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命に三つの鐘が鳴る 埼玉中央署 新任警部補・二条実房 光文社文庫

古野まほろ(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2015/06/01
JAN 9784334769239

命に三つの鐘が鳴る

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商品レビュー

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2016/03/21

舞台は1975年(昭和50年)左翼系過激派セクト「革命的人民戦線」と「革命的学労同盟」が血で血を洗う激しい闘争を繰り返している日本帝国。 かつての学生運動の闘士でありながら、キャリア警官としての生活をスタートしたばかりの二条実房は、埼玉中央署 刑事第一課強行係の新任係長として、か...

舞台は1975年(昭和50年)左翼系過激派セクト「革命的人民戦線」と「革命的学労同盟」が血で血を洗う激しい闘争を繰り返している日本帝国。 かつての学生運動の闘士でありながら、キャリア警官としての生活をスタートしたばかりの二条実房は、埼玉中央署 刑事第一課強行係の新任係長として、かつての恋人 佐々木和歌子を奪った元同志であり、親友でもある我妻雄人を取り調べることになります。佐々木和歌子殺害の容疑者として。 罪は認めているものの、一切の動機を語らない我妻と二条の、取調室での息詰まる駆け引きの行方は… 昭和50年の過激派闘争?日本帝国? そう、これは古野まほろさんのデビュー作から続く、一連の「天帝」シリーズに連なるスピンオフ的な作品です。 ただ、それ自体は特に重要でなく、この作品だけ読んでも問題はありません。 むしろ、これまでのシリーズとは違った本格的な警察小説として、そして、これまでのシリーズ同様、それ以外の様々なジャンルの要素が盛り込まれた味わい豊かな物語に仕上がっています。 一つ目の要素は、キャリア警官 二条実房の成長を主眼に据えた警察小説です。 大学を卒業後に、警察講習所での厳しい訓練に耐え抜いたものの、実践配置された警察署では当然ながらまだまだヒヨッコです。 自分より歳も階級も下の警官にも敵わないところからスタートし、指導教官の厳しすぎる指導と周囲の助けを得つつ、我妻の供述を得ようと足掻く姿は、時に声を出して応援したくなるほどです。 そして、警察の様々な活動の描写は、かつて警察官僚であった著者ならでは。 その生々しさと実体感、迫力は言葉に言い表せません。 二つ目は、ほろ苦い青春小説です。 高校時代から付き合い、後を追うように同じ大学に入ってきた後輩でもある彼女が、あっけなく寝取られてしまった相手が同志で親友… これだけで、僕やったら立ち直れないですね。 恋愛だけでなく、学生運動の闘士としても挫折し、真逆のキャリア警官の道を選ぶには当然深い理由がありますが、それは読んでのお楽しみ。 そして三つ目、まさしく運命のいたずらとしか言いようがない、壮絶な悲劇の物語です。 フィナーレを迎えて、真相が明らかになり呆然と言葉をなくした後に、もう一度襲いかかるさらなる衝撃ともう一つ奥の真相。 ここまで打ちのめされた物語はなかなか覚えがありません。 衝撃を覚悟してください。 でもぜひ読んでください。

Posted by ブクログ

2015/08/13

果実を読んだのが半年前。その文体が余りにも独り善がりで、好きになれなかったのですが、ここ最近の多作ぶり、先輩からの熱烈な勧めを鑑みて、合わないからと無視するのはミステリ読みとしてどうなのかと、自問自答した末に“まほろ慣らし”として選んだのが本書です。 結果、慣らすどころかすっかり...

果実を読んだのが半年前。その文体が余りにも独り善がりで、好きになれなかったのですが、ここ最近の多作ぶり、先輩からの熱烈な勧めを鑑みて、合わないからと無視するのはミステリ読みとしてどうなのかと、自問自答した末に“まほろ慣らし”として選んだのが本書です。 結果、慣らすどころかすっかりハマってしまいました。動機を極めて理論的に解明する。というのが本書の目指すところですが、その企みはまずまず成功したと言っていいと思います。一部、後出しジャンケンのような情報の出し方もありましたが、大きな瑕疵ではないでしょう。 このロジカルさに惹かれたのも勿論なのですが、何より魅せられたのが、目眩く因果の果てに訪れる悲運の物語。この余りにも哀しすぎる物語に完全にノックアウトされてしまいました。主人公が大人ということで、『果実』では抑えの効かなかった度が過ぎた青臭さが、本作では良い方向に作用しています。本を読んでここまで感傷的になったのはホント久しぶりですよ。 出会いは良くなかったまほろ作品ですが、これからは定期的に読んでいこうと思います。

Posted by ブクログ

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