身近な嗜好品であるチョコレート。その独特の香り、甘さと苦みが作り出すハーモニーは私たちを魅了してやまないけれど、それが何からどのようにして作られているのかは、あまり意識されない。本書は、原材料たるカカオがどのように栽培され、どのように加工されてチョコレートに至るのかという工程を、製造法開発の歴史と共に解説している。 抑えておくべき、チョコレートの基本が解説されていることに加えて、本としての佇まいが良い。厳選された写真とイラスト、情報過多にならない本文と、内容にバランスが取れている。 普段甘いものはあまり食べないのに、ついチョコレートを買って、ゆっくり味わってしまった。

チョコレート検定の勉強のため購入。 飾っておきたくなるチョコレート色のシンプルな表紙、写真家が同行して撮影した写真、行き届いた図や注釈など美しい本でした。装丁だけで買ってよかったと思える。 チョコレート検定公式テキストは無事合格したら売ってしまうかもしれないが（書き込みしすぎて売れないか…）、この本は本棚を彩ってくれるだろう。

初めて知ることがいくつもあって面白かった。発酵がかかわっていること、海外と日本のチョコレートのちがい(ねちっとした甘みみたいなのは、全脂粉乳の製法の違い スプレードライ〔日本〕とドラムドライ〔海外〕)、粒子の感じ方 日本人は粒度に対する感度が優れているかもしれないこと、テンパリングは結晶化だということ(一週間以上熟成させることで結晶化が行われる。目に見えないところで結晶化が進んでいくのかな)。