表題作のラストにある一文「ああ、年をとるって、面白い。」を集めたような短編集。表紙は気球が描かれていてかわいい。 勝手に他人の気持ちをあれこれ考えて怒りに震えたり、失望したり、怖がったり。でも改めて相手と向き合ったら、どうってことなかったと気付く。渦中ではどうしても受け入れられなかったとしても、時が経ち、年を重ねたら、向き合えるようになっているかも。 じんとするいい物語、にちょっとしたコミカルさが混じって、素敵な一冊だった。

出会い直してゆく短編集。 『出会いなおし』、、やや好き。 どちらかが未熟過ぎたり、余裕がないとうまくいかない関係も、年月を経て成長し余裕が出てくれば仲良く出来る。人間関係もバランスやタイミングが大事だなと。 『カブとセロリの塩昆布サラダ』、、主人公が苦手かも？押し付けがましい気がして。でも、一生懸命頑張ってるから、家族がもっと感謝の気持ちを表してくれると良いな。 『ママ』、、、不思議？でもこの奥さん苦手かも？って思いながら読んでたけど、２人とも《ママ》って存在に縋ってたからこそ許せなかったのかもと気付いたら、どうにか仲直りして２人で幸せになって欲しいなと思って読み終えました。 『むすびめ』、、、好きかも？ もっとすごい事件かと思ったら、そうでもなかったけど、本人はずっと辛かったんだろうなって思うから本当に良かった。 『テールライト』　　好き。 ただただ相手の幸せを願う。 一緒に過ごす時間は短かったり長かったりそれぞれだし、関係性も闘牛士と牛だったり、身分の差のある男女だったり、夫婦だったり、タクシー運転手と客だったりそれぞれだけど、ただただ、相手の幸せを願って終わる。いつか長く幸せに一緒に過ごせるといいなと願って読み終わりました。 『青空』 こういう時、なんで子どもの意見を聞かないんだろう？と思いつつ、でも良い方向に進みそうで良かった。