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食味風々録 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2015/08/22 |
JAN | 9784122061569 |
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商品レビュー
3.3
7件のお客様レビュー
長旅にはぴったりの軽め、かつ、面白いエッセイ。 まぁこれだけ金があればおいしいものを食べられるんでしょうが、それでもフランス料理はおいしそうとは思えないですけど。
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尾道旅行のお供に選んでみたら、ご本人は広島市出身、尾道にゆかりの深い志賀直哉の最後のお弟子さんでもあるそうで。尾道の料亭でのお話も載っていて、偶然とはいえなんてドンピシャな本を選んだと自賛しました。 阿川佐和子さんの食へのこだわりをみるとお父様の阿川弘之さんも相当なものだと思われ...
尾道旅行のお供に選んでみたら、ご本人は広島市出身、尾道にゆかりの深い志賀直哉の最後のお弟子さんでもあるそうで。尾道の料亭でのお話も載っていて、偶然とはいえなんてドンピシャな本を選んだと自賛しました。 阿川佐和子さんの食へのこだわりをみるとお父様の阿川弘之さんも相当なものだと思われますし、こんなタイトルのエッセイをお書きとなれば、さぞや美味しいものの話が出てくるに違いないと期待も高まります。残念ながら時代的にも経済的にも隔たりがありすぎて、このエッセイに出てくるものはほとんど食べたことがないのですがそれでも想像力をかき立てられ、お酒の銘柄や飲み方なんかはまんま参考にさせていただきました。また各分野で名をなした方々との交流も興味深く、画家の梅原龍三郎夫妻とのパリでの食事は不首尾に終わったようですが羨ましくて思わず声を上げそうになりましたし、向田邦子さんとのたった一度の対談も実際の記事をリアルタイムで読んでみたかったと悔しくなりました。巻末の阿川佐和子さんとの対談も掛け合いが面白く、「子供に人権はない」と仰ったという逸話からは想像もできないほど親しみやすい父親像が垣間見えます。 美味しいものを食べるのに手間を惜しんではいけない、それはまさにその通りだと感じつつも、何かと理由をつけて暴飲暴食に走ってしまう我が身にはきつい一言も出てきます。日々、満腹になるよりも気持ちが満たされる食事をとりたいものだと思います。そのためには仕事もいないといけないし、何より自分の料理の腕を上げねば。あの阿川氏だって美味しいもののためにお台所に立ったんですから。
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作家阿川弘之の食に関するエッセイ集。小説としては海軍をテーマにした作品が多く、私にとっては硬い、右派というイメージがあった。しかし娘・阿川佐和子のエッセイに登場する「父」としての阿川弘之は時にワンマン、時に強権、時に子供のようにわがままと昭和の父親を彷彿とさせる。そんな作家のエッ...
作家阿川弘之の食に関するエッセイ集。小説としては海軍をテーマにした作品が多く、私にとっては硬い、右派というイメージがあった。しかし娘・阿川佐和子のエッセイに登場する「父」としての阿川弘之は時にワンマン、時に強権、時に子供のようにわがままと昭和の父親を彷彿とさせる。そんな作家のエッセイとは?と興味を持ち、このエッセイを読んだ。 阿川佐和子のエッセイでもその美食家ぶりが垣間見られるが、このエッセイはその食に関する知識の広さ、おいしいものに対する追求心を披露している。またユーモアを交え、クスリとさせられる文章で読みやすい。だからといって崩れた文章ではなく、常に美しく正しい日本語を心がけていた作家だけにこのエッセイの文章もリズミカルで日本語の美しさを大切にしている。 阿川弘之は志賀直哉の最後の弟子といわれ、このエッセイにも私にとっては文学史上の作家、志賀直哉自身が登場、また自身は「第三の新人」といわれた作家グループ(遠藤周作、吉行淳之介)のひとり、開高健、北杜夫など私が学生時代によく読んでいた作家たちとの交流も書かれていることが興味深く、また阿川弘之を含めほとんどの作家が鬼籍に入っていることに時代を感じさせられた。
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