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なかなか暮れない夏の夕暮れ
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なかなか暮れない夏の夕暮れ
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商品レビュー
3.5
72件のお客様レビュー
普通や一般って難しい。 人それぞれの受け答えのタイミング、思考の速度、金銭感覚、恋愛観、家族観。 登場人物が多くて、視点もころころ変わるから多くの人のものの見方がわかったなぁ。 登場人物が読んでいる作品まで地の文で出てくるから、場面の切り替えが多い。一気に読むのがおすすめかも。 ...
普通や一般って難しい。 人それぞれの受け答えのタイミング、思考の速度、金銭感覚、恋愛観、家族観。 登場人物が多くて、視点もころころ変わるから多くの人のものの見方がわかったなぁ。 登場人物が読んでいる作品まで地の文で出てくるから、場面の切り替えが多い。一気に読むのがおすすめかも。 読書家でも他人に興味がないわけじゃない。没頭してその本の世界に浸るのがただ楽しい。周囲のことが遠くなってしまうのはわかる。その本に影響されて、色々試したくなって、料理するのもわかる。
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本の虫である稔が主人公の、普通とはなんだろうと考えさせられる話だった。 雀さんには他人の家の炊事場に立つのが苦手という共通点や、稔が読む本の続きは確かに自分も気になってしまうところなどがあり、入り込めた。 同じ小さい子を持つ立場である渚と由麻の境遇の違いも考えるものがあった。また...
本の虫である稔が主人公の、普通とはなんだろうと考えさせられる話だった。 雀さんには他人の家の炊事場に立つのが苦手という共通点や、稔が読む本の続きは確かに自分も気になってしまうところなどがあり、入り込めた。 同じ小さい子を持つ立場である渚と由麻の境遇の違いも考えるものがあった。また淳子みたいに息子に植木職人になりたいと言われたら…などとも考えてしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今回改めて読むと、ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』やフランソワ・トリュフォーの『大人は判ってくれない』といったヌーヴェル・ヴァーグの映画のようだと感じた。 本の虫の主人公・稔とその周囲を描いたドラマ(所謂ヒューマンドラマ)小説、としか本書は言い表せない。極端なまでに読書に夢中にはなるが他人に関心が無い(ように見える)稔は、俗に言う"普通"など全く気にしていない。その一方で彼の周囲は半ば意識的に"普通"であろうと努めているが、ふとした拍子に"普通"に収まらない言動や立ち居振る舞いをする。主に稔が読んでいる小説の場面を挿入しつつ、こうしたギャップのある二者の日常が淡々と綴られる。ストーリーらしいストーリーが在るようで無い(?)本書のプロットが、私にはまさに先に挙げたヌーヴェル・ヴァーグの作品のように感じられたのだ。 以前著者の初期の作品『きらきらひかる』を読んだ際、主人公のアルコール依存症(作中では「アル中」)やゲイ(同じく「ホモ」)といった設定が不愉快なほど強調されたり、また活かしきれていないといった印象を抱き、一気に苦手になってしまった。本書にも主人公を始め曲者がまあまあ登場するが、嫌味なものは感じなかった。
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