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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日経BP社 |
発売年月日 | 2016/12/01 |
JAN | 9784822251888 |
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債務、さもなくば悪魔
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債務、さもなくば悪魔
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
長い 書いてあることは読めばわかるものの、そこから知見を抜き出すのが難しい。 経済解説というよりは、物語という印象
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金融危機後の数年間を、英国の金融監督官庁トップとして過ごした著者による、かなり挑戦的な内容の啓蒙書。同時期に英国中銀総裁を務めたマーヴィン・キング氏が著した「錬金術の終わり」では金融機関の満期変換機能に対する民間の「幻想」が槍玉に挙げられているが、本書ではさらに幅広く、信用創造機...
金融危機後の数年間を、英国の金融監督官庁トップとして過ごした著者による、かなり挑戦的な内容の啓蒙書。同時期に英国中銀総裁を務めたマーヴィン・キング氏が著した「錬金術の終わり」では金融機関の満期変換機能に対する民間の「幻想」が槍玉に挙げられているが、本書ではさらに幅広く、信用創造機能を民間に任せきりにすることの危険性に加え、金融危機以前に経済実務界で主流であった自由主義的な市場運営に対し極めて辛辣な口調で批判が加えられている。 これまで主要国で行われてきた大規模金融緩和が、金融危機後の経済成長に寄与するばかりか、アセットの高騰につながり国内・国際インバランスの原因を生み出しているという指摘には完全に同意。マネーサプライの動きをみれば、結局金融危機前のアセットバブルと酷似する条件が再生産されているのであり、この流れを繰り返さないためにも、著者のいうやや刺激的な民間信用創造抑圧策も正当化されるのではと思えた。 しかし、民間信用供給を諸悪の根源扱いする一方で、公的セクターには全幅の信頼を寄せる著者の姿勢にやや疑問も。またヘリコプター・マネーを公的期間が節度を持って運用できるとも僕には思えない。著者も何度も述べる通り、政府と中銀は実質一体なので、HMという打出の小槌を手にすればいつでも非効率な財政出動や減税に走る誘惑が存在する。HMは「適切に運用すれば」間違いなく有用だとするが、「適切に」という前提条件を置けば何であろうと適切なのは当然であって、単なるトートロジーに過ぎないだろう。 著者の主張の是非は措くとしても、過剰債務問題を考える上でのfood for thought としては極めて興味深く読める。また、金融政策の最近の論点がまとめられており通読すればかなりの知識再整理に役立つ。なお巻末の解説は必読。本書では中銀の国債購入原資が「紙幣」であると前提されているが、現実には超過準備でファイナンスされているため、本書で提言されているHMはそのままではワークしない。このことを念頭に置かなければ容易にミスリードされてしまうだろう。
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債務創造は行き過ぎれば大惨事を引き起こす。 南北戦争の際にリンカーンはグリーンバックを発行した=政府紙幣。高橋是清の通貨増発など、リフレの成功例もある。一方で、ワイマール共和国、ジンバブエなどのハイパーインフレの例もある。適正量なら利便性がまさる。 金融依存度を高めると市場の...
債務創造は行き過ぎれば大惨事を引き起こす。 南北戦争の際にリンカーンはグリーンバックを発行した=政府紙幣。高橋是清の通貨増発など、リフレの成功例もある。一方で、ワイマール共和国、ジンバブエなどのハイパーインフレの例もある。適正量なら利便性がまさる。 金融依存度を高めると市場の働きでより良い「価格発見」がなされる、という理論が自由市場用擁護の一般理論。市場の流動性が高まることは社会的に有用。 効率的市場仮説と合理的期待形成仮説が成り立たない理由=群れをなして動く。市場全体はその通りにはならない。ケインズの美人投票=全体に従うほうが合理的、しかし効率的ではない。完全市場は幻想。 流動性の増加による価格発見力に対する限界効用は低下する。取引の増加とボラティリティの増減はどちらもあり得る。 株式は、資金の出し手のコントロールできないリスクを含む。金融は確定利付なのでそれがない。 金融の仲介機能は、設備投資ではなく不動産の購入に当てられている。 民間から公的部門に債務が付け替えられた。 量的緩和は富裕層に分配される。 国債発行による財政政策は、クラウディングアウトとリカードの等価定理で効果がない、とされた。しかし合理的でない人間のおかげで、そうなるとは限らない。 人口が多い国で生活水準が西欧並みに上昇した国は、日本、韓国、台湾しかない。 VARのような高度なリスク管理システムは、信用と資産価格の変動を増幅する可能性がある。すべての金融機関がこれでリスク管理をすると、金融システム全体が不安定になる。 債務契約に対する課税をすれば、過剰債務が発生しない。現代は債務契約を優遇している。 銀行の廃止=民間の信用創造の禁止。債務契約ではなく株式契約。株式を新たな形にできないか。 ヘリコプターマネーで消費を刺激する=インフレ率の上昇と生産の増加につながる。 政府紙幣なら増税がないので、等価定理は成り立たない。 マネタリファイナンス以外の選択肢=政府紙幣の発行。 劇薬と同じ。摂取量の調節が難しい。民間の信用創造よりいいのではないか。一回限りに限る。
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