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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2017/05/16 |
JAN | 9784003600276 |
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蜜柑/尾生の信
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商品レビュー
3.6
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【蜜柑】 檸檬と少し似たようなところがあるかも〜と思った。 その場の風景とか人物がすごくイメージしやすい。 そこも含めてすごい好きな作品だった。
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黄粱夢を推薦されて読んだ一冊。話集としてぶっ飛んでるものもあるが、佳作だったり、芥川竜之介らしさがある作品も多くて楽しめる。
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1914(大正3)年から1920(大正9)年、芥川22歳から28歳までの初期作品が収録されている。 芥川龍之介といえば昔中学校の国語の教科書にも載っていたし、あのやたらかっこいい顔写真も友人の間で有名で、日本文学の「基本のキ」というイメージを持っている。中学から高校にかけて新...
1914(大正3)年から1920(大正9)年、芥川22歳から28歳までの初期作品が収録されている。 芥川龍之介といえば昔中学校の国語の教科書にも載っていたし、あのやたらかっこいい顔写真も友人の間で有名で、日本文学の「基本のキ」というイメージを持っている。中学から高校にかけて新潮文庫の芥川を3冊くらいと、岩波文庫のを2冊くらい読んで、それですっかり「済ませた」ような気になっていた。 文学の非常に有名な名作を人生のあまりにも早い時期に読んでしまったというのはある意味不幸なことで、その後何十年も経てば完全に忘れてしまっており、最新の文芸作品の玉石混淆なカオスを読み漁るだけでなく、そうした「歴史に残る名作」をもしばしば再読してみないと、文学世界の全体像をついついつかみ損ねてしまう危うさを感じないでもない。 若書きの芥川は、さすがに最初期のものはそんなに良いとも思わなかったが、「理知的」と言われる作品構成の手法や簡潔な文体といった個性は明確に表れている。本書に含まれる一編一編はどれも非常に短いもので、掌編というべきサイズだ。情景をしみじみと描いて豊かな叙情をつむいでゆくといった書き方とは異なり、完全に「知」の管制塔により場面は切り取られて必要最小限の要素が効率的に配置され、余計なものは最初から組み込む隙が無い。作品全体は説話的なテーマにしたがって合理的な建築物のように組み立てられている。 本書を読むことは楽しい体験であるが、すべては切り詰められているので、娯楽的な楽しさはあまりない。やはりそうした簡潔なたたずまいが、「芸術性」を体現しているといった感じだ。 芥川文学を評価するのにはやはりどうしても後年の、自死へと向かう精神のきしみの方に目が向いてしまう。そのプロセスの、最初期に当たるこれらの作品が、いかに知的に構成されているかというそのことを味わうばかりだ。 だがこの芥川の「知的」とはどういうことか。その知はもちろん哲学的な知とは異なる。知的ではあっても個々の作品はある種の詩的な表出への結実へと向かって建築されている。それの「構成への意志」が知的な様相を呈しているということになろう。 再度芥川龍之介の文学を評価し直してみるということであれば、当然、その「自死へと至るプロセス」を辿り直してみなければならないのかもしれない。
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