僕は昆虫が割と好きだけど、決してマニアではないので、「だいたい何の仲間」ぐらいまでしか見てもわからない。だいたいの場合はだいたいでいいんだけど、たまにだいたいでは気がすまない時がある。 この本はそういう人向けにリリースされたと言っても良いであろう、昆虫同定図鑑である。 どうていずかん、というと響きがわるいのか、昆虫探検(エクスプローラー)図鑑、というカッコイイ名前になっている。 全ての昆虫に「見つけやすさ」という、地域別にいそうか、いそうもないかのアイコンがついていて、これがとてもよい。おそらくいないであろう虫を一生懸命探さなくてよい。 マップアイコン及び分布その他には、成虫の写真、体長、時期、そしてほんの一言の特徴と、ときにひとくちメモだけ。ストイックである。けれど、見つけた虫を探すには、必要十分だと思う。 さらに、写真検索マトリックスという名の大版ポスターがついてくる。正にマトリックスで昆虫写真が敷き詰められていて、マニアはもうたまらないだろう(繰り返すが僕はマニアじゃないぞ)。 単に生き物写真を見てハァハァしたい人にはもちろんオススメだけど、これから虫取り世代の子どもがいる親御さんは、きっとこれで子どもに自慢できるだろう。 コラムでは虫本がとりあげられているが、この選書がまた素晴らしい。読んだことのないものも多いけれど、既読本の評価からして大いに期待できる。あ、わかった僕は虫マニアじゃなくて虫本マニアだ。