年ギフト双葉文庫
2009年ロード&ゴー双葉文庫

医療・科学要素のあるサスペンス・ミステリー作家

北川
歩実

【PROFILE】
北川氏は詳細なプロフィールは公表されていない作家であるが、デビューは1995年の「僕を殺した女」で作家歴は長い。医療・科学などの裏付けがあるサスペンス調の作品が多く、予想がつかない展開や登場人物の心理描写の巧さでもファンの支持を受けている。骨太なミステリーをじっくり時間をかけて読みたい方にオススメ。

イチオシ!

「自分は、自分ではない」?予想を裏切る結末が待つ!

模造人格

幻冬舎文庫

突然行方不明になった母。途方に暮れる「私」の前に現れた3人の男は一様にこう言う。「おまえは偽物だ、四年前の猟奇事件で殺された」。いったい自分は何者なのか?その裏には予想を裏切る事実が…!

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
1995年僕を殺した女新潮文庫
1996年硝子のドレス集英社文庫
1997年猿の証言文春文庫
1999年透明な一日創元推理文庫
2007年天使の歌声創元推理文庫

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元はジュニア小説作家ながら、秀逸なサスペンス作の多い作家

渡辺
容子

【PROFILE】
ジュニア小説作家だと履歴を持つが、1996年に「左手に告げるなかれ」で江戸川乱歩賞を受賞してからはミステリー作家として活躍している。サスペンスミステリー系の作品が多く、物語を読みながら犯人を推理するというより、サスペンスドラマを楽しみたい人にオススメの作家。また、長編が多いので、一つのストーリーを長く楽しみたい人もぜひ一度手にとってみてほしい。

イチオシ!

乱歩賞受賞の作者の代表作。

左手に告げるなかれ

講談社文庫

不倫と万引きをテーマとした推理ミステリー。身近な舞台ながら、様々な要素が絡み合っており、ミステリーファンからは賛否両論の作品。第42回江戸川乱歩賞受賞作。

この作者が気に入ったらコレもオススメ!
1998年無制限講談社文庫
1999年流さるる石のごとく講談社文庫
2006年魔性双葉文庫
2008年イン・パラダイス双葉社

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