1,800円以上の注文で送料無料

  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 文庫

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 集英社文庫

角幡唯介(著者)

お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する お気に入りに追加 お気に入り 追加 追加する に追加 に追加する

定価 ¥858

¥660 定価より198円(23%)おトク

獲得ポイント6P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

5/11(土)~5/16(木)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2014/09/01
JAN 9784087452297

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

5/11(土)~5/16(木)

アグルーカの行方

¥660

商品レビュー

4.3

22件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/04/14

 1845年にイギリスを発ち、129人が全滅したフランクリン隊の足跡を現代の探検家が追うという筋立てのノンフィクションである。  フランクリン隊は船と隊長含む隊員を何らかの理由で失う。その後クロージャ―船長が指揮をとるも、極地を方々に彷徨い、食人まで行われていたという謎と衝撃か...

 1845年にイギリスを発ち、129人が全滅したフランクリン隊の足跡を現代の探検家が追うという筋立てのノンフィクションである。  フランクリン隊は船と隊長含む隊員を何らかの理由で失う。その後クロージャ―船長が指揮をとるも、極地を方々に彷徨い、食人まで行われていたという謎と衝撃から、フランクリン隊に好奇心をかき立てられる者は多く、今もフランクリンやクロージャーの墓探しなどをする人々が後を絶たないようだ。  「アグルーカ」というのは大股で歩く男というイヌイットの言葉であるという。彷徨う白人の集団と出会ったという当時のイヌイットの証言が残っており、アグルーカはそのリーダーである。イヌイットたちがフランクリン隊の生き残りと会っていたことは間違いないとされ、カニバリズムに手を染めていたことも科学的な調査から事実とされている。ただ、証言は何パターンにも分かれており、また、アグルーカの名をイヌイットから授かった探検家は他にも複数いることから、本書で追っている「アグルーカ」が本当にフランクリン隊の生き残りだったのかどうかは分からない。当然に本書でフランクリン隊の行方が明らかになることはない(新しい発見があればニュースになっているだろう)。    研究室で資料を読むだけではなく、フィールドに出た者の手記というのが本書の特徴だろう。そこに行って初めて気が付くこともあるのだと思う。著者も「実際に彼らと同じ季節に同じ場所を旅してみて、彼らがこの早い時期に船を出発した理由が私 には何となく分かった気がした」「 まだ冬の寒 さが残る季節に船を出たのは、なぜだったのか。それは彼らの行方を捜索していた者たちにとっては大きな謎のひとつだった」が、「春がやって来た。もしかしたら、ただそれだけのことではなかった か」といっている。  また、英雄時代の神話のような極地探検しか知らなかったので、現代の探検家の探検観や探検生活も垣間見ることができて興味深かった。観光客が氷河や氷山を見に行く時代であっても不毛地帯のほとんどは人が立ち入らないのだから、まだまだ探検の余地はあるのだろう。  何度も読み返すかといわれると、そうでもない気がするけれど、フランクリン隊の行方や分かっている事実などの概観をつかむのにちょうどよい本だった。

Posted by ブクログ

2024/01/16

角幡唯介(1976年~)氏は、北海道芦別市生まれ、早大政経学部(早大探検部)卒のノンフィクション作家、探検家。 『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞(2010年)と大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞(2013年)、『極...

