別段作品に思い入れはない、のだけど最近全巻通読する機会があった。 今日、初めて行く県立図書館に本書があったので借りてみた次第。 だが、もともと厨二くせえなあ〜と思いながら読んでいた作品なので、あんまりセリフにもビビッとこない。通読の中では、そこそこかっこいいセリフも、切り取って解説をつけると興ざめである。 そういえば、この本のシリーズにジョジョの奇妙な冒険の名言集があって(図書館にも並んでて思い出した)、あれは酷かった。それは僕の思い入れに対しての温度差かもしれない。本書にはそういう酷さは感じない。つまり上向きにも下向きにもエネルギーが少ない、感じ。 さて、しかし面白かったのは甲野善紀氏による解説だ。「志」とは、自分の命よりも大切なものとして持ち続け、ここぞという時には自らの命を投げ出しても、それを貫こうとする、というものだったのに、いつしか大きなスポーツ大会で優勝するぐらいのものに使われるようになってしまった。そんな志は今の僕にはない。るろうに剣心が人気を誇ったのは、滅びゆくものへのまなざしがあったからではないか、とも説く。志を持って滅びゆくもの、になりたい。

工藤拓真の1/4はるろ剣でできてるんだと、改めて再認識。 「逆刃刀」「左頬の十字傷」などなど、様々な痺れるコンセプトをぶち上げた名作を、名言起点で整理した一冊。 和月さんが原作のアイデア創りについて触れた一節は、ファン必読。 実写映画版のアクションで痺れた人は、ぜひ、アニメ版・漫画版のストーリー・コンセプトに痺れるべき。

刃衛が入っていないので、☆１つ。 剣心の人斬り抜刀斎という過去。その贖罪の人生を送っている剣心に対しての、アンチテーゼ。 その彼の台詞がはいっていないのは、いかんでござるよ。 快楽殺人者の刃衛。 知ったかぶりの雷十太。 映し鏡である蒼紫と斎藤。 シャドウの志々雄。 復讐の縁。 後継者の弥彦。 台詞集なら、作品のテーマに沿って選んで欲しいですね。 雷十太は、選んでくれて嬉しかったんですよ。でも、刃衛が足りない。