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維新史再考 公議・王政から集権・脱身分化へ NHKブックス1248

三谷博(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2017/12/01
JAN 9784140912485

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維新史再考

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商品レビュー

3.7

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2021/12/20

今年は維新ものを多く読んだので、その総まとめとして手に取った一冊。 著者の意図である維新に対する通説とは異なる見方はしっかりと提示できており、その裏付けも膨大な資料から極めて丁寧に行われている。歴史を学問することを見事に体現されている一冊である。 各章の冒頭で示される図表が秀逸...

今年は維新ものを多く読んだので、その総まとめとして手に取った一冊。 著者の意図である維新に対する通説とは異なる見方はしっかりと提示できており、その裏付けも膨大な資料から極めて丁寧に行われている。歴史を学問することを見事に体現されている一冊である。 各章の冒頭で示される図表が秀逸で、特に幕末期の論点の変遷や勢力図の移り変わり(258ページ)について、分かりやすくまとめられており、これまでの理解を一層深めるきっかけとなった。 個別にも多くの示唆を得たものの、やはり、公議概念に関する各々の記述が、突出して整理されている。「広く会議を興し、万機公論に決すべし」という文書が示されるまでの様々な知的葛藤、過程が明確に把握できる。 この点に限らず、政治的アイディアがどう発生し、どう敷衍され、どう根付いていくのか、このような見方も出来る一冊であろう。

Posted by ブクログ

2019/01/01

明治維新を、志士たちの活躍という側面もさることながらとくに「維新前の国際関係」に紐づけて論じる。 最近では、「鎖国は従来思われていたほど閉鎖的ではなく、実は幕府は国際情勢を深く理解していた」という学説が主流だが、著者はさらに一歩進んで「やはり閉鎖的で情報不足だった」という立場。...

明治維新を、志士たちの活躍という側面もさることながらとくに「維新前の国際関係」に紐づけて論じる。 最近では、「鎖国は従来思われていたほど閉鎖的ではなく、実は幕府は国際情勢を深く理解していた」という学説が主流だが、著者はさらに一歩進んで「やはり閉鎖的で情報不足だった」という立場。それは、要すれば「列強の脅威はありつつも、こちらから仕掛けなければ大丈夫」という(どこかで聞いたような)安全保障観だった。それを決定づけたのがロシア艦船との緊張が走ったゴロヴーニン事件。これを平和裏に解決したことで、公儀(当時「幕府」という言葉はない)は「外国政府は日本に野心なし」と判断。「外国船打払い令」は一見好戦的だが、政府間で公式に接触しなければもめごとは生じない、という「平和主義」に基づく対応だった、という解釈は面白い。 清王朝が強大すぎて貿易への熱意が薄く、結果として東アジアでは国際関係の希薄な時期が続いた(アヘン戦争で決定的に塗り替わるまで)。そうした中、西欧列強のプレッシャーに日本は単独で立ち向かうことになった。鎖国で時間を稼ぎつつもいずれ国家的危機が迫ることは公儀のみならず市井の人々もうっすらとは理解していた。 「・・・この『予知された、長期的な危機』という問題は、資源・環境の制約にせよ、大規模な地震・津波にせよ、今日の我々に無縁な問題ではない。辛うじてではあったが、十九世紀の日本人は解決に成功した。その模索の様子を辿ることは人類の未来にとって良いヒントを与えてくれるに違いない」(P88)。 異なるパラダイムを実感できる中世史に一時ハマっていたが、ほとんどそのまま現代に応用できる近世史も違った意味で興味深い。

Posted by ブクログ

2018/07/10

 近年の明治維新期をテーマとする通史的著作全般への不満として、国際的環境の変動と日本列島内部の政治変動の関係を有機的に捉えることができていない(あるいはそもそもそうした問題を放棄している)点が挙げられるが、本書もまたグローバルな人類史にまで広げた大風呂敷と、伝統的な「尊王攘夷」「...

 近年の明治維新期をテーマとする通史的著作全般への不満として、国際的環境の変動と日本列島内部の政治変動の関係を有機的に捉えることができていない(あるいはそもそもそうした問題を放棄している)点が挙げられるが、本書もまたグローバルな人類史にまで広げた大風呂敷と、伝統的な「尊王攘夷」「公武合体」といった枠組を用いた幕末政局史の見取図がうまくリンクできておらず、結局何が言いたいのか浅学の身にはよくわからなかった。幕末期に危機の中で発見された「公議」と「王政」の確立という課題の解決過程として明治維新を位置付けているが、両者の関係もあいまいで不可解(「公議」と「王政」の相剋・対立面を軽視しているように感じた)。「攘夷」の動向が文久期にフェードアウトしてるが、実際は維新後の「条約改正」(ある意味「公議」や「王政」よりも政権の正当性を担保する問題)と同一線上につながるはずで、その点が全く検討されていないのも疑問だった(安政期に「積極的開国論」と「攘夷論」の互換性に言及しながらその後の展開を不問に付している)。  ほかにも個別の問題でおかしなところが少なからずあるが、特に2点指摘しておく。1つは明治維新の「政治的死者」の「少なさ」をフランス革命や南北戦争との比較から強調している点。これは「明治維新は無血革命だった」という俗論とつながる問題だが、歴史的条件の相違を無視して数量比較すること自体の非科学性を措いても、200年以上戦乱のなかった(戦死者がほとんど出なかった)ところに、相次ぐ内戦で数千・数万単位で流血の犠牲が生まれたことの衝撃は相当大きかったはずで、「量的」ならぬ「質的」には諸外国の革命や動乱に比べて軽いとは言えない(政治指導者へのテロの件数も多い)。もう1つは1873年の留守政府の参議人事変更を土佐・肥前閥の「クーデター」と指している点。意思決定の所在や行政機構の勢力構図の詳細な分析を欠いて、参議の出身藩の比率の変化をもって権力の移動を決めつけるのは性急すぎる。むしろ「クーデター」というならば、その後の征韓論政変で非征韓派(というより岩倉と大久保)が閣議決定を天皇親裁をもって覆した事態こそ、国家意思決定の手続きを変えた上に、政権の主導権を奪ったという意味で相応しいであろう。

Posted by ブクログ

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