M&Aのいろは。「最初に読む本」くらいの位置づけか。 帯で大々的に喧伝される「どんな業界も大手4社」がミスマッチ。そこはポイントじゃないよね？(導入としてはよくまとまっていると思うが、このミスリードが読み手のがっかり感につながる） ******************* 　経営に求められるものは、「高値の売却」と「会社の飛躍的成長」を実現する判断力と決断力。 　（上記の2番目の目的から）最良の相手探しと最良のマッチングは、金額だけでは成立しないのは言うまでもない。社風や理念、志が共通しているか、統合・合併後に最大のシナジーが得られるかなど多角的に見ることが重要。

日本M&Aセンターのマーケティング本。 著者略歴で「業界再編M&Aの第一人者」と自ら記載してしまうのはいかがなものか。 どの業界でも、人口減少とグローバル化を要因とした業界再編が起きるので、 後手に回らないタイミングで「圧倒的高値による売却」と「事業の飛躍的成長」を実現しよう、とせっつくのが基本的なメッセージ。 事業会社やファンドでは自社で対応できるレンジに限界がある（事業会社では自社事業領域に合致するか否か、ファンドではリターンを出せるか否か）ことから、仲介業者としてM&Aに関わるのが最も儲ける機会がある気がする。 （ちなみに、日本M&AセンターはM&Aアドバイザリーではなく、営業力を武器にした仲介業者と認識。スキームのアドバイスよりも、仲介に徹しててっとり早く売り手と買い手をマッチングした方が儲けやすいと思料）） ※メモ 業界プレーヤーの上位10社のシェアが10％＝成長期 ：中小中堅企業同士のM&A 上位10社のシェアが50％＝成熟期 ：大企業による中小中堅企業のM&A 上位10社のシェアが70％＝衰退期 ：大企業同士のM&A　→　4社に統合