角幡唯介(1976年~)氏は、北海道芦別市生まれ、早大政経学部(早大探検部)卒のノンフィクション作家、探検家。 『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞(2010年)と大宅壮一ノンフィクション賞(2011年)、『アグルーカの行方』で講談社ノンフィクション賞(2013年)、『極夜行』で本屋大賞ノンフィクション賞(2018年)と大佛次郎賞を受賞。 本書は、19世紀の半ば、英国人ジョン・フランクリンが率いた北極探検隊129人が消息を絶った足跡を辿り、探検家・荻田泰永氏と共に、カナダ北極圏の凍てつく海と不毛な荒野1,600kmを103日間かけて徒歩で踏破した記録である。 ジョン・フランクリンは、1819~22年の北極探検で「靴を食べ」ながらも生還したことにより、既にナイトの爵位を受ける英雄となっていたにもかかわらず、1945年に59歳で129人の隊員と共に、船で再度北極探検に挑んだ。その目的は、当時ヨーロッパが中国との貿易を行うために、北米大陸を北から回りベーリング海峡を抜ける北西航路の開拓が求められており、残る未踏部分500kmの探査を行うことであった。しかし、一行は消息を絶ち、その後次々と派遣された捜索隊やイヌイットの記録により、ある程度の足取りは分かったものの、未だ正確には判明していないという。 そして、この物語を知った角幡氏は、自分で実際に同じルートを歩いてみることを思いついたのである。(因みに、「アグルーカ」とは、イヌイットの言葉で「大股で歩く男」を意味し、かつて北極にやって来た探検家の何人かが、イヌイットからこう呼ばれたのだという。) 私は、角幡氏の著作は、これまで、『空白の5マイル』、『探検家の憂鬱』、『旅人の表現術』を読んだことがあるが、冒険ノンフィクションとしての面白さと、ノンフィクションというものに対する角幡氏の考え方・スタンスに惹かれており、新古書店で目にした本書も手に取った。(また、私は、本書でしばしば引用されているA・チェリー=ガラード『世界最悪の旅』や、アーネスト・シャクルトン『エンデュアランス号漂流記』等も読んでいる。) 本書の最大の面白さは、何と言っても、角幡氏(と荻田氏)が3ヶ月以上かけて極寒の地を1,600km歩き、様々なことに出逢った体験にあるのだが、構成としては、自分たちの行動とフランクリン隊の足取りを交錯させる形を取っており、これはデビュー作『空白の5マイル』(私は読んでいないが、2作目『雪男は向こうからやって来た』もそうらしい)と同じ手法である。そして、角幡氏はあとがきで、本作品でこの手法がひとつの完成型に達したので、今後は別の手法を試みたいと書いている。 私は、上記の通り、角幡氏を単なる(という言い方も失礼だが)冒険ノンフィクション作家としてではなく、ノンフィクションに様々な手法をもたらす書き手(沢木耕太郎のような)としても気に留めているので、その後の作品も読んでみたいと改めて思った次第である。 (2024年1月了)

Posted by ブクログ

2023/03/08

探検家の著者が北極探検家の相棒と二人で北極圏を1000km以上歩いて探検するノンフィクション。 19世紀に北極圏で消息を絶ったフランクリン隊129名の足跡を追うのがテーマ。21世紀にこんなことをする人がいるのか。 GPSや衛星携帯などの文明の利器を持ちつつも、「GPSに従っている...

探検家の著者が北極探検家の相棒と二人で北極圏を1000km以上歩いて探検するノンフィクション。 19世紀に北極圏で消息を絶ったフランクリン隊129名の足跡を追うのがテーマ。21世紀にこんなことをする人がいるのか。 GPSや衛星携帯などの文明の利器を持ちつつも、「GPSに従っているような気がする」感覚は素人には分からないものだ。平坦に見える氷の台地だが実はソリがはまりやすくて難儀するとか、不毛地帯と呼ばれるツンドラ地帯が生命に溢れているとか、行った人でないと分からない描写に魅了される。 ところどころ引用されるフランクリン隊の文献がまた興味深い。アグルーカとはイヌイットの言葉で「大股で歩く男」らしいのだが、それが誰なのかも一つのテーマになっている。 飢えた筆者が妊娠している牛の親子を射殺するシーンが何とも言えない。 楽しみは食事だけという行軍を何ヵ月も続けられるモチベーションはなかなか理解できないが、探検と北極の過酷な大地に魅せられた人とはこういうものなのかな。この探検に持っていった気晴らし本が南極探検の「世界最悪の旅」というのだから。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品