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人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長 中公新書2388

吉川洋(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2016/08/01
JAN 9784121023889

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商品レビュー

3.6

72件のお客様レビュー

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2024/03/09

日本は少子高齢化により人口が急激に減っている。働き手は減り、地方都市は消滅の危機にある。もはや日本の衰退は不可避ではないかという論調が多いが、そのようなことはない。経済成長をもたらすものはイノベーションであり、人口が減っていくからといって、衰退が避けられないというものではない。以...

日本は少子高齢化により人口が急激に減っている。働き手は減り、地方都市は消滅の危機にある。もはや日本の衰退は不可避ではないかという論調が多いが、そのようなことはない。経済成長をもたらすものはイノベーションであり、人口が減っていくからといって、衰退が避けられないというものではない。以上が、本書の骨子中の骨子だと理解した。 それでは、そもそも経済成長って必要なのか、必要だとすれば何のために必要なのか、という問いも本書は投げかけている。この問いに対しての、私なりの理解を下記したい。 経済成長をもたらすものがイノベーションであるとすれば、イノベーションのないところに経済成長は起きない。では、イノベーションが起これば、どのような良いことが起こるのか。端的で分かりやすい例は、平均寿命の伸長である。平均寿命の伸長には、多くのイノベーションが与っている。それは、例えば、新しい薬の開発であったり、新しい治療方法の開発であったり、あるいは、国民皆保険や乳児に対しての予防接種というような社会システムもイノベーションとして考えても良いかもしれない。これらのイノベーションが平均寿命の伸長という果実をもたらしたのである。経済成長が起こっているということは、どこかの分野で、このようなイノベーションが起こっているということであり、一般的にイノベーションが起これば社会を良くするものである、これが経済成長が必要な理由の一つである。 また、成長か平等か、という議論が別にある。経済成長の結果、世界の多くの国で所得格差が広がっているのではということが言われている。しかし、格差を是正するためには、やはり成長による原資が必要となる。そういった面からも経済成長は必要である。ただし、これは成長した「から」格差が是正されるという関係にはなく、それはそのための対応が必要な事項である。 たしかに、このようなことは言えるとは思うが、事はそれほど簡単ではない気もする。少子高齢化により、高齢者人口が増大したことにより、社会保障費により多くの原資が必要になっている。経済成長により、国の富が増えても、そのうちの多くの部分を、追加の社会保障費に費やさざるを得ない状態が、今の日本の状態ではないだろうか。個人から見れば、折角、給料が増えても社会保険料や税金の増加により、それがなかなか実感できない、そういう状態かと思う。「イノベーションが経済成長をもたらす。従って、必ずしも人口減少は、あまりに悲観的に考える必要はない」という本書の考えは、少し楽観的かな、とも感じる。

Posted by ブクログ

2023/04/28

本書の主題を一言で言えば、経済成長は人口の伸びとは関係ない。ゆえに人口が減少するから経済が必ず縮小するとは限らず、イノベーションによって1人あたり所得が増えれば経済成長も可能である、というものです。  まず理屈としてはそうだろうな、確かに100%衰退するとは限らないだろうなとは...

本書の主題を一言で言えば、経済成長は人口の伸びとは関係ない。ゆえに人口が減少するから経済が必ず縮小するとは限らず、イノベーションによって1人あたり所得が増えれば経済成長も可能である、というものです。  まず理屈としてはそうだろうな、確かに100%衰退するとは限らないだろうなとは思いましたが、本書の説得力があったか、と言われるとそこは微妙でした。まず本書の主張の大前提が過去の経済学の知見であること。ケインズ、シュンペーター、マルサスなどの主張が織り込まれているのですが、実は足元で起こっていることはこれまでの経済学のフレームでは説明できないことかもしれないということです。本書では人口減少だけがトピックになっていますが、AIやIoTといった情報技術の発展が同時に起こっており、これらの現象はわれわれを別の次元の社会に導いているのかもしれません。つまり18世紀の産業革命が近代経済学の生みの親だとすれば、現在の情報通信革命は、今の経済学が前提としている多くの「あたりまえ」を覆し、全く異なる経済学の誕生を望んでいるのかもしれないということです。  産業革命時の英国は、国力を測るのにストックではなくフローで計測すべきだと考えましたが、これは当時画期的な発想で、それまでは国が蓄積している財貨(ストック)の量が国力を表す指標だと考えられていました。現在のわれわれはGDP統計に代表されるフローこそが国力をあらわす指標だと固く信じていますが、100年後の人類からすれば「何を馬鹿なことを」と思われるようなことなのかもしれません。そういう感覚がうっすらとあるものですから、本書のようにいわゆる伝統的な経済学者の論考だけを持ってこられても、(確たる反証はないのですが)どうしても心の底から納得できない自分がいました。

Posted by ブクログ

2022/03/23

まさしく人口と経済の関係性を説いた書。 歴史的に過剰人口が問題だった事に触れ、マルサスの「人口論」やリカードの自由貿易論、ケインズの人口減少による投資・需要減少論、ビクセルの最適人口論、ミュルダールの子育て支援論をあげる。一方日本では人口減少と急速な高齢化によって社会保障・財政...

まさしく人口と経済の関係性を説いた書。 歴史的に過剰人口が問題だった事に触れ、マルサスの「人口論」やリカードの自由貿易論、ケインズの人口減少による投資・需要減少論、ビクセルの最適人口論、ミュルダールの子育て支援論をあげる。一方日本では人口減少と急速な高齢化によって社会保障・財政への負荷や地域社会の消滅(地方消滅)が指摘されている。ただ経済成長に関しては労働生産性(つまり資本蓄積と技術進歩・イノベーション)増加でどうにかなると語る。労働力供給と生産性向上、消費財の普及と人口移動による世帯増加が高度成長の源泉だったことをデータも交えて振り返り、4次産業革命でのAI普及でもイノベーションが鍵になることを述べている。 豊さの中で富裕層の出生率が低下するのはギリシャもそうらしいが、人口の原理とは裏腹に平均所得上昇と出生率低下、平均寿命の延びがセットで来た。平均寿命の話で、都市化の進展が寿命に悪影響であることや戦前日本の所得不平等→乳児死亡率(所得と相関)高→平均寿命短の関係を(寿命)ジニ係数を使って明らかにしたり、戦後日本は所得向上・医療改善・皆保険によって寿命を勝ち得たことを示した。ソ連の話はトッドと関係がありそう。最終章では経済(集団的物資代謝→贅沢によって加速・蜂の寓話)と経済成長(GDPという価値点数的指標の成長)について語る。先進国の成熟経済は需要の飽和(ロジスティクス曲線)に常に晒され、成長率低下圧力がかかっている。 筆者はシュンペーター的なプロダクトイノベーションを推す。ミルのゼロ成長論からの所得平等・定常状態幸福論には、筆者は江戸時代の栄養不足や災害対応を用いて鋭く反論する。最後に筆者は、そのような経済成長も平均寿命の延長に帰着すると主張する。経済成長がいいかどうかはもっと生きたいかという死生観と関わってくるのだろうと結論付けて終わる。 流石東大教授といった感じで文章も分かりやすくデータの繋がりもしっかりしていて読みやすかった。ただ一般向けということでやりにくさは感じた。平均寿命と所得の関係などは非常に興味深かったので詳しい本があれば読んでみたいと思う。戦前日本については戦死者や災害死の割合、そもそも日本を先進国に入れて議論していいのかという話もある。一人当たりの所得などを鑑みずに議論を展開しているのは紙幅の問題もあるだろうが、尽くされていないと感じた。題名通り日本経済と人口に絞って書いても良かったとは思う。 2021/2/6

Posted by ブクログ

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