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月と篝火 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2014/06/18 |
JAN | 9784003271452 |
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月と篝火
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商品レビュー
4.3
10件のお客様レビュー
あるとき書店で見かけて以来、中身をほとんど読みもせず、これを読むまでは死ぬまい、と心に決めた本である。それを読んでしまったのだが、やっぱり、自分の直感に誤りはなかったと思う。内容についてここであらためて語ることは野暮でしかないので、語らない。まあ、これはどんな話にも共通しているけ...
あるとき書店で見かけて以来、中身をほとんど読みもせず、これを読むまでは死ぬまい、と心に決めた本である。それを読んでしまったのだが、やっぱり、自分の直感に誤りはなかったと思う。内容についてここであらためて語ることは野暮でしかないので、語らない。まあ、これはどんな話にも共通しているけれど。気になったら読めばいいと思うし、気にならなければ読まなくてもよい。ただ、気になったのなら必ず読んだほうがよい。そんな話。
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内容は三分の一くらいしか把握できなかった。主人公、ヌート、チント以外の登場人物が誰が誰なのかわからなかったくらい、自分には難解だった。カラマーゾフの兄弟の方が登場人物が整理しやすい。この本の文字の小ささに慣れたら、大体の小説は読みやすいと思えると思う。
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主人公の「僕」は大聖堂の石段の上に置き去りにされていた。そして孤児院にいたのを貧農のパドリーノ一家に引き取られた。養育費銀貨一枚のために。私生児と呼び囃されながら「僕」はガミネッラの丘で幼年時代を送り、養育費が支払われなくなると今度は平地の農場へと売り渡されていく。主人公の生涯を...
主人公の「僕」は大聖堂の石段の上に置き去りにされていた。そして孤児院にいたのを貧農のパドリーノ一家に引き取られた。養育費銀貨一枚のために。私生児と呼び囃されながら「僕」はガミネッラの丘で幼年時代を送り、養育費が支払われなくなると今度は平地の農場へと売り渡されていく。主人公の生涯を追いながら描かれるのは農村の激しい貧困、戦争の惨禍、人々の愛憎劇。残酷な現実と悲哀の中に月光のように静かに輝くのは、貧しさに喘ぎながらもその地で生きようとする人々の姿だ。様々な感情、思惑を抱きながらも、誰かを愛し、催される祭の時は賑やかに、精一杯楽しみ、そうしてまた日々の労働に身を砕く。人の生き様を、困難な時代に翻弄された人々を淡々とだけれど美しい筆で描いた本作は胸が痛むけれど、感動的な物語。「故郷は要るのだ、たとえ立ち去る喜びのためだけにせよ。故郷は人が孤独でないことを告げる。村人たちのなかに、植物のなかに、大地のなかに、おまえの何かが存在しおまえがいないときにもそれが待ちつづけていることを知らせる。」この一節が本作の全てを言い表しているように思えます。
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