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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2017/07/06 |
JAN | 9784309464480 |
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精霊たちの家(下)
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精霊たちの家(下)
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商品レビュー
4.6
10件のお客様レビュー
加速する愛の物語。 ハイメがアマンダを抱きしめて眠るところが好き。みんながアルバを猫可愛がりするところも。じつを言うと僕は宝石泥棒なんだ。 何が幸福かは他者には決められないから、自分で見つけた幸福をそれぞれ大切に守っていく。家族はそれを他人の価値観で判断しないで見守って欲しい。...
加速する愛の物語。 ハイメがアマンダを抱きしめて眠るところが好き。みんながアルバを猫可愛がりするところも。じつを言うと僕は宝石泥棒なんだ。 何が幸福かは他者には決められないから、自分で見つけた幸福をそれぞれ大切に守っていく。家族はそれを他人の価値観で判断しないで見守って欲しい。 家族って難しいよ、って配信のコメントでさらっと流れてきてどきっとしたのもここ最近。 出典がわからなくなっていたけれど、ずっと忘れなかった引用を見つけました。148ページ。 彼女は、この世界を涙の谷と考えてはいなかった。むしろ逆に、神様が冗談半分でお創りになったものだと考えていたので、それを生真面目に受けとるのはばかげたことだとみなしていた。 恐怖政治のくだりが嫌すぎて震えながら読む。ここいらない、、、けどここがないと話が成立しない。姉の死体が解剖されるのを見てクラーラは9年間誰とも口を聞かなかった、があらすじなので騙された。 政治や残虐な話があるなら読まなかったのに。 でも騙されて読んでよかった。 祖国が突然めちゃくちゃになったときの反応がとても独創的。執筆時点で軍事独裁政権が終わっていないというのもすごい。それでもここを描きたかったのはジャーナリストとして避けられなかったからなのかな。と解説を読んで考える。 突然なにが起こるかわからないからあんまり世間に無関心じゃいけない。 クラーラは超能力者だし、不思議な世界が見えるけれど困っている人のために祈ったりしない。フェルラが祈っている横で人を助けるために物理的に助けられるように動き回る。 モラ三姉妹は運命の三女神。人の運命の糸をつむぎ、測り、切る。最後末っ子が現れたのは糸を切る、を司るから。 好きなキャラクターはローサ、クラーラ、ハイメ、アルバ。 上巻でエステーバンドに嫌悪感を抱く表現にも意味があり、最後長生きすることで変化していく人間のしなやかさを見せてくれる。 上巻の出来事には全て意味があり、下巻で回収される。トゥルエバ家のエステーバンに指を切られたガルシア家の子孫がトゥルエバ家の子孫の指を切り、教会の説教で地獄の描写を聞かされた人たちの子孫は現実で地獄を再現する。死体の代わりに詰められた砂は、武器の代わりに詰められた石になる。 細部にこだわり、同じモチーフを繰り返し、国語で習うような文学的価値が高いのは私の読む作家では舞城王太郎とこの人くらい。 でもイサベルが言いたいのは、文学的すごさを見せつけたいんじゃなく、この世は文学のように全てのことに意味があり回収されていく、恨みや憎しみを繰り返すけれど、それに振り回されるのではなく、それを知った上で自分の頭で考えましょう。 それが本当の自由だし、なまじ力で物事を解決できる男の人には難しいけれど、彼らは振り回されていることにすら気付かず、半ば眠ったように一生を終えるのだ、女性のもつ魔術的力と柔軟さをもってすればできるんじゃない?ってことだと思いました。 いやむしろ男とか女とか関係なく、祖国で苦しんでいる人、平和だと思って生活している人たちみんなに、苦しいだろうけれど憎しみの連鎖を断ち切る方法を考えましょう。そもそも植民地支配の名残のある南米の抱える矛盾、憎しみの記憶にあなたならどうやって折り合いをつける?という問いかけなのかもしれない。 と言う意味では途中で挫折した百年の孤独よりこちらのほうがずっと好き。始めから夢中で読めたし。クラーラが生きてた時が1番よかった。 そして解説でもどこでもガルシア•マルケスと比較してるけど、どちらかというとパウロ•コエーリョとかピエール•マッコルランを彷彿とさせられました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
作者は明確にしていないが、おそらくチリの軍事政治下で行われた身の毛もよだつ出来事に対して、これも南米の歴史風土の中の一つですよ、と悟ったような書き方に、この国に生きる人々の、運命を受け入れているある種の強さや儚さを感じた。
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最後の20ページで評価がガラリと変わった物語。 読了後は昔中学校で習った魯迅の故郷に近い感覚。 ピノチェト独裁政権時のチリの混乱ぶりが窺える。合法的な手段で政権を握った共産主義勢力の増長を防ごうと国軍が軍事クーデターを起こし、そのまま軍が独裁者となってしまう……という、全然フィク...
最後の20ページで評価がガラリと変わった物語。 読了後は昔中学校で習った魯迅の故郷に近い感覚。 ピノチェト独裁政権時のチリの混乱ぶりが窺える。合法的な手段で政権を握った共産主義勢力の増長を防ごうと国軍が軍事クーデターを起こし、そのまま軍が独裁者となってしまう……という、全然フィクションと感じないような話。本作は精霊とか超能力とか予知とかオカルト的なものが度々登場するが、前述した絶望的な歴史を中和する作用があるようにおもえる。この小説はノンフィクションというジャンルではないが、このようなオカルト的なものが登場することによってかえって、描かれてある地主と農民の関係であったり、歴史であったりがノンフィクションのように思えて仕方がない。 上下合わせて約800ページと長く、序盤中盤は正直言ってグダグダな話の進み方で中々ページを進めることができないでいたが、終盤(特に選挙が始まったあたり)から夢中になって読んでしまった。この本は全人類に勧めたい。
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