就職浪人で、姉の友達のガーデンプランナーを手伝っている主人公山口は、ニュースキャスターをやっている姉から「あなたの元カノが死んだ」と知らされる。しかも部屋に放火されての他殺の疑いが強いという。姉に依頼され、犯人を探しにさまよいはじめるが、元カノの千秋の実家が米沢ではなく行徳であるとか、様々な情報の齟齬に気がついていく。 樋口有介のストックが少なくなっていたので、とりあえず寝かしていたがとりあえず消化。しかし、どうもこれは初期作だな。ここ数年何本か呼んだものでは特に気にならなかったが、最初に読んでげっそりした『ピース』に似た落ち着かなさを感じる文章である。 主人公はクールで何事にも適当。「～なのさ」と放り投げるような口調で喋り、深くを探求しないため、なかなか話が進まない。進むかと思えば他の人が倒れたり行方不明になったりするため、進みかけては一歩下がるという展開である。 全体に掴みどころが無い話が進むが、その中で手の中に少しずつ残った砂の様な部分をつなぎ合わせて最後、エピローグに突入するタイプの話だ。 読んでいて特に気になったのが、主人公の投げやりな口調と、現在形で「する」という感じの文体である。『ピース』のときに感じた違和感そのままである。時々過去形が入ってきたりするのでたちが悪い。 読みにくいなあと読んでも、かと言ってとても印象的でもなく、サラリとおわるミステリだ。

著者の作品がかつてすごくすきだったのになーなんであんなに好きだったんだろう。 ハードボイルド 調の主人公の会話が不自然すぎてしんどい。現実世界であんな話し方をする人はいないということではなくて、小説の世界の中で主人公に馴染んでいない、村上春樹の書くセリフを現実世界でしゃべる奴はいないけど彼の小説の世界や登場人物の生き方にはとてもマッチしている。 悪女な姉の書き方も下手くそで色気も大人の強かさも小憎らしさもなくただただうざいだけ。読んでいて辛い。あれじゃ野心家の女じゃなくて野心家気取りのバカな小娘だよ。 謎解きもすごく単純で、魅力的な複線やどんでん返しもない。真犯人がわかっても、あっそーなんや、で終わる。 とにかくヘタクソな作品だが、どういうわけか100%嫌いになれないのがまた辛い。作品世界のどこかにキュートで愛くるしい小さな小さな塊が存在しているんだ。。。

2015年の1月に、一度読了していたらしい（^ ^; 全く気づかずに読み始めてから、 「待てよ、洗足池という地名に覚えがあるぞ」 と、うっすらと気づいたが... 細かいことはまったく記憶に無く（^ ^; とても新鮮に楽しめました（^ ^; それもそのはず、以前の文春文庫版から、 大幅に改稿した、との由。 原因は私の「忘却力」だけではなかった（^ ^; 主人公は、大学卒フリーターの青年。 元カノが「焼き殺された」というショッキングな話で、 ひょんなことからその真相を探り始めるが... この主人公は、柚木草平の若い頃なのでは、 と思うくらい美女に縁があり、女難の相が（^ ^; 一旦解決したかに見えた事件も、 後半に行くに従ってアヤシイ様相を呈し始める（^ ^; 最終的に、意外な人物が「魔女」だったと判明するも、 登場する女性陣は「全て魔女」な気が...（^ ^